2019年5月17日(金) 「良好な経済指標を受けドル円110円近辺まで反発」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は反発し109円97銭まで上昇。住宅関連指標が予想を上回り、米国株も大幅に続伸したことを手掛かりにドルを買い戻す動きが優勢に。
- ユーロドルでもドルが買われ、1.1166までユーロ安が進む。
- メイ首相の6月退陣の可能性が高まったことでポンドが大きく下落。ポンドドルは1.1278前後まで売られ、約3カ月ぶりの安値圏に。
- 株式市場は3指数とも揃って3日続伸。好調な経済指標を受け、ダウは214ドル上昇。今週月曜日の急落分をほぼ埋める。
- 債券相場は小幅に下落。長期金利は2.39%台に上昇。
- リスク回避の流れがやや後退したことで金は11ドルを超える下落。原油価格は3日続伸。
4月住宅着工件数 → 123.5万件
4月建設許可件数 → 129.6万件
新規失業保険申請件数 → 21.2万件
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| ドル/円 | 109.61 〜 109.97 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1166 〜 1.1206 |
| ユーロ/円 | 122.63 〜 122.96 |
| NYダウ | +214.66 → 25,862.68ドル |
| GOLD | −11.60 → 1,286.68ドル |
| WTI | +0.85 → 62.87ドル |
| 米10年国債 | +0.021 → 2.394% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏4月消費者物価指数(速報値)
- 米 4月景気先行指標総合指数
- 米 5月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
109円台半ばでもみ合っているドル円は、昨日のNY市場では110円を試す水準までドル高が進みました。米国株が3日続伸し、大幅安を演じた今週月曜日の下落分の大半を埋める動きを見せたことや、この日発表された住宅関連指標が予想を上回り、投資家が米景気の好調さを再認識したことで、リスク回避の流れもやや後退し円が売られました。住宅着工、住宅許可件数がともに上振れており、週間失業保険申請件数も減少していました。これらを受け、安全資産の金が売られ、「VIX指数」も低下して「15.3」程度になっています。ただこの動きからはまだ先行きは読み切れず、ドル円も反転に転じるかどうかは不透明です。それはトランプ大統領が中国に対する圧力を引き続き緩めず、中国からの報復も懸念されるからです。
トランプ政権は15日、中国の代表的なIT企業である「ファーウェイ」への輸出禁止措置を発動し、中国の習近平政権に圧力を加えました。報道によると、「ファーウェイ」は世界92社から部品の供給を受けており、中でも米国からはインテルやマイクロソフトなど33社から部品を調達しています。ブルームバーグは専門家の意見を紹介しており、今回のトランプ政権の措置は米中貿易摩擦の「大規模なエスカレーション」で、「中国がファーウェイを守るため非関税貿易障壁を通じて報復するのは確実だろう」との記事を掲載しています。ただこの措置が実施されれば、「ファーウェイ」の経営には大きな打撃を与えることになるものの、クアルコムやマイクロテクノロジーなど、米半導体メーカーにとっても大きな影響になりそうです。昨日の米株式市場がほぼ全面高の様相を見せる中、これら半導体メーカーの株は軒並み売られ、30銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は一時2.3%安まで売られ、1.7%安で引けています。(ブルームバーグ)
ポンドが大きく売られています。EUからの離脱を実現できなかったことで、メイ首相への辞任圧力が一段と高まっています。保守党の現職議員で構成する議員委員会のブレイディ委員長は16日、メイ首相が来月、退陣スケジュールを策定することで合意したと発表しました。ブレイディ委員長は会合後に記者団に対し、「首相と極めて率直に意見を交換した」と述べており、来月メイ首相が辞任する可能性が高まってきました。
ドル円は反発しましたが、15日(水)のこの欄でも述べたように、1時間足の「200時間線」に上昇を阻まれ抜け切れていません。本日もこの水準が意識されますが、この水準は4時間足の「雲の下限」でもあり、110円〜110円20銭辺りがレジスタンス・ゾーンと考えられます。従って本日の予想も109円40銭〜110円30銭程度と見ています。
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今週もトランプ大統領の発言で相場が動き、本欄にもその名前は出まくりでした。週末の本日もまたトランプですが、本日は「ドナルド・トランプ」ではなく、「トランプ・タワー」の話題です。
ブルームバーグの配信記事よると、NYのランドマークでもあり、かつて故マイケル・ジャクソンやスティーブン・スピルバーグ監督などの著名人を魅了したトランプ・タワーは、今ではマンハッタンで最も人気のない高級物件のひとつだそうです。
稼動率は過去7年で99%から83%に低下し、空き室率はマンハッタンの平均の約2倍とか。そのせいか、タワー内のマンションオーナーにとって厳しい状況が続き、中には20%以上の損出になった物件もあるそうです。マンハッタンで過去2年間に売却された住宅で損出が生じたのは全体のわずか0.23%との統計が、不動産会社から発表されています。
不人気の理由は、トランプ氏が大統領に就任して以来、警備のためタワーはコンクリート壁に囲まれ、主要な入り口2ヶ所が部分的に閉鎖され、使い勝手が悪いことが挙げられていますが、それだけではないようです。記事では、タワーは完成から36年が経過し、ここ数年は十分な改修が行われていないこと。さらに、リベラルなNY市では「トランプ」という名前は敬遠されることも、その理由に挙げています。
第45代アメリカ大統領になったトランプ氏ですが、NY市長にはなれないのかもしれません・・・・・?
良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/5 | ククドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | (多くの電話会議を通じて通商合意に)「一段と近づいている」 | -------- |
| 4/9 | IMF・世界経済見通し | 「世界的な成長の勢いが衰え不況に対応する政策的余地が限られる中、経済活動を害しかねない政策ミスを回避することを主な優勢事項にする必要がある」 | ドル円111円台前半から111円割れ。株価も大きく下落。 |
| 4/9 | ラガルド・IMF専務理事 | 「世界経済は、微妙な瞬間に直面している」 | -------- |
| 4/10 | FOMC議事録 | フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した。 | 公表後、ややドルが上昇。 |
| 4/11 | クラリダ/FRB副議長 | 「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」 | -------- |
| 4/12 | ムニューシン・米財務長官 | 「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」 | -------- |
| 4/13 | 黒田・日銀総裁 | 「金融政策の余地がないと決め付けることはできない。わが国についてもまだ必要があれば、さらなる追加緩和ということを考える余地はある」 | -------- |
| 4/13 | ドラギ・ECB総裁 | 「中銀の独立性に関し、確かに懸念している・・・・。世界で最も重要な地域においてだ」IMFの会合で、FRBに利下げ圧力をかけているトランプ大統領を暗に批判したと思える発言を。 | -------- |
| 4/14 | トランプ・米大統領 | 「FRBは適切に仕事をしていなかった。もしそうしていれば米株価はさらに5000−10000ポイント上昇していただろう。量的引き締めは破壊的だ。真逆のことをすべきだった」あらためてFRBを批判。 | -------- |
| 4/23 | トランプ・米大統領 | 「ハーレーは現在31%のEUの関税に苦しんでいる。この関税の一部を相殺するため、ハーレーは製造拠点を海外に移転せざるを得なかった。EUの関税率は2021年6月に66%に引き上げられる。米国に対し、非常に不当だ。われわれは報復する!」 | -------- |
| 4/25 | 日銀金融政策決定会合 | 「当分の間、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」 | ドル円111円台後半から売られる。 |
| 4/30 | トランプ・米大統領 | 「中国が金融緩和で大規模な景気刺激策と取っている。われわれのFRBは低インフレにも関わらず、絶え間なく利上げを実施した」「FOMCが1ポイントの利下げを実施すれば、米経済はロケットのように上昇する」 | -------- |
| 5/5 | トランプ・米大統領 | 中国との通商協議は続いているが、進展があまりに遅い。中国側が再交渉を企てている。ノー。10%の(関税)は金曜日(10日)に25%にあがるだろう。 | ドル円111円台前半から110円29銭まで急落。 |
| 5/7 | 中国「環球時報」 | 「中国は協議の一時的な中断を含めて、他に想定される結果に十分備えている」 | ドル円の下落を加速させ、株価は下落。 |
| 5/7 | クラリダFRB副議長 | (当局による利下げは)「現時点でその状況にあるとは考えていない。どちらの方向にも金利を動かす強い論拠は見られない」 | -------- |
| 5/8 | トランプ・米大統領 | 「中国の劉鶴副首相が取引をするため米国にやってくる。様子を見ているが、年1千億ドル超の関税が米国の金庫に入ってくるのにとても満足している」 | -------- |
| 5/11 | トランプ・米大統領 | (中国は)「今、行動することが賢明だろう。最近の交渉で中国は手ひどく打ちのめされたので、次の選挙まで待った方が良さそうだと感じていると思う。だが唯一の問題は私が勝利するであろうことを彼らが知っていることだ」 | -------- |



