今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年5月28日(火) 「米英市場休みで為替動かず」

ひと目で分かる昨晩の動き

欧州市場

  • 米英が休場のためドル円は小動き。109円台半ばを中心に10銭程度の値幅で推移。
  • ユーロドルは1.12を若干割り込んだが値動きは限定的で1.1187〜1.12で推移。
ドル/円 109.44 〜 109.56
ユーロ/ドル 1.1187 〜 1.1200
ユーロ/円 122.47 〜 122.65
NYダウ ------ → 25,585.69ドル
GOLD ------ → 1,283.60ドル
WTI ------ → 58.63ドル
米10年国債 ------ → 2.320%

本日の注目イベント

  • 独 独6月GFK消費者信頼感
  • 欧 ユーロ圏4月マネーサプライ
  • 欧 ユーロ圏5月消費者信頼感指数(確定値)
  • 米 3月FHFA住宅価格指数
  • 米 3月ケース・シラ−住宅価格指数
  • 米 5月消費者信頼感指数

英国が「スプリング・バンク・ホリデー」、米国が「メモリアル・デー」のため市場参加者が少なく、為替はほとんど動きがありません。そんな中、来日中のトランプ大統領は日米首脳会談や宮中晩餐会をこなしながら、米中貿易問題だけではなく、対日貿易問題や、北朝鮮問題にも触れ、おおいに話題を提供してくれ、こちらとしても助かっている状況です。

米中貿易問題を巡っては、「中国は恐らく、再交渉を目指さずに貿易協定を結んでおけばよかったと考えているだろう」と述べ、「現時点で合意するつもりはないが、将来のある時点で合意すると思う」。さらに「中国が米国の追加関税に無期限に耐えられるとは考えにくい」との考えを示しました。また北朝鮮が弾道ミサイルを放ったことについては「問題視しない」とも述べて、あくまでも金委員長との会談の扉を開けておきたいとの意思が見られました。

日米首脳会談後の記者会見では、トランプ大統領と安倍首相との間では前日のゴルフの時とはうって変わって厳しい表情が見られました。貿易問題ではトランプ氏が「8月には両国にとって非常に好ましい何かを発表するだろう」と発言したが、安倍首相は首を傾げたようにも見えました。「令和」最初の国賓として最高レベルの「おもてなし」を受けたトランプ氏でしたが、それはそれで、巨額の対日貿易赤字問題は別だよといったしぐさも見られました。「7月の選挙後」になると思われますが、日本に対しても今後本格的にディールを仕掛けてくることが予想されます。ここでは「ドナルド・シンゾウ」の関係からは大きく乖離した形で交渉が始まるものと予想しています。

ドル円は先週23日に110円を割り込んでからは一度も110円台を回復していません。「1時間足」チャートでは「雲の下限」で見事に上昇を止められていることが確認できます。この雲は比較的厚く、109円90銭辺りまでドルが上昇すれば「雲抜け」が完了することになり、やはり110円台回復と同じようなイメージです。米中や日米の貿易問題に加え、EUとの関税問題、あるいは英国の混迷、さらには北朝鮮が再び孤立化の気配を見せるなど、ドルを買う理由がなかなか見つからない状況が続いています。それでもドル円は109円台で底堅い動きを見せ、「大健闘」していますが、きっかけ待ちといった状況にも見えます。本日のドル円は109円10銭〜109円90銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
4/5 ククドロー・国家経済会議(NEC)委員長 (多くの電話会議を通じて通商合意に)「一段と近づいている」 --------
4/9 IMF・世界経済見通し 「世界的な成長の勢いが衰え不況に対応する政策的余地が限られる中、経済活動を害しかねない政策ミスを回避することを主な優勢事項にする必要がある」 ドル円111円台前半から111円割れ。株価も大きく下落。
4/9 ラガルド・IMF専務理事 「世界経済は、微妙な瞬間に直面している」 --------
4/10 FOMC議事録 フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した。 公表後、ややドルが上昇。
4/11 クラリダ/FRB副議長 「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」 --------
4/12 ムニューシン・米財務長官 「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」 --------
4/13 黒田・日銀総裁 「金融政策の余地がないと決め付けることはできない。わが国についてもまだ必要があれば、さらなる追加緩和ということを考える余地はある」 --------
4/13 ドラギ・ECB総裁 「中銀の独立性に関し、確かに懸念している・・・・。世界で最も重要な地域においてだ」IMFの会合で、FRBに利下げ圧力をかけているトランプ大統領を暗に批判したと思える発言を。 --------
4/14 トランプ・米大統領 「FRBは適切に仕事をしていなかった。もしそうしていれば米株価はさらに5000−10000ポイント上昇していただろう。量的引き締めは破壊的だ。真逆のことをすべきだった」あらためてFRBを批判。 --------
4/23 トランプ・米大統領 「ハーレーは現在31%のEUの関税に苦しんでいる。この関税の一部を相殺するため、ハーレーは製造拠点を海外に移転せざるを得なかった。EUの関税率は2021年6月に66%に引き上げられる。米国に対し、非常に不当だ。われわれは報復する!」 --------
4/25 日銀金融政策決定会合 「当分の間、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」 ドル円111円台後半から売られる。
4/30 トランプ・米大統領 「中国が金融緩和で大規模な景気刺激策と取っている。われわれのFRBは低インフレにも関わらず、絶え間なく利上げを実施した」「FOMCが1ポイントの利下げを実施すれば、米経済はロケットのように上昇する」 --------
5/5 トランプ・米大統領 中国との通商協議は続いているが、進展があまりに遅い。中国側が再交渉を企てている。ノー。10%の(関税)は金曜日(10日)に25%にあがるだろう。 ドル円111円台前半から110円29銭まで急落。
5/7 中国「環球時報」 「中国は協議の一時的な中断を含めて、他に想定される結果に十分備えている」 ドル円の下落を加速させ、株価は下落。
5/7 クラリダFRB副議長 (当局による利下げは)「現時点でその状況にあるとは考えていない。どちらの方向にも金利を動かす強い論拠は見られない」 --------
5/8 トランプ・米大統領 「中国の劉鶴副首相が取引をするため米国にやってくる。様子を見ているが、年1千億ドル超の関税が米国の金庫に入ってくるのにとても満足している」 --------
5/11 トランプ・米大統領 (中国は)「今、行動することが賢明だろう。最近の交渉で中国は手ひどく打ちのめされたので、次の選挙まで待った方が良さそうだと感じていると思う。だが唯一の問題は私が勝利するであろうことを彼らが知っていることだ」 --------
5/20 ブラード・セントルイス連銀総裁 PCEコア指数が前年同月比1.6%上昇という状況について、「この状況が長引くようであれば、利下げ、インフレ期待の中心を再び2%にするよう私はFOMCでより強く主張する」 --------
5/20 張明EU大使 中国には自国の正当な権利と利益を守るための揺るぎない決意がある。米国が闘うというなら、われわれは最後までそれに付き合い、真剣に闘う。言い換えるなら、ボールは米側のコートにある。 --------
5/20 ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 雇用をより促進するため、来月の会合で政策金利引き上げの検討を行う。低いキャッシュレートは雇用の伸びを後押しし、インフレが目標と合致するタイミングを早める。 豪ドル円76銭台前半 → 75円80銭前後まで下落。
5/23 人民日報 1年余りにわたり米国は「乱暴者」のように振舞ってきた。関税を振りかざし、貿易戦争をあおり、ルールに基づく多国間貿易システムを攻撃した。大型関税を課すことで米国は自らのコミットメントとWTOルールを無視し、国際ルールより一方的な利益を意図的に優先させた。 ドル円110円台から109円46銭まで急落。株価も大幅安となり、長期金利は2.3%台を割り込む。
5/27 トランプ・米大統領 貿易に関して、われわれは恐らく8月に両国にとって非常に好ましい何かを発表するだろう。日本の対米ビジネスは米国の対日ビジネスよりがはるかに多いため、われわれは少し巻き返す必要がある。われわれは逆に対日ビジネスを増やしたい。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和