今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年4月3日(水) 「ドル円111円台で小動き」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は小動きで、ほぼ前日と同じ水準で推移。米長期金利は低下したが、ドル円は大きくは売られず111円25銭で下げ止まり、終始111円台で推移。
  • ユーロドルは小幅に続落し、1.1188まで下落したものの、1.12台に戻して取引を終える。
  • 株式市場はまちまちながら、ここ3日で600ドルを超える上昇を見せていたダウは79ドル安。ドラッグストア大手の下落がダウを押し下げる。
  • 債券相場は反発。前日2.5%を回復した長期金利は2.47%台へ低下。
  • 金は反発。原油はイランとベネズエラの減産観測から上昇。62ドル台半ばまで買われ、5カ月ぶりに高値を記録。
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3月自動車販売台数   → 1750万台
2月耐久財受注     → −1.6%
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ドル/円 111.25 〜 111.43
ユーロ/ドル 1.1188 〜 1.1216
ユーロ/円 124.47 〜 124.86
NYダウ −79.29 → 26,179.13ドル
GOLD +1.20 → 1,295.40ドル
WTI +0.99 → 62.58 ドル
米10年国債 −0.027 → 2.474%

本日の注目イベント

  • 豪 豪2月小売売上高
  • 豪 豪2月貿易収支
  • 中 中国3月財新サービス業PMI
  • 中 中国3月財新コンポジットPMI
  • 欧 ユーロ圏3月総合PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏2月小売売上高
  • 米 3月ADP雇用者数
  • 米 3月ISM非製造業景況指数
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

ユーロドルでは若干ドル高が進み、ドル円も上値を試す動きが見られたものの前日同様、111円台半ばで上昇を抑えられた形で戻っています。基本的には小動きで、米長期金利の低下や経済指標にも反応薄でした。昨日は原油価格がさらに上昇し、WTIは一時62ドル台後半まで買われる場面もあったようです。OPECの生産量が減少し、イランとベネズエラの生産量が減少するとの観測が価格を押し上げ、昨年11月以来の高水準に達しています。通常、原油価格が上昇するとドル円では円高方向に振れるケースが多いと言われますが、足元のドル円はそれほど円高に振れてはいません。このまま原油価格がさらに上昇するようだと、国内のガソリン価格の上昇などを通じて物価がジリジリと上昇する可能性もあります。

米中通商協議は本日、中国の劉鶴副首相がワシントンを訪れ、先週に引き続き協議を行います。市場の注目は米中の貿易問題に集まっていますが、遅れていた日米物品貿易協議(TAG)の閣僚級の会合が今月にも開催される模様です。15〜16日にワシントンで開催することで調整されているようですが、新たな市場の注目材料になり、成り行き次第では相場を動かすことにもなります。会合は農産品など関税分野に加え、サービス貿易やルール分野などを含めるかが焦点になっているようです。

われわれにとって最も関心があるのが「為替条項」の扱いです。「為替条項」が協議の議題として挙がり、合意内容に盛り込まれるようだと、円高圧力が強まり、ドル円下落の大きな要因になるからです。トランプ政権は自動車分野の対日貿易赤字を問題視しており、米商務省は2月に自動車・自動車部品輸入による米国の国家安全保障に及ぼす影響をまとめた報告書をホワイトハウスに提出しています。(ブルームバーグ)日本側の責任者である茂木経済再生担当大臣は、為替問題は日米の共同声明にも「全く入っていない」と述べていますが、タフ・ネゴシエイターのライトハイザーUSTR代表が相手です、「そうは問屋がおろさない」といったところでしょうか。

3度目の修正案も否決された英国のEU離脱問題では、メイ首相が緊急会見で、EUに対して離脱期限の延長を要請すること述べました。また「合意なき離脱」を回避するため、最大野党・労働党のコービン党首に共同プランの立案への協力を求めています。一方ではメイ政権の閣僚らが、メイ首相の辞任を求めているとの報道もあります。離脱期限は来週12日です。「合意なき離脱」が刻々近づいてきていると言えます。

ドル円は111円台で膠着状態です。昨日も述べましたが、上値は重いと見ています。この水準から112円台に乗せ3月初旬につけた112円14銭まで上昇する可能性は、それほど高くはないと予想しています。トランプ政権は利下げを望んでおり、FOMCメンバーもハト派に傾いてきました。米長期金利が2.8%台まで上昇するには、米景気の好調を示すよほどの経済指標が出ない限り簡単ではありません。

本日はADP雇用者数の発表が注目されます。予想は17.5万人と、前月よりも減少と見られていますが、このところの同指標は好調です。本日のドル円は110円80銭〜111円60銭程度と予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/5 長井・元日銀国際局 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/5 トランプ・米大統領 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 ドル円大幅に下落
2/6 イエレン前・FRB議長 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 --------
2/13 ポステック・アトランタ連銀総裁 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 --------
2/19 FOMC議事録 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 米国株が上昇
2/26 パウエル・FRB議長 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 --------
2/27 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
3/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。
3/10 易綱・中国人民銀行総裁 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 --------
3/12 メイ・英国首相 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 --------
3/12 ライトハイザー・USTR代表 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。
3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 --------
3/26 クオールズ・FRB理事 「米経済は持続的な成長加速の時期に入ろうとしている可能性がある。さらなる段階的な利上げが必要」 --------
3/28 クラリダ・FRB副議長 「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」パリでの講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和