2019年5月20日(月) 「ドル円110円台を回復」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は110円台を回復し、110円19銭まで上昇。米国がカナダとメキシコとの貿易交渉に合意したことや、良好な経済指標を好感したドル買い戻しが背景。
- ユーロドルは小動きながら緩やかに下落し、1.1155までユーロ安が進む。
- 株式市場は反落。中国が貿易協議に消極的な姿勢が示したことで、貿易懸念が再燃。ダウは98ドル下げ、他の主要指数も揃って下落。
- 債券相場はほぼ横ばい。長期金利は低位で安定し、2.39%台を維持。
- 金は売られ、原油価格も反落。
4月景気先行指標総合指数 → 0.2%
5月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 102.4
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| ドル/円 | 109.50 〜 110.19 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1155 〜 1.1179 |
| ユーロ/円 | 122.30 〜 122.99 |
| NYダウ | −98.68 → 25,764.00ドル |
| GOLD | −10.50 → 1,275.70ドル |
| WTI | −0.11 → 62.76ドル |
| 米10年国債 | −0.004 → 2.391% |
本日の注目イベント
- 日 1−3月GDP(速報値)
- 日 3月鉱工業生産
- 独 独4月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏3月経常収支
- 米 パウエル・FRB議長講演
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
ドル円は5月9日以来となる110円19銭まで反発しました。米国がカナダとメキシコとの追加関税を撤廃することで合意したことが材料になっています。先週ドル円は2回、109円割れを試す動きを見せましたが、粘り腰を見せ、109円割れを回避しています。この粘り腰が110円台回復につながった側面もあろうかと思います。もっとも、先週末の欧州からNYにかけては、米中貿易問題が再びクローズアップされ、緊張が高まったことで円買いが強まり、109円50銭前後まで円高が進む場面もあり、米中通商協議の行方が依然として大きな材料になっています。
中国の経済日報が運営する徴信(ウィーチャット)のアカウント「陶然筆記」の論説で、「真に誠意を示す新たな動きが米国側からない限り、米当局者が訪中して通商協議を続けることに意味はない」との見解を示したことで、米中通商協議に再び注目が集まっているようです。論説の内容は、国営の新華社通信と共産党機関紙の人民日報でも報じられており、米CNBCも「米中間の協議は行き詰っているようだ」と伝えています。(ブルームバーグ)現時点では6月28−29日の大阪で行われる「G20」では、米中首脳会談が実現する見通しですが、この会談そのものが見送られるようだと、再びリスク回避の動きが再燃する可能性もあり、予断を許しません。
筆者も先週のこの欄で「可能性は低いが、もしかしたら消費税率引き上げ延期も」とのコメントを書きましたが、ここにきて議論がにわかに盛り上がってきました。安倍首相が、先週木曜日にロバート・フェルドマン氏を含む4名のエコノミストと会食をしたことが、消費税率引き上げ延期の可能性に期待を持たせたようですが、政府内では依然として慎重な意見が主流のようです。ポイントは本日8時50分に発表される「第1四半期GDP」です。本コメントが掲載される頃にはすでに結果も判明していますが、事前の予想では「前期比マイナス0.1%」とされています。上記米中通商協議のリスクや、先の景気先行指数の「悪化」といった判断などを踏まえると、仮に結果がマイナスであれば、消費税率引き上げ延期の可能性がこれまで以上に高まることになりそうです。政府は24日発表予定の月例経済報告で、企業の景況感などを加味した「政府としての景気判断」を示すことになっているようです。
ドル円は「1時間足」では全ての抵抗帯を抜けてきました。この上は、110円35−50銭に、「4時間足」と「8時間足」の雲が控えていることから、110円台半ばが目先のレジスタンスと見られます。
本日の予想レンジは109円70銭〜110円50銭程度といったところでしょうか。久しぶりに日本の経済指標が注目されます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/5 | ククドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | (多くの電話会議を通じて通商合意に)「一段と近づいている」 | -------- |
| 4/9 | IMF・世界経済見通し | 「世界的な成長の勢いが衰え不況に対応する政策的余地が限られる中、経済活動を害しかねない政策ミスを回避することを主な優勢事項にする必要がある」 | ドル円111円台前半から111円割れ。株価も大きく下落。 |
| 4/9 | ラガルド・IMF専務理事 | 「世界経済は、微妙な瞬間に直面している」 | -------- |
| 4/10 | FOMC議事録 | フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した。 | 公表後、ややドルが上昇。 |
| 4/11 | クラリダ/FRB副議長 | 「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」 | -------- |
| 4/12 | ムニューシン・米財務長官 | 「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」 | -------- |
| 4/13 | 黒田・日銀総裁 | 「金融政策の余地がないと決め付けることはできない。わが国についてもまだ必要があれば、さらなる追加緩和ということを考える余地はある」 | -------- |
| 4/13 | ドラギ・ECB総裁 | 「中銀の独立性に関し、確かに懸念している・・・・。世界で最も重要な地域においてだ」IMFの会合で、FRBに利下げ圧力をかけているトランプ大統領を暗に批判したと思える発言を。 | -------- |
| 4/14 | トランプ・米大統領 | 「FRBは適切に仕事をしていなかった。もしそうしていれば米株価はさらに5000−10000ポイント上昇していただろう。量的引き締めは破壊的だ。真逆のことをすべきだった」あらためてFRBを批判。 | -------- |
| 4/23 | トランプ・米大統領 | 「ハーレーは現在31%のEUの関税に苦しんでいる。この関税の一部を相殺するため、ハーレーは製造拠点を海外に移転せざるを得なかった。EUの関税率は2021年6月に66%に引き上げられる。米国に対し、非常に不当だ。われわれは報復する!」 | -------- |
| 4/25 | 日銀金融政策決定会合 | 「当分の間、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」 | ドル円111円台後半から売られる。 |
| 4/30 | トランプ・米大統領 | 「中国が金融緩和で大規模な景気刺激策と取っている。われわれのFRBは低インフレにも関わらず、絶え間なく利上げを実施した」「FOMCが1ポイントの利下げを実施すれば、米経済はロケットのように上昇する」 | -------- |
| 5/5 | トランプ・米大統領 | 中国との通商協議は続いているが、進展があまりに遅い。中国側が再交渉を企てている。ノー。10%の(関税)は金曜日(10日)に25%にあがるだろう。 | ドル円111円台前半から110円29銭まで急落。 |
| 5/7 | 中国「環球時報」 | 「中国は協議の一時的な中断を含めて、他に想定される結果に十分備えている」 | ドル円の下落を加速させ、株価は下落。 |
| 5/7 | クラリダFRB副議長 | (当局による利下げは)「現時点でその状況にあるとは考えていない。どちらの方向にも金利を動かす強い論拠は見られない」 | -------- |
| 5/8 | トランプ・米大統領 | 「中国の劉鶴副首相が取引をするため米国にやってくる。様子を見ているが、年1千億ドル超の関税が米国の金庫に入ってくるのにとても満足している」 | -------- |
| 5/11 | トランプ・米大統領 | (中国は)「今、行動することが賢明だろう。最近の交渉で中国は手ひどく打ちのめされたので、次の選挙まで待った方が良さそうだと感じていると思う。だが唯一の問題は私が勝利するであろうことを彼らが知っていることだ」 | -------- |



