2019年6月3日(月) 「ドル円108円台前半に急落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は109円台半ばから急落。トランプ大統領がメキシコからの輸入品に5%の関税をかけるとツイートしたことで円買いが加速。東京時間で109円台を割り込み、NYでは108円28銭まで円高が加速。
- ユーロドルでは大きな動きはなく、1.11台半ばから後半で推移。ドル円で円高が進んだことで、ユーロ円は121円台を割り込む。
- 株式市場は大幅に下落。貿易戦争がさらに激化するとの見方に、ダウは354ドル下落し、2月1日以来となる2万5000ドルの大台を割り込む。
- 債券相場は連日上昇し、長期金利は2.12%台まで急低下。
- ドル安の流れから金は3日続伸。一方原油価格は貿易戦争の影響で需要が減少するとの観測から3ドルを超える大幅な下げに、53ドル台まで売られる。
米 4月個人所得 → 0.5%
米 4月個人支出 → 0.3%
米 4月PCEコアデフレータ → 1.5%
米 5月シカゴ購買部協会景気指数 → 54.2
米 5月ミシガン大学消費者マインド → 100.0
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| ドル/円 | 108.28 〜 108.90 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1137 〜 1.1179 |
| ユーロ/円 | 120.93 〜 121.49 |
| NYダウ | −354.84 → 24,815.04ドル |
| GOLD | +18.70 → 1,311.10ドル |
| WTI | −3.09 → 53.50ドル |
| 米10年国債 | −0.089 → 2.125% |
本日の注目イベント
- 中 5月財新製造業PMI
- 独 独5月製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏5月製造業PMI(改定値)
- 米 5月ISM製造業景況指数
- 米 5月自動車販売台数
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 トランプ大統領、国賓として英国訪問(5日まで)
「トランプ・リスク」の炎上です。先週木曜日のNY市場では110円には届かなかったものの、109円93銭まで上昇したドル円が金曜日には108円28銭まで売られています。
このところの値動きとしては、かなり急激な円高の進行と言えます。トランプ大統領がメキシコに対して常套手段である「関税引き上げ」をツイートしたことで、金曜日の東京市場では朝方から一気にドル売り円買いが加速し、リスク回避の動きから日米の株価も大きく下げ、米長期金利は1年8カ月ぶりとなる2.12%台まで低下してきました。原油市場でも、貿易戦争から世界の生産活動や景気が減速するとの見方から、WTI原油先物市場では、先週木曜日に2.22ドル下落したのに続き、金曜日も3ドルを超える下げを記録し、この間の下げは9%を超えています。またドルが売られたことで金が大きく上昇し、「VIX指数」も18.7付近まで上昇し、「リスクオフ・モード」が拡大してきました。
トランプ大統領は、「メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで同国からの輸入品に5%の関税を課す」と述べ、さらにメキシコがそれでも行動しなければ10月1日までに段階的に25%まで引き上げることにも言及しています。この関税は来週10日に発動される予定です。今月1日からは中国が米国製品600億ドル(約6兆5000億円)相当に対して25%の関税を発動しています。さらに米国はEUともお互いに関税を引き上げることが予定されており、トランプ大統領が仕掛けた「関税戦争」が世界貿易と景気の減速にジワジワと効いてきそうな状況です。
中国も米国に対して交渉の扉はオープンだとしながらも徹底抗戦の構えを見せています。シンガポールで開催された「アジア安全保障会議」で講演した中国国防相は、「対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている」と対立の長期化を辞さない考えを示しています。(日経新聞)。また中国は貿易協議に関する白書を公表し、貿易協議で実務レベルの代表団のトップを努めてきた王受分商務次官が北京で記者会見を行い、「米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある」と語り、「全てが合意されるまで、何も合意はない」と述べています。(ブルームバーグ)このように、今後も対話を望みながらも、協議の内容については徹底抗戦を思わせる発言が増えているのが気がかりです。
先週末に発表された中国の製造業PMIは市場予想を下回る「49.4」でした。春先から景気底入れの兆しも見えていた中国経済が、再び二番底を探る方向に向かっているようにも見えます。本日も財新PMIが発表されます。日本株の下落も止まらず、本日も300−500円くらいの下げがあるかもしれません。個人的には「10月の消費税率引き上げは延期」と予想していますが、本日さらに円高と株安が進めば、その可能性が高まります。タイミング的にも今週から「G20」開催週までには結論が出てくるのではないかと考えています。本日のドル円は107円70銭〜108円70銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/5 | トランプ・米大統領 | 中国との通商協議は続いているが、進展があまりに遅い。中国側が再交渉を企てている。ノー。10%の(関税)は金曜日(10日)に25%にあがるだろう。 | ドル円111円台前半から110円29銭まで急落。 |
| 5/7 | 中国「環球時報」 | 「中国は協議の一時的な中断を含めて、他に想定される結果に十分備えている」 | ドル円の下落を加速させ、株価は下落。 |
| 5/7 | クラリダFRB副議長 | (当局による利下げは)「現時点でその状況にあるとは考えていない。どちらの方向にも金利を動かす強い論拠は見られない」 | -------- |
| 5/8 | トランプ・米大統領 | 「中国の劉鶴副首相が取引をするため米国にやってくる。様子を見ているが、年1千億ドル超の関税が米国の金庫に入ってくるのにとても満足している」 | -------- |
| 5/11 | トランプ・米大統領 | (中国は)「今、行動することが賢明だろう。最近の交渉で中国は手ひどく打ちのめされたので、次の選挙まで待った方が良さそうだと感じていると思う。だが唯一の問題は私が勝利するであろうことを彼らが知っていることだ」 | -------- |
| 5/20 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | PCEコア指数が前年同月比1.6%上昇という状況について、「この状況が長引くようであれば、利下げ、インフレ期待の中心を再び2%にするよう私はFOMCでより強く主張する」 | -------- |
| 5/20 | 張明EU大使 | 中国には自国の正当な権利と利益を守るための揺るぎない決意がある。米国が闘うというなら、われわれは最後までそれに付き合い、真剣に闘う。言い換えるなら、ボールは米側のコートにある。 | -------- |
| 5/20 | ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 | 雇用をより促進するため、来月の会合で政策金利引き下げの検討を行う。低いキャッシュレートは雇用の伸びを後押しし、インフレが目標と合致するタイミングを早める。 | 豪ドル円76銭台前半 → 75円80銭前後まで下落。 |
| 5/23 | 人民日報 | 1年余りにわたり米国は「乱暴者」のように振舞ってきた。関税を振りかざし、貿易戦争をあおり、ルールに基づく多国間貿易システムを攻撃した。大型関税を課すことで米国は自らのコミットメントとWTOルールを無視し、国際ルールより一方的な利益を意図的に優先させた。 | ドル円110円台から109円46銭まで急落。株価も大幅安となり、長期金利は2.3%台を割り込む。 |
| 5/27 | トランプ・米大統領 | 貿易に関して、われわれは恐らく8月に両国にとって非常に好ましい何かを発表するだろう。日本の対米ビジネスは米国の対日ビジネスよりがはるかに多いため、われわれは少し巻き返す必要がある。われわれは逆に対日ビジネスを増やしたい。 | -------- |
| 5/29 | 人民日報 | 米国は貿易戦争で中国が応酬する能力を過小評価すべきでない。 | ドル円109円15銭近辺まで円高が進む。米国株は連日の大幅安。 |
| 5/29 | クラリダFRB副議長 | イールドカーブに注目している。最近のフラット化の大部分は世界の金融情勢が原因であり、FEDが政策を検討する際、重要な意味を持つ。 | ドル円下落。債券は買われ、株価のも上昇。 |
| 5/30 | トランプ・米大統領 | メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで同国からの輸入品に5%の関税を課す。 | ドル円109円台を割り込み、日経平均株価は300円以上の下落。 |
| 6/2 | 中国国防相 | 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 | -------- |
| 6/2 | 王受分中国商務次官 | 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 | -------- |



