今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年4月12日(金) 「ドル円急反発し111円台後半に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 前日の急落で東京時間でも110円台後半だったドル円は、良好な米経済指標と長期金利の上昇に111円70銭まで反発。
  • ユーロドルは引き続き小動きで、1.12台半ばでもみ合い。前日と真逆の展開なり、ユーロ円は125円台後半まで上昇。
  • 株式市場は小動きの中、高安まちまち。ダウは14ドル下げたものの、S&P500は小幅高。まもなく始まる決算発表を見極めたいとする姿勢が強まる。
  • 債券相場は反落。長期金利は2.5%に届く水準まで上昇。
  • 金は大幅に下げ1300ドル台を割り込む。原油価格もIEAの需要見通しを受け大幅に反落。
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3月生産者物価指数 → 0.6%
新規失業保険申請件数 → 19.6万人
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ドル/円 111.20 〜 111.70
ユーロ/ドル 1.1250 〜 1.1276
ユーロ/円 125.21 〜 125.71
NYダウ −14.11 → 26,143.05ドル
GOLD −20.60 → 1,293.30ドル
WTI −1.03 → 63.58ドル
米10年国債 +0.032 → 2.497%

本日の注目イベント

  • 中 中国 3月貿易収支
  • 欧 ユーロ圏2月鉱工業生産
  • 英 英国のEU離脱期限
  • 米 3月輸入物価指数
  • 米 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

前日のNY市場で110円85銭まで売られたドル円は、昨日の東京時間でも上値が重く、111円を挟む展開でしたが、NY市場に戻るとジリジリとドルが買われ、111円70銭まで大きく反発しました。2つの経済指標が発表され、いずれも市場予想を上回るものだったとはいえ、ここ最近の値幅のない動きを考えると、やや驚きでした。前日の「円全面高」から、昨日は一転して「円全面安」の様相でした。

3月の生産者物価指数が予想を上回る0.6%だったことで、好調な米景気の持続や、利上げ観測につながったと思われます。また週間失業保険申請件数も19.6万件と、実に49年ぶりの低水準で、引き続き労働市場の拡大を示唆していると見られます。同指標はこれで、4週連続で減少しており「失業率が低い中、雇用主にとっては労働者を引き付け、採用することが依然困難な状況」だとブルームバーグは説明しています。

イギリスのEU離脱期限が10月末まで再延期になりました。EUは10日、臨時首脳会議で「合意なき離脱」を回避するため、離脱の期限を6カ月延期し、10月末にしました。同時にイギリスがその間、離脱協定案で合意できれば、10月末を待たずに離脱することができる仕組みも残しました。さらに合意文書には、イギリスが5月の欧州議会選に不参加なら6月1日離脱といったことや、離脱協定案は再交渉できないなどの条件も付記されています。EUのトゥスク大統領は「最良な解決方法を見つけるには十分な時間だ」とのコメントを残していますが、メイ首相にとっては依然としてイバラの道は続きます。メイ首相は11日遅くに最大野党労働党のコービン党首と会談をしたようですが、党内の抵抗も強く、短時間で会談を終えています。

FRBの中でもその発言が注目されるクラリダ副議長はワシントンでの講演で、米経済は昨年の力強いペースから幾分減速しているが「良好な状態にある」との認識を示しました。副議長は、物価上昇が抑制さている中で、賃金が上昇しつつある状況を踏まえて、「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」と述べています。  

ドル円は結局、日足の雲の上限で下落が止められ反発しました。ドルがさらに売られても、それほど深押しはないとは予想していましたが、予想以上の反発です。111円70銭までドル高が進んだことで、再び日足の重要な移動平均を上抜けしています。目先のレジスタンスは、先週の雇用統計直後につけた111円82銭ということでしょう。この水準をしっかりと上抜けできれば112円台乗せへの窓が開かれてくる可能性が高まると予想しています。引き続き米長期金利の動きと、本格化する米企業の決算発表にも注意したいと思います。米朝関係も再び微妙な状況になってきたようです。ベトナムで行われた2回目の首脳会談の決裂を受け、北朝鮮のメディアは強い口調で米国口撃を再開しています。一方トランプ大統領が3回目の首脳会談は可能性だと述べています。G20がワシントンで開催されています。今回から日本が議長国です。ここからの情報にも注意したいところです。本日の予想レンジは111円30銭〜112円程度でしょうか。

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日本の再生医療は世界でも最先端のようですが、ブルームバーグによると、この4月からニプロと札幌医科大学が共同開発した「ステミラック注」という再生医療製品が脊髄損傷の治療に使われるそうです。自動車事故などで脊髄を傷めると、半身や全身に麻痺が起こり治療が難しいと言われています。本製品の値段は1500万円ですが、保険も適用されるとのこと。まだ実用化を試す段階ですが、患者さんにとっては「朗報」です。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
3/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。
3/10 易綱・中国人民銀行総裁 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 --------
3/12 メイ・英国首相 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 --------
3/12 ライトハイザー・USTR代表 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。
3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 --------
3/26 クオールズ・FRB理事 「米経済は持続的な成長加速の時期に入ろうとしている可能性がある。さらなる段階的な利上げが必要」 --------
3/28 クラリダ・FRB副議長 「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」パリでの講演で。 --------
4/5 ククドロー・国家経済会議(NEC)委員長 (多くの電話会議を通じて通商合意に)「一段と近づいている」 --------
4/9 IMF・世界経済見通し 「世界的な成長の勢いが衰え不況に対応する政策的余地が限られる中、経済活動を害しかねない政策ミスを回避することを主な優勢事項にする必要がある」 ドル円111円台前半から111円割れ。株価も大きく下落。
4/9 ラガルド・IMF専務理事 「世界経済は、微妙な瞬間に直面している」 --------
4/10 FOMC議事録 フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した。 公表後、ややドルが上昇。
4/11 クラリダ/FRB副議長 「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和