今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年4月24日(水) 「米国株大幅上昇にドルしっかり」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は昨日の朝方111円65銭まで売られたが、その後徐々に値を戻し、NY市場では112円台に乗せる場面も。予想を上回る米経済指標にドルが上昇したが、111円85銭前後まで押し戻されて取引を終える。
  • ユーロドルはドル高が進んだことで一時1.192まで売られ、3週間ぶりのユーロ安水準に沈む。引けにかけては1.12台まで反発。
  • 株式市場は大幅に上昇。予想を上回る決算にナスダックとS&P500がともに史上最高値を更新。ダウも145ドル上昇し最高値も視野に。
  • 債券相場は上昇し長期金利はやや低下。
  • 金は反落。原油は3日続伸し、66ドル台に乗せる。
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2月FHFA住宅価格指数 → 0.3%
3月新築住宅販売件数 → 69.2万件
4月リッチモンド連銀製造業指数 → 3
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ドル/円 111.76 〜 112.03
ユーロ/ドル 1.1192 〜 1.1247
ユーロ/円 125.28 〜 125.88
NYダウ +145.34 → 26,656.39ドル
GOLD −4.40 → 1,273.20ドル
WTI +0.75 → 66.30ドル
米10年国債 −0.024 → 2.565%

本日の注目イベント

  • 豪 豪第1四半期消費者物価指数
  • 独 独4月ifo景況感指数
  • 米 企業決算 → AT&T、キャタピラー、VISA、ボーイング、マイクロソフト
  • 加 カナダ中銀政策金利発表

昨日のドル円は思った以上に動き、朝方には111円65銭まで売られ、活発な展開も期待されましたが、その後はいつものようにジリジリと値を戻し、NY市場では住宅関連の指標が予想を上回ったことに反応し、112円台まで上昇する場面もありました。3月の新築住宅販売件数が予想を上回る「69.2万件」でした。このところ住宅関連指標が改善傾向を見せているため、「住宅市場が底入れした可能性がある」といった声も出てきました。

昨日のNYでの話題は株価の上昇でした。ロッキード・マーチンやハズブロが好決算を発表したことで、株価はほぼ全面高となり、特にハイテク銘柄の多いナスダックは1.3%上昇し、昨年8月に記録した史上最高値を8カ月ぶりに更新。S&P500も7カ月ぶりの更新でした。アップルなど、いわゆる「FANG」銘柄は昨年10月以降の株価急落で、時価総額を大きく減らしましたが、すでにその下落分を埋めています。米長期金利も2.5%台半ばから後半で安定している中、株価が史上最高値を更新する「適温相場」が続いていますが、トランプ大統領が仕掛けた「関税戦争」を考えると、やや楽観的すぎるとも言えるのではないでしょうか。

そのトランプ大統領はハーレー・ダビッドソンの決算発表後にツイートし、「ハーレーは現在31%のEUの関税に苦しんでいる。この関税の一部を相殺するため、ハーレーは製造拠点を海外に移転せざるを得なかった。EUの関税率は2021年6月に66%に引き上げられる。米国に対し、非常に不当だ。われわれは報復する!」(ブルームバーグ)と述べています。トランプ氏は、ハーレーが製造工場を海外に移すことを発表した際、同社を厳しく批判していました。ハーレーはトランプ氏がEU製品に対する関税を引き上げことに対するEU側の報復措置を受けて、製造工場の海外移転を決断した経緯があります。まさに「関税戦争」の様相を強めています。

ドル円はやや動きが出てきた感じもします。「日足」や「週足」では上下しながらも、「雲」に支えられた動きになっています。そのため、トレンドはまだ上向きと捉えられます。一方で短期的な「1時間足」では、112円台での上値がわずかですが、徐々に切り下がっています。まだ明確な方向性が見えていませんが、そろそろ動き出すかもしれません。準備だけは怠らないように。本日のレンジは111円60銭〜112円10銭程度でしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
3/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。
3/10 易綱・中国人民銀行総裁 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 --------
3/12 メイ・英国首相 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 --------
3/12 ライトハイザー・USTR代表 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。
3/25 エバンス・シカゴ連銀総裁 (利上げ見通しについて)「今は静止、停止して事態の推移を見守るのによい時期だ」、「FF金利が中立に近づいているのはほぼ確かだ」香港のイベントで。 --------
3/26 クオールズ・FRB理事 「米経済は持続的な成長加速の時期に入ろうとしている可能性がある。さらなる段階的な利上げが必要」 --------
3/28 クラリダ・FRB副議長 「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」パリでの講演で。 --------
4/5 ククドロー・国家経済会議(NEC)委員長 (多くの電話会議を通じて通商合意に)「一段と近づいている」 --------
4/9 IMF・世界経済見通し 「世界的な成長の勢いが衰え不況に対応する政策的余地が限られる中、経済活動を害しかねない政策ミスを回避することを主な優勢事項にする必要がある」 ドル円111円台前半から111円割れ。株価も大きく下落。
4/9 ラガルド・IMF専務理事 「世界経済は、微妙な瞬間に直面している」 --------
4/10 FOMC議事録 フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した。 公表後、ややドルが上昇。
4/11 クラリダ/FRB副議長 「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」 --------
4/12 ムニューシン・米財務長官 「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」 --------
4/13 黒田・日銀総裁 「金融政策の余地がないと決め付けることはできない。わが国についてもまだ必要があれば、さらなる追加緩和ということを考える余地はある」 --------
4/13 ドラギ・ECB総裁 「中銀の独立性に関し、確かに懸念している・・・・。世界で最も重要な地域においてだ」IMFの会合で、FRBに利下げ圧力をかけているトランプ大統領を暗に批判したと思える発言を。 --------
4/14 トランプ・米大統領 「FRBは適切に仕事をしていなかった。もしそうしていれば米株価はさらに5000−10000ポイント上昇していただろう。量的引き締めは破壊的だ。真逆のことをすべきだった」あらためてFRBを批判。 --------
4/23 トランプ・米大統領 「ハーレーは現在31%のEUの関税に苦しんでいる。この関税の一部を相殺するため、ハーレーは製造拠点を海外に移転せざるを得なかった。EUの関税率は2021年6月に66%に引き上げられる。米国に対し、非常に不当だ。われわれは報復する!」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和