2019年5月15日(水) 「米国株反発でドル円小戻し」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は109円を割り込むことなく小幅に反発。株式市場が反転したことでドルは堅調に推移し109円台半ばから後半での取引に。
- ユーロドルは小幅に反落したが、1.12台前半で小動き。
- 株式市場は米中首脳会談への期待から反発。ダウは207ドル上昇し、前日の下げ幅の3分の1を埋める。他の主要指数も揃って反発。
- 債券相場は横ばい。長期金利は2.41%と小幅に上昇。
- 金は4日ぶりに反落し、原油も反発。
4月輸入物価指数 → 0.2%
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| ドル/円 | 109.45 〜 109.71 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1201 〜 1.1233 |
| ユーロ/円 | 122.64 〜 123.15 |
| NYダウ | +207.06 → 25,532.05ドル |
| GOLD | −5.50 → 1,296.30ドル |
| WTI | +0.74 → 61.78ドル |
| 米10年国債 | +0.009 → 2.410% |
本日の注目イベント
- 豪 豪5月ウエストパック消費者信頼感指数
- 中 中国4月小売売上高
- 中 中国4月鉱工業生産
- 独 独1−3月期GDP(速報値)
- 欧 ユーロ圏1−3月期GDP(改定値)
- 米 4月小売売上高
- 米 5月NY連銀製造業景況指数
- 米 4月鉱工業生産
- 米 4月設備稼働率
- 米 5月NAHB住宅市場指数
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
昨日の朝方には一時400円を超える下げに見舞われた日経平均株価でしたが、その後は下落幅を縮小し、ドル円も徐々に値を戻しました。結局日経平均株価が124円安で終わると、ドル円も109円70銭台まで買われ、ひとまず109円割れは回避できました。ただドル円の戻りは勢いもなく、109円台後半で抑えられた形になっています。
トランプ大統領が14日、貿易を巡り中国と「小競り合い」はあるものの、米国は交渉で強い立場にあると述べ、対中貿易協議は決裂しつつあるのかとの記者団からの質問に、「非常に良い対話が続いている」と返答しています。また、習近平国家主席とは「類まれな関係にある」とも述べています。(ブルームバーグ)市場はこの発言を好感したようですが、これは額面どおりには受け取れません。前日暴落した株価を意識した発言とも取れます。今朝の経済紙にもありましたが、トランプ氏は歴代大統領の中でも、株価を意識するという点でも類まれです。本来ビジネスマンであったトランプ氏、株価の上昇が自身の支持率にも関係してくることを熟知しているようです。
USTR(米通商代表部)は予告通り13日に対中関税「第4弾」を公表しました。それによると、携帯電話など3800品目、約3000億ドル(約33兆円)分の中国製品に最大25%の関税を課すという内容でした。実際に発動されれば、衣類や消費財なども多く含まれており、生活や産業に与える影響は大きいと見られます。今後6月24日までに公聴会を経て発動されることになりますが、焦点は6月28−29日に大阪で「G20」が開催され、ここで米中首脳会談が実現するかどうかです。会談次第では急転直下、制裁関税「第4弾」が回避される可能性も残っていると言えます。トランプ氏は中国に強い圧力をかけながらも、「習近平国家主席と会談することになるだろう」と述べています。
米国が中国に対する制裁関税「第4弾」を公表したことで、今後さらに中国からの対抗措置が発表され、報復合戦がさらに激化しない限り、この問題は現時点では悪材料が出尽くしたと見ています。米中双方からの舌戦が今後も予想されますが、6月からは中国側が関税引き上げを実施するため、米中にとって景気下押し懸念が高まります。お互いに非難の応酬を繰り返し、株価の下落を通じてさらに景気を悪化させる行動にでるとも思えません。ここはしばらく相手の出方を見るスタンスが続くと予想されます。またより景気への悪影響が懸念される中国が、さらに金利を引き下げるなどの景気刺激策を講じるのかどうかも注目されます。トランプ氏は昨日ツイッターで中国の利下げを予想していると述べ、FRBにも同様の措置を取るよう圧力をかけていました。その上で、「米金融当局がそれと同等の措置を講じれば、ゲームオーバーだ。われわれが勝利する」と結んでいます。
本日は日本株も反発する可能性が高いと思われます。もしプラスで取引が終われば8日ぶりに上昇することになり、新元号「令和」で初の引け値でのプラスということになります。ひとまず109円割れは回避できたドル円ですが、すぐに上昇基調に戻ることはないでしょう。ドル円も株式も、「戻れば売りたい」とする市場関係者が多ければ戻りは限定的で、しばらくはもみ合いが続くと予想されます。本日のドル円は109円30銭〜110円20銭程度を予想します。1時間足の「120時間線」と「200時間線」が位置する、109円75銭〜110円20銭が目先の「レジスタンス・ゾーン」と見られます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/5 | ククドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | (多くの電話会議を通じて通商合意に)「一段と近づいている」 | -------- |
| 4/9 | IMF・世界経済見通し | 「世界的な成長の勢いが衰え不況に対応する政策的余地が限られる中、経済活動を害しかねない政策ミスを回避することを主な優勢事項にする必要がある」 | ドル円111円台前半から111円割れ。株価も大きく下落。 |
| 4/9 | ラガルド・IMF専務理事 | 「世界経済は、微妙な瞬間に直面している」 | -------- |
| 4/10 | FOMC議事録 | フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した。 | 公表後、ややドルが上昇。 |
| 4/11 | クラリダ/FRB副議長 | 「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」 | -------- |
| 4/12 | ムニューシン・米財務長官 | 「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」 | -------- |
| 4/13 | 黒田・日銀総裁 | 「金融政策の余地がないと決め付けることはできない。わが国についてもまだ必要があれば、さらなる追加緩和ということを考える余地はある」 | -------- |
| 4/13 | ドラギ・ECB総裁 | 「中銀の独立性に関し、確かに懸念している・・・・。世界で最も重要な地域においてだ」IMFの会合で、FRBに利下げ圧力をかけているトランプ大統領を暗に批判したと思える発言を。 | -------- |
| 4/14 | トランプ・米大統領 | 「FRBは適切に仕事をしていなかった。もしそうしていれば米株価はさらに5000−10000ポイント上昇していただろう。量的引き締めは破壊的だ。真逆のことをすべきだった」あらためてFRBを批判。 | -------- |
| 4/23 | トランプ・米大統領 | 「ハーレーは現在31%のEUの関税に苦しんでいる。この関税の一部を相殺するため、ハーレーは製造拠点を海外に移転せざるを得なかった。EUの関税率は2021年6月に66%に引き上げられる。米国に対し、非常に不当だ。われわれは報復する!」 | -------- |
| 4/25 | 日銀金融政策決定会合 | 「当分の間、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」 | ドル円111円台後半から売られる。 |
| 4/30 | トランプ・米大統領 | 「中国が金融緩和で大規模な景気刺激策と取っている。われわれのFRBは低インフレにも関わらず、絶え間なく利上げを実施した」「FOMCが1ポイントの利下げを実施すれば、米経済はロケットのように上昇する」 | -------- |
| 5/5 | トランプ・米大統領 | 中国との通商協議は続いているが、進展があまりに遅い。中国側が再交渉を企てている。ノー。10%の(関税)は金曜日(10日)に25%にあがるだろう。 | ドル円111円台前半から110円29銭まで急落。 |
| 5/7 | 中国「環球時報」 | 「中国は協議の一時的な中断を含めて、他に想定される結果に十分備えている」 | ドル円の下落を加速させ、株価は下落。 |
| 5/7 | クラリダFRB副議長 | (当局による利下げは)「現時点でその状況にあるとは考えていない。どちらの方向にも金利を動かす強い論拠は見られない」 | -------- |
| 5/8 | トランプ・米大統領 | 「中国の劉鶴副首相が取引をするため米国にやってくる。様子を見ているが、年1千億ドル超の関税が米国の金庫に入ってくるのにとても満足している」 | -------- |
| 5/11 | トランプ・米大統領 | (中国は)「今、行動することが賢明だろう。最近の交渉で中国は手ひどく打ちのめされたので、次の選挙まで待った方が良さそうだと感じていると思う。だが唯一の問題は私が勝利するであろうことを彼らが知っていることだ」 | -------- |



