今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年4月23日(火) 「WTI原油価格半年振の高値に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はさらに膠着感を強め、111円90銭台を抜切れず。NY時間での値幅はわずか5銭に留まる。
  • ユーロドルも1.12台半ばで膠着。
  • 株式市場はまちまち。ボーイングが売られ、ダウは48ドル安。一方ナスダックは続伸し、8015ポイント台に乗せる。
  • 債券相場は小幅に下落。長期金利は2.58%台に上昇。
  • 金は5日ぶりに反発。原油価格は大きく買われ、約半年ぶりに65ドル台後半まで上昇。米国がイラン原油の全面禁輸を決めたことが材料に。
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3月中古住宅販売件数 → 521万件
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ドル/円 111.90 〜 111.95
ユーロ/ドル 1.1246 〜 1.1262
ユーロ/円 125.87 〜 126.07
NYダウ −48.49 → 26,511.05ドル
GOLD +1.60 → 1,277.60ドル
WTI +1.70 → 65.70ドル
米10年国債 +0.029 → 2.589%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏4月消費者信頼感(速報値)
  • 米 2月FHFA住宅価格指数
  • 米 3月新築住宅販売件数
  • 米 4月リッチモンド連銀製造業指数
  • 米 企業決算 → コカコーラ、P&G、ベライゾン、ツイッター

米トランプ政権は22日、イラン原油の輸入を日本を含む8カ国・地域に認める特別措置を5月2日に打ち切ると発表しました。イランからの原油輸入を全面的に禁止すことで、イランに対する制裁を強める狙いがあるようです。現在イラン原油の禁輸から適用除外となっている国は日本の外、中国、ギリシャ、インド、韓国、トルコなどがあります。

ホワイトハウスのサンダース報道官は「この決定はイランの原油輸出をゼロにし、同国政権に対して主要な収入源を断つことが目的だ」と述べています。イラン原油の輸出先はアジア地域に偏っており、ブルームバーグの調べによると、3月の積み出し実績では、中国が61.3万バレルと突出しており、次いで韓国が38.7万バレルとなっており、この2カ国でイラン輸出量の6割程度を占めています。因みに3月の日本は10.8万バレルでした。問題は中国やトルコがこの禁輸に従うかどうかです。トランプ政権は、違反した場合には米国内にある資産を凍結するなどの罰則を考えているようですが、今後原油価格がさらに上昇するようだと、世界景気の成長にマイナス効果を与える可能性もあり、仮に中国が反対するようだと、米中通商協議の行方にも影響が出てくることも考えられます。

為替が動かないことにはもう慣れてきましたが、昨日のNYではわずか5銭の値幅でした。ここまできたら、重要なイベントや経済指標の発表まで動きはないと思われます。今週でいえば、明日から始まる日銀金融政策決定会合と週末の日米首脳会談ということになります。

今朝の経済紙に「国内機関投資家の外債買いが鮮明」との記事が掲載されています。記事によると、銀行、生保、運用会社などが2019年1−3月には8兆円もの(純増ベースで)買い越しを行ったようです。昨年10−12月が純増ベースでほぼ横ばいだったことを考えると、資金が急激に「外モノ」に向かっています。この背景は言うまでもなく、10年債でもマイナス金利が続く国内には運用先がないということです。海外の債券や株式に投資するということは、為替市場で「円売りドル買い」など外貨を買って投資することを意味します。今年に入って、米中貿易戦争や株価の暴落、あるいは米長期金利の急低下など、ドル売り材料が何度も出ましたが、そのたびにドルの下落が限定的だったのは、これらの資金がドルの下落を支えていたとも言えそうです。

外債投資は4月に入っても高水準が続いているようです。国内のマイナス金利が続く限り、この傾向は変わらないものと思われますが、「外モノ」に対するエクスポージャーが増えれば増えるほど、「為替リスク」も高まります。外債投資は、足元ではドル高要因にはなっていますが、今後ドル高がさらに進めば、どこかのタイミングでヘッジをかけてくるはずで、今度はドルの上昇を抑えることになります。あるいは、急激な円高が始まると為替損を回避するためのヘッジを先行して行う必要も生じてきます。異次元緩和で国内には資金がジャブジャブで、機関投資家だけではなく、企業にも大量の余裕資金があります。この傾向は個人にもあてはまり、行き場のない資金が高金利を求めてひしめき合っている状況です。

本日もドル円は動かないと予想されます。レンジは111円80銭〜112円10銭と予想しますが、予想自体、意味もないようです。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
3/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。
3/10 易綱・中国人民銀行総裁 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 --------
3/12 メイ・英国首相 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 --------
3/12 ライトハイザー・USTR代表 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。
3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 --------
3/26 クオールズ・FRB理事 「米経済は持続的な成長加速の時期に入ろうとしている可能性がある。さらなる段階的な利上げが必要」 --------
3/28 クラリダ・FRB副議長 「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」パリでの講演で。 --------
4/5 ククドロー・国家経済会議(NEC)委員長 (多くの電話会議を通じて通商合意に)「一段と近づいている」 --------
4/9 IMF・世界経済見通し 「世界的な成長の勢いが衰え不況に対応する政策的余地が限られる中、経済活動を害しかねない政策ミスを回避することを主な優勢事項にする必要がある」 ドル円111円台前半から111円割れ。株価も大きく下落。
4/9 ラガルド・IMF専務理事 「世界経済は、微妙な瞬間に直面している」 --------
4/10 FOMC議事録 フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した。 公表後、ややドルが上昇。
4/11 クラリダ/FRB副議長 「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」 --------
4/12 ムニューシン・米財務長官 「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」 --------
4/13 黒田・日銀総裁 「金融政策の余地がないと決め付けることはできない。わが国についてもまだ必要があれば、さらなる追加緩和ということを考える余地はある」 --------
4/13 ドラギ・ECB総裁 「中銀の独立性に関し、確かに懸念している・・・・。世界で最も重要な地域においてだ」IMFの会合で、FRBに利下げ圧力をかけているトランプ大統領を暗に批判したと思える発言を。 --------
4/14 トランプ・米大統領 「FRBは適切に仕事をしていなかった。もしそうしていれば米株価はさらに5000−10000ポイント上昇していただろう。量的引き締めは破壊的だ。真逆のことをすべきだった」あらためてFRBを批判。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和