2019年4月19日(金) 「ユーロ圏の経済指標を受けユーロドル売られる」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は昨日の夕方111円77銭前後まで売られ、レンジブレイクの期待も高まったがNY市場にかけては112円台に反発。良好な米経済指標が支えに。
- ユーロドルは水準を切り下げる。ドイツなどユーロ圏のPMIが総じて軟調だったことで1.1226までユーロ安が進む。
- 株式市場は3指数とも揃って反発。ダウは110ドル上昇し、最高値まで300ドルに迫る。
- 債券相場は小幅に上昇。長期金利は2.56%台に低下。
- 金は続落し、一時は約4カぶりの安値を記録。1276ドルで引ける。原油価格は反発。
3月小売売上高 → 1.6%
新規失業保険申請件数 → 19.2万人
3月景気先行総合指数 → 0.4%
4月フィラデルフィア連銀景況指数 → 8.5
**********************
| ドル/円 | 111.85 〜 112.02 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1226 〜 1.1254 |
| ユーロ/円 | 125.65 〜 125.91 |
| NYダウ | +110.00 → 26,559.54ドル |
| GOLD | −0.80 → 1,276.00ドル |
| WTI | +0.24 → 64.00ドル |
| 米10年国債 | −0.034 → 2.560% |
本日の注目イベント
- 日 3月消費者物価指数
- 米 株式、債券市場休場
- 米 3月住宅着工件数
- 米 3月建設許可件数
昨日の夕方、動かなかったドル円が下げ足を早め、一時111円77銭前後まで売られました。これでようやく「レンジブレイク」し、動きが出るかと期待したものの、欧州市場からNY市場にかけては再び押し戻され、112円台まで反発しています。
引き続き米経済指標が好調です。3月の小売売上高は市場予想を上回る「1.6%」で、失業保険申請件数も、20万件を下回る記録的な低水準が続いています。これらの発表を受け米景気への懸念が後退し、株価の上昇につながり、ドル円も堅調に推移しています。
一方ドル円と同じように、1.13を挟む展開が続いていたユーロドルは水準を切り下げ1.12台前半まで「ドル高・ユーロ安」が進みました。ドル円が112円台に押し戻された遠因には、ユーロドルでドル高が進んだことも挙げられます。ユーロ圏の4月の総合PMIは、市場予想では前月の「51.6」から若干改善しているとして「51.8」でしたが、結果は「51.3」とさらに悪化していました。また、ドイツの4月製造業PMIは「44.5」と、縮小と拡大の境目である「50」を下回りました。これで今年に入って4カ月連続で節目の「50」を下回る状況が続いており、いまや、ユーロ圏全体の景気に悪影響を与えています。ユーロ圏の「盟主」ドイツの低迷が続く限り、ユーロ圏全体の景気の底入れは望めない状況です。
昨日の欧州市場でトルコリラが急落しました。対円では19円36銭近辺から19円手前まで売られ、それほど大きな動きにはつながっていませんが、対ドルでは一時1.9%も下げています。ブルームバーグによると、外貨準備の動向について中銀から明確な説明がなかったことで、財政への懸念が強まったようです。トルコでは外貨準備の不足が続いており、英国のメディアは「トルコ経済が崩壊し、再起不能」といった報道をしています。エルドアン大統領はテレビ演説で、報道はどうであれ「われわれの状況は明快だ」と主張したと報じています。
昨日気になったニュースがありました。自民党の萩生田幹事長代行がインンターネットテレビ番組で、「6月日銀短観次第では増税延期もあり得る」と発言したことです。10月の増税まですでに半年を切っており、このタイミングで延期はないと思いますが、案の定、菅官房長官はいつもの定型文言である「リーマンショク級の出来事が起こらない限り、予定どおり引き上げる」と萩生田発言を否定しています。
消費税増税はすでに秒読み段階で、ここで延期することのほうが混乱を招きます。萩生田氏は、どんな意図があって発言したのか、こちらの方が興味深いと思います。
本日はイースターのため、主要市場はほぼ休場です。従って、東京市場が引ける夕方以降は動きがないものと思われます。そもそも動きの少ない状況で、欧米の参加者が休みですから期待はできません。予想レンジは111円70銭〜112円20銭といったところでしょうか。
===============
米国だけではなく、日本でも富める人とそうでない人との「所得格差」が拡大していると言われています。2008年のリーマンショック後の大規模な金融緩和を通じて、富裕層に資産効果を生む一方、資産を持たない人は何も恩恵受けていないことが、特に米国では顕著です。ところが日経新聞「ウォール街ラウンドアップ」によると、その富裕層からも格差を是正すべきとの声が上がっているそうです。世界最大のヘッジファンド運用会社ブリッジ・ウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオCEOは、無から自分を大富豪にした資本主義というシステムが今機能しなくなったと「資本主義の危機」を訴えています。米国では今、富裕層に対する増税だけではなく、資産の大半を慈善活動に寄付すべきといった議論も活発だとか。ダリオ氏は、先ごろ1億ドル(約112億円)を公立学校教育の向上のため、自身に住むコネティカット州に寄付することを発表したそうです。著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏は「富裕層の税金は低すぎる。私のような者に減税は必要ない」とまで述べているそうです。日本もいずれはそうなるのでしょう。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/2 | トランプ・米大統領 | 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 | -------- |
| 3/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 | ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。 |
| 3/10 | 易綱・中国人民銀行総裁 | 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 | -------- |
| 3/12 | メイ・英国首相 | 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 | -------- |
| 3/12 | ライトハイザー・USTR代表 | 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 | -------- |
| 3/21 | パウエル・FRB議長 | 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 | ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。 |
| 3/25 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 | -------- |
| 3/26 | クオールズ・FRB理事 | 「米経済は持続的な成長加速の時期に入ろうとしている可能性がある。さらなる段階的な利上げが必要」 | -------- |
| 3/28 | クラリダ・FRB副議長 | 「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」パリでの講演で。 | -------- |
| 4/5 | ククドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | (多くの電話会議を通じて通商合意に)「一段と近づいている」 | -------- |
| 4/9 | IMF・世界経済見通し | 「世界的な成長の勢いが衰え不況に対応する政策的余地が限られる中、経済活動を害しかねない政策ミスを回避することを主な優勢事項にする必要がある」 | ドル円111円台前半から111円割れ。株価も大きく下落。 |
| 4/9 | ラガルド・IMF専務理事 | 「世界経済は、微妙な瞬間に直面している」 | -------- |
| 4/10 | FOMC議事録 | フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した。 | 公表後、ややドルが上昇。 |
| 4/11 | クラリダ/FRB副議長 | 「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」 | -------- |
| 4/12 | ムニューシン・米財務長官 | 「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」 | -------- |
| 4/13 | 黒田・日銀総裁 | 「金融政策の余地がないと決め付けることはできない。わが国についてもまだ必要があれば、さらなる追加緩和ということを考える余地はある」 | -------- |
| 4/13 | ドラギ・ECB総裁 | 「中銀の独立性に関し、確かに懸念している・・・・。世界で最も重要な地域においてだ」IMFの会合で、FRBに利下げ圧力をかけているトランプ大統領を暗に批判したと思える発言を。 | -------- |
| 4/14 | トランプ・米大統領 | 「FRBは適切に仕事をしていなかった。もしそうしていれば米株価はさらに5000−10000ポイント上昇していただろう。量的引き締めは破壊的だ。真逆のことをすべきだった」あらためてFRBを批判。 | -------- |



