2019年6月17日(月) 「米長期金利2.08%台へ低下」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は朝方に108円16銭まで売られたが、その後発表された経済指標が堅調だったことで108円59銭までドルが上昇。長期金利は低下したものの、ドル円はこの日のほぼ高値圏で越週。
- ユーロドルは続落。1.1203近辺まで売られ、1週間ぶりの安値を付ける。ユーロは対円でも121円台半ばまで下落。
- 株式市場は主要3指数とも揃って下落。テクノロジー株を中心に小幅に下げる。ダウは17ドル安と朝方の下げ幅を縮小。
- 債券相場は続伸。長期金利は2.08%台まで低下し、直近最低水準に迫る。
- 金は4日続伸。原油も小幅に上昇。
5月小売売上高 → 0.5%
5月鉱工業生産 → 0.4%
5月設備稼働率 → 78.1%
6月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 97.9
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| ドル/円 | 108.16 〜 108.59 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1203 〜 1.1270 |
| ユーロ/円 | 121.59 〜 121.95 |
| NYダウ | −17.16 → 26,089.61ドル |
| GOLD | +0.80 → 1,344.50ドル |
| WTI | +0.23 → 52.51ドル |
| 米10年国債 | −0.014 → 2.080% |
本日の注目イベント
- 欧 ドラギ・ECB総裁講演
- 米 6月NY連銀製造業景況指数
- 米 6月NAHB住宅市場指数
- 米 USTR、中国製品3000億ドル相当への関税計画を巡る公聴会
ドル円は値動きが少なく、結局先週は108円台での推移に留まり、値幅も65銭程度と膠着感が強まっています。先週末のNY市場でも108円16銭まで売られたものの、その後発表された小売売上高が好調だったことで、米景気への過度な悲観論が後退し、ドル円を押し上げた格好でした。もっとも、明日からはFOMCが開催され、利下げ観測が急速に高まる中、パウエルFRB議長が利下げに向けたどのようなメッセージを送ってくれるのか注目されます。さらに来週には、世界の投資家が注目する「G20」が大阪で開催されることから、重要イベントを前に動きにくいことも膠着感を強めた一因です。
市場では7月利下げはほぼ確実との見方が定着しています。さらに利下げ回数も2回ではなく、3回といった見方も出てきたようです。仮に3回の利下げとすれば、7月に始まって、9月、12月ということになるのでしょうが、やや前のめり過ぎではないでしょうか。米中貿易戦争が長引くという見方から、その場合には米景気の後退も鮮明になっているといった状況が前提になっていると思われますが、逆に米中貿易戦争が合意に向かうようだと今年の利下げは「1回きり」ということもあり得ます。
ロス商務長官はパリでウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、「G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ」と述べ、G20で首脳会談が実現したとしても、重要な通商合意がまとまる可能性は低いとの考えを示しました。ロス商務長官は、米中首脳会談が行われれば、「議論の新たな基本原則と、詳細な実務議論を再開するスケジュールのようなものが示される可能性がある」(ブルームバーグ)と語っていますが、首脳会談が行われるのかどうかさえ、まだ決まっていません。
トランプ大統領が再びパウエルFRB議長批判を繰り返しています。トランプ氏はABCとのインタビューで、「パウエル議長を選んだのは私だ」と述べた上で、「率直に言って、あれほどに利上げをしない別の誰かをFRB議長にしておけば、少なくとも1.5ポイントは高かっただろう」と発言しています。「1.5ポイント」というのは、経済成長率を指しているものと思われますが、トランプ氏は大統領選に関してもツイートを投稿し、大統領の職を「私以外の人物が引き継げば、これまで見たこともない市場の暴落があるだろう」と述べています。明日フロリダ州オーランドで再選出馬を正式に行うことになっているようですが、その前にこれまでの実績と自分以外に大統領に相応しい人物はいないことをアピールしているようです。2020年の大統領選に向けた「予備選」は既に始まっており、民主党では大統領候補者が20人程おり、圧倒的な支持を取り付ける候補者はいないようです。「現職有利」ということを除いても、現時点ではトランプ氏有利は動かないと思われます。
上述のように、今週からは重要イベントが続きます。ドル円もそろそろ動きが出てくるものと思われます。7月の利下げはほぼ確実と思われ、米中首脳会談も実現する可能性は高いと予想しています。本日のドル円は108円10銭〜108円90銭程度と予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/5 | トランプ・米大統領 | 中国との通商協議は続いているが、進展があまりに遅い。中国側が再交渉を企てている。ノー。10%の(関税)は金曜日(10日)に25%にあがるだろう。 | ドル円111円台前半から110円29銭まで急落。 |
| 5/7 | 中国「環球時報」 | 「中国は協議の一時的な中断を含めて、他に想定される結果に十分備えている」 | ドル円の下落を加速させ、株価は下落。 |
| 5/7 | クラリダFRB副議長 | (当局による利下げは)「現時点でその状況にあるとは考えていない。どちらの方向にも金利を動かす強い論拠は見られない」 | -------- |
| 5/8 | トランプ・米大統領 | 「中国の劉鶴副首相が取引をするため米国にやってくる。様子を見ているが、年1千億ドル超の関税が米国の金庫に入ってくるのにとても満足している」 | -------- |
| 5/11 | トランプ・米大統領 | (中国は)「今、行動することが賢明だろう。最近の交渉で中国は手ひどく打ちのめされたので、次の選挙まで待った方が良さそうだと感じていると思う。だが唯一の問題は私が勝利するであろうことを彼らが知っていることだ」 | -------- |
| 5/20 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | PCEコア指数が前年同月比1.6%上昇という状況について、「この状況が長引くようであれば、利下げ、インフレ期待の中心を再び2%にするよう私はFOMCでより強く主張する」 | -------- |
| 5/20 | 張明EU大使 | 中国には自国の正当な権利と利益を守るための揺るぎない決意がある。米国が闘うというなら、われわれは最後までそれに付き合い、真剣に闘う。言い換えるなら、ボールは米側のコートにある。 | -------- |
| 5/20 | ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 | 雇用をより促進するため、来月の会合で政策金利引き上げの検討を行う。低いキャッシュレートは雇用の伸びを後押しし、インフレが目標と合致するタイミングを早める。 | 豪ドル円76銭台前半 → 75円80銭前後まで下落。 |
| 5/23 | 人民日報 | 1年余りにわたり米国は「乱暴者」のように振舞ってきた。関税を振りかざし、貿易戦争をあおり、ルールに基づく多国間貿易システムを攻撃した。大型関税を課すことで米国は自らのコミットメントとWTOルールを無視し、国際ルールより一方的な利益を意図的に優先させた。 | ドル円110円台から109円46銭まで急落。株価も大幅安となり、長期金利は2.3%台を割り込む。 |
| 5/27 | トランプ・米大統領 | 貿易に関して、われわれは恐らく8月に両国にとって非常に好ましい何かを発表するだろう。日本の対米ビジネスは米国の対日ビジネスよりがはるかに多いため、われわれは少し巻き返す必要がある。われわれは逆に対日ビジネスを増やしたい。 | -------- |
| 5/29 | 人民日報 | 米国は貿易戦争で中国が応酬する能力を過小評価すべきでない。 | ドル円109円15銭近辺まで円高が進む。米国株は連日の大幅安。 |
| 5/29 | クラリダFRB副議長 | イールドカーブに注目している。最近のフラット化の大部分は世界の金融情勢が原因であり、FEDが政策を検討する際、重要な意味を持つ。 | ドル円下落。債券は買われ、株価のも上昇。 |
| 5/30 | トランプ・米大統領 | メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで同国からの輸入品に5%の関税を課す。 | ドル円109円台を割り込み、日経平均株価は300円以上の下落。 |
| 6/2 | 中国国防相 | 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 | -------- |
| 6/2 | 王受分中国商務次官 | 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 | -------- |
| 6/3 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある。 | ドル円108円台前半から107円台後半に。 |
| 6/4 | パウエルFRB議長 | これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある。 | NYダウが512ドル急騰するなど、米国株はほぼ前面高の展開に。 |
| 6/4 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある。 | -------- |
| 6/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | (政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ。 | -------- |
| 6/6 | ドラギ・ECB総裁 | 最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している。理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して直ちに25%の関税を課す可能性がある。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かなかった。金利を大幅、かつ急速に上げすぎた。米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ。 | -------- |
| 6/13 | クドロー国家経済会議委員長 | トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう。 | -------- |
| 6/14 | ロス商務長官 | G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ。 | -------- |



