今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年4月1(月) 「中国PMI好転でドル円一時111円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 良好な米経済指標が散見され、さらに株高、長期金利が上昇したことを好感し、ドル円は110円95銭まで買われ、1週間ぶりのドル高を記録。
  • ユーロドルも下値を探る展開だったものの、1.1212近辺で下落を止められ、1.12台をキープ。
  • 株式市場は大幅に続伸。米中貿易協議の進展期待や、消費者マインドの好転を材料に、ダウは211ドル高で取引を終える。
  • 債券相場は続落。長期金利は小幅に上昇し、2.40%台に。
  • 金は上昇し、原油価格は約4カ月ぶりに60ドル台を回復。
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2月個人所得               → 0.2%
1月個人支出               → 0.1%
1月PCEコアデフレータ         → 1.8%
3月シカゴ購買部協会景気指数       → 58.7
2月新築住宅販売件数           → 66.7万件
3月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 98.4
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ドル/円 110.64 〜 110.95
ユーロ/ドル 1.1212 〜 1.1246
ユーロ/円 124.19 〜 124.64
NYダウ +211.22 → 25,928.68ドル
GOLD +3.20 → 1298.50ドル
WTI +0.84 → 60.14ドル
米10年国債 +0.011 → 2.405%

本日の注目イベント

  • 日 1−3月期日銀短観
  • 中 3月財新製造業PMI
  • 独 独3月製造業PMI
  • 欧 ユーロ圏3月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏2月失業率
  • 米 2月小売売上高
  • 欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)
  • 米 3月ISM製造業景況指数

ドル円は底堅く推移しています。先週末のNY市場では、住宅関連の指標や消費者マインドの上昇などを手がかりに、ドル円は110円95銭まで買われ、今朝早い時間には111円台に乗せる場面もありました。そのため、今朝のドル円やユーロ円などは「窓を開けて」取引が開始されています。

昨日中国が3月の製造業PMIを発表し、これが予想を上回る上昇を見せたことが今朝のドル円が上昇した背景かと思われます。3月の製造業PMIは「50.5」と、前月の「49.2」から大きく好転し、景気拡大と縮小の節目である「50」を超えています。製造業PMIの好転は昨年10月以来、5カ月ぶりのことで、中国政府が法人税減税や金融緩和など、景気刺激策を行ったことの効果かと思われますが、この数字が一過性のものであるのかどうか、世界経済に与える影響も大きいことから、注目していく必要があります。

米中通商協議は2日間の日程で行われましたが、新たな進展もあった模様です。ムニューシン財務長官は「USTRと私は北京での貿易交渉を建設的に終えた」とツイートしています。中国側が大きく譲歩したとの報道がありますが、まだ詳しくは分かっていません。協議は舞台をワシントンに移し、今週3日には劉鶴副首相が訪米し、引き続き行われることになっており、うまく行けば米中首脳が会談する日程にまで進むかもしれません。中国のPMIの改善と米中通商協議の進展は、ドル円や株式市場に好影響を与える と見られ、本日昼前に発表される「新元号」とともに、期待が集まります。

ドル円は先週110円を割り込み、109円70銭前後まで下落しましたが、その後徐々に値を戻しています。個人的には下値目線で見ていましたが、今朝は111円台を回復する場面もありました。チャートでは「日足の雲」の下限を試したものの、抜け切れずに反発していることも心理的には安心感につながっている面もあります。ただ引き続き上値は重いと見ています。長期金利の上昇も限定的と見ていますが、米中通商協議の更なる進展があれば、111円台後半までのドル高があるかもしれません。

ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長は、トランプ大統領は、FRBが政策金利を「0.5%引き下げる」ことを望んでいると経済専門局のインタビューで述べています。FRBがこの要求を呑むとは思えませんが、今後の米景気次第では市場が予想し始めたように、利下げがないとは言えません。目先の上値のメドは移動平均線が示す、111円30−50銭のゾーンかと思います。本日の予想レンジは110円60銭〜111円40銭程度と考えます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/5 長井・元日銀国際局 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/5 トランプ・米大統領 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 ドル円大幅に下落
2/6 イエレン前・FRB議長 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 --------
2/13 ポステック・アトランタ連銀総裁 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 --------
2/19 FOMC議事録 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 米国株が上昇
2/26 パウエル・FRB議長 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 --------
2/27 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
3/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。
3/10 易綱・中国人民銀行総裁 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 --------
3/12 メイ・英国首相 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 --------
3/12 ライトハイザー・USTR代表 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。
3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 --------
3/28 クラリダ・FRB副議長 「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」パリでの講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和