2019年4月4日(木) 「米中通商協議進展期待からドル堅調」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は111円台半ばを試したものの抜けきれずに前日と同じ水準に押し戻される。米中通商協議の進展報道や米長期金利の上昇から円が売られやすい地合いながら値動きは緩やか。
- ユーロドルは反発。ユーロ圏の経済指標が予想を上回ったことで買い戻しが優勢となり、1.1251まで上昇。
- 株式市場は揃って上昇。米中通商協議期待からダウは39ドル上昇し、S&P500は半年振りの高値を記録。
- 債券相場は続落し、長期金利は2.52%台まで上昇。
- 金は下落したもののほぼ横ばい。原油は4日ぶりに反落。
3月ADP雇 → 12.9万人
3月ISM非製造業景況指数 → 56.1
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| ドル/円 | 111.31 〜 111.51 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1225 〜 1.1251 |
| ユーロ/円 | 125.08 〜 125.39 |
| NYダウ | +39.00 → 26,218.13ドル |
| GOLD | −0.10 → 1,295.30ドル |
| WTI | −0.12 → 62.46ドル |
| 米10年国債 | +0.050 → 2.524% |
本日の注目イベント
- 欧 ECB議事要旨
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
英フィナンシャルタイムズ(FT)が米中通商協議に関して「最終合意が近い」と報じたこともあり、ドル円は昨日の東京時間夕方には111円58銭前後まで買われ、日足の重要な移動平均線が集まる111円台半ばを試す動きを見せました。まだ完全に上抜けしたとは言えませんが、今朝6時時点でも111円40銭台で推移しています。先週2.36%台まで低下した米長期金利も2.52%台まで切り返しており、やや円売りが優勢な状況になっています。
舞台をワシントンに移して再開された米中通商協議は、FTが前向きな報道を行った一方、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は3日記者団に、「協議は順調に進展しているが、まだ合意に達しておらず、週内に近づくことを望む」と語っています。協議では、2025年までに大豆やエネルギーを含む米国の一次産品の輸入を拡大するほか、中国に進出した米企業に100%出資会社設立を認めることを公約する。この公約は拘束力があり、もし履行しなければ米国は報復措置を講じ得る。といった合意を目指している、とブルームバーグは伝えています。
前日1.1188前後まで売られたユーロドルは今回も粘り腰を見せ反発しています。ユーロ圏3月のサービス業PMIとコンポジットPMIが上方修正され、2月の小売売上高も前月より改善していたことが材料になっています。ユーロドルは前回3月8日の下落時もこの辺りを底値に反発しており、この水準がもう一段下がるかどうかの分岐点になっていると思われます。ただ、チャートを見る限りユーロドルの下落傾向は鮮明です。
これは「1時間足」から「日足」さらには「月足」に至るまで、右下に向かって描くことのできる「レジスタンスライン」が見事に機能しています。同時にこのレジスタンスラインは、一目均衡表の「雲」の上限辺りに沿って描くことができ、結局ユーロドルは、「一歩前進・二歩後退」を繰り返していることが見て取れます。この先、1.10を明確に下抜けするようだと、「月足」の雲の下限を抜けることから、さらに下落が加速することもテクニカル的には言えます。ユーロ圏では、域内の経済を牽引するドイツの景気後退が鮮明で、これがユーロ圏全体の景気後退につながっていると見られます。先日発表されたドイツの3月の製造業PMIは「44.1」と景気拡大か縮小の基準である「50」を大きく下回り、実に2017年7月以来となる低水準でした。ドラギ総裁は、今後も金融政策面から大規模な刺激策が必要との認識を示しています。このままさらに景気後退が続くかどうかは、上記米中通商協議の行方にも左右されると同時に、EUと米国の関税問題、さらには英国のEU離脱問題などにも影響され、見通しは甘くありません。
ドル円が111円台半ばをしっかりと抜けて112円を試すのか、またユーロドルが1.12を大きく割り込んでいくのかどうかは明日の雇用統計次第です。昨日発表されたADP雇用者数は、予想を大きく下回りましたが、2月分が上方修正されたことから「相殺」された形になっています。直近3カ月単位で見れば20万人を超えており、依然として米労働市場は「好調」だと言えます。一方本番の雇用統計では、2月の非農業部門雇用者数が衝撃的な内容でした。果たして2月分は政府機関閉鎖などによる「一時的な現象だった」と言い切れるのかどうか注目したいと思います。本日のドル円は111円10銭〜111円80銭程度と予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/5 | 長井・元日銀国際局 | 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/5 | トランプ・米大統領 | 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 | ドル円大幅に下落 |
| 2/6 | イエレン前・FRB議長 | 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 2/13 | ポステック・アトランタ連銀総裁 | 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 | -------- |
| 2/19 | FOMC議事録 | 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 | 米国株が上昇 |
| 2/26 | パウエル・FRB議長 | 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 | -------- |
| 2/27 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 3/2 | トランプ・米大統領 | 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 | -------- |
| 3/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 | ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。 |
| 3/10 | 易綱・中国人民銀行総裁 | 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 | -------- |
| 3/12 | メイ・英国首相 | 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 | -------- |
| 3/12 | ライトハイザー・USTR代表 | 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 | -------- |
| 3/21 | パウエル・FRB議長 | 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 | ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。 |
| 3/25 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 | -------- |
| 3/26 | クオールズ・FRB理事 | 「米経済は持続的な成長加速の時期に入ろうとしている可能性がある。さらなる段階的な利上げが必要」 | -------- |
| 3/28 | クラリダ・FRB副議長 | 「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」パリでの講演で。 | -------- |



