2019年4月2(火) 「米ドルほぼ全面高の展開」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は2週間ぶりに111円台半ばまで上昇。ISM製造業景況指数が予想を上回り、長期金利が急騰したことが材料に。ドル円は111円44銭まで買われ、この日の高値圏で取引を終える。
- ドル高が進み、ユーロドルも1.12を割り込み、1.1199まで売られ、約1カ月ぶりのユーロ安水準を示現。
- 株式市場は大幅に続伸。中国のPMIが良かったことに加え、ISM製造業景況指数が予想を上回ったことで、世界景気に対する懸念が後退。ダウは329ドル上昇し、約半年ぶりの水準に戻る。
- 債券相場は大幅に続落。長期金利は2.50%台を回復。
- ドル高が進み金は続落。原油価格は経済指標の好転を手がかりに1.45ドル上昇し、5カ月ぶりに61ドル台半ばまで買われる。
3月ISM製造業景況指数 → 55.3
2月小売売上高(速報値) → −0.2%
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| ドル/円 | 110.81 〜 111.44 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1199 〜 1.1248 |
| ユーロ/円 | 124.56 〜 124.88 |
| NYダウ | +329.74 → 26,258.42ドル |
| GOLD | −4.30 → 1,294.20ドル |
| WTI | +1.45 → 61.59ドル |
| 米10年国債 | +0.096 → 2.501% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 豪 豪2月住宅建設許可件数
- 日 3月マネタリーベース
- 欧 ユーロ圏2月生産者物価指数
- 米 3月自動車販売台数
- 米 2月耐久財受注
ドルはポンドを除く主要通貨に対して買われ、ドル円は111円台半ばまで、ユーロドルは1.1199までドル高が進みました。昨日の日本株の上昇もそうでしたが、中国のPMIが節目の「50」を上回ったことが好感され、「リスクオン」の流れを加速させたものと思われます。改めて、中国景気が世界景気に与える影響力を意識せざるを得ません。
中国のPMIが改善したことに加え、昨日発表された米国のISM製造業景況指数も市場予想を上回る「55.3」と、「50」を大きく超えていました。特に、雇用が3年ぶりの大幅上昇を見せ、3月指数の最大の押し上げ要因になっています。同指数は3カ月連続で低下しており、まだ判断はできませんが、製造業の底入れが近いのかもしれません。いずれにしても、経済規模で世界第1位と2位の米中で経済指標の悪化に歯止めがかかったことは大きな意味があり、世界景気の先行き悲観論がやや後退したと言えます。
このためNYダウはここ3日間で600ドル以上上昇しており、1月の底値から4000ドル近く買われたことになります。FRBが金融政策の舵を引き締めから中立へ切り直したことも大きな要因ですが、株価を見る限り、ハイテク株を中心に一時の悲観論が大きな修正を迫られている印象があります。
一方で、ユーロ圏の先行きには依然として慎重な見方を変えるわけにはいきません。ドイツの3月製造業PMI確定値は、速報値からさらに下方修正され「44.1」でした。この数値は、2012年7月以来となる低水準で、ユーロ圏全体の足を引っ張っています。ECBは年内の利上げを断念していますが、この状況では再び大規模な金融緩和が必要との見方も浮上しています。ドラギECB総裁はECBの年次報告書の序文で、「中期的に域内の物価圧力を確実に積み上げていくには、金融政策による大規模な刺激が依然欠かせない」と述べており、「地政学的な要素に関連する不透明性の持続や、保護主義の脅威、新興国市場の脆弱性を踏まえ、ユーロ圏の金融政策運営は引き続き忍耐と慎重さ、粘り強さが求められる」と論じています。(ブルームバーグ)
ドル円は昨日この欄で述べたように、上値は日足の重要な移動平均線が集まる、111円30−50銭で一旦上昇が止まっています。日米の株価に対する見方がやや楽観的に傾いてきた印象ですが、本日も日経平均株価の上昇が見込まれ、この動きに伴ってどこまで上値を伸ばせるのかが焦点です。すでに3月5日の高値112円14銭から今回の下落幅の「半値戻し」は達成しており、「半値戻しは全値戻し」と言われるように、112円台を試す可能性も出て来ました。
ただ、米長期金利は戻ったとは言え、2.5%台です。上値については依然慎重なスタンスを維持しています今週末の雇用統計が好調さを維持するようなら、112円台が見られるもしれませんが、ユーロ圏だけではなく、米国にも昨日の小売売上高のように、依然として低調な内容を見せる指標が散見されます。本日のドル円は111円〜111円80銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |
| 2/19 | FOMC議事録 | 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 | 米国株が上昇 |
| 2/26 | パウエル・FRB議長 | 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 | -------- |
| 2/27 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 3/2 | トランプ・米大統領 | 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 | -------- |
| 3/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 | ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。 |
| 3/10 | 易綱・中国人民銀行総裁 | 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 | -------- |
| 3/12 | メイ・英国首相 | 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 | -------- |
| 3/12 | ライトハイザー・USTR代表 | 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 | -------- |
| 3/21 | パウエル・FRB議長 | 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 | ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。 |
| 3/25 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 | -------- |
| 3/26 | クオールズ・FRB理事 | 「米経済は持続的な成長加速の時期に入ろうとしている可能性がある。さらなる段階的な利上げが必要」 | -------- |
| 3/28 | クラリダ・FRB副議長 | 「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」パリでの講演で。 | -------- |



