今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2009年3月19日(木)




おはようございます。

AIG幹部職員に支払うボーナスの話題はオバマ大統領まで

巻き込んで大きく揺れています。

その声の大きさはメリルのそれとは比較にならないほど

大きくなっています。

先日最終損益が6兆円の赤字になるとの決算を発表し、

既に400億ドルの資本注入を受け、今回さらに300億ドルの追加。

実現すれば700億ドル(約6兆8千億円)の税金が投入されたことになり

米金融機関で最大の資本注入を受けることになります。

AIG側は今回の業績以前の業績に対するインセンティブだと言ってますが、

米国民が納得するはずありません。

民主党の有力議員は「幹部は日本的に経営責任をとり、辞任か自殺すべき。」

とまで言っています。

そこまで言うか、とも思いますが

はたして決着は?

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • NY市場後場、FRBは長期国債3000億ドル(約29兆円)を購入すると発表。 米長期金利、ドルが急落。株式市場はそれまでのマイナスから一気に100ドルを超える上昇へ。
  • ドル円は98円台前半からこの発表を受け一気に96円台を割り込み95円66までドルが急落。 ドルは主要通貨に対しても大きく売られ、ユーロドルは前日の1.30台から高値1.3535レベルまで ユーロ高が進みました。
  • 長期債買取によって市場に資金が供給されることで長期金利は急低下、前日比0.5%ほど下げ、 過去20年間で最大の下げ幅を示現。
  • 金も続落し、再び900ドルの大台を割り込みました。
  • 2月消費者物価指数→+0.4%

ドル/円95.66 〜 98.61
ユーロ/円127.94 〜 129.90
NYダウ+90.88 → 7.486.58ドル
GOLD −27.70 →  889.10ドル
WTI −1.02 →  48.14ドル
米10年国債−0.477→ 2.537%


本日の注目点

     
  • 米   週間失業保険申請件数  
  • 米   フィラデルフィア連銀景況指数                 

「サプライズ」はNY時間午後2時過ぎにやってきました。

FOMCを受けてFRBは、向こう6ヶ月の間に長期国債を3000億ドル(約29兆円)

買い取ることを決定したと発表しました。

市場では国債買取の可能性は指摘していたものの、今回は見送りとの認識が支配的で、

私も個人的にはそう考えていました。

FRBはまた、信用収縮改善のためモーゲージ担保証券を7500億ドル(約72兆円)追加

購入する計画も明らかにしています。

市場の予想以上に資金供給を増やし、流動性を高め金融機関を通じて民間企業への融資を

積極的に増やそうとう狙いがあります。

今回のこのサプライズな決定で、FRBは総力でこの難局に立ち向かうという姿勢を

改めて市場に示したと言うことがいえます。



この発表を受けて各金融市場へ衝撃が走りました。

為替市場ではドルが主要通貨に対して全面安となり、とりわけユーロに対しては前日比500ポイント

ほどのドル安ユーロ高が進み11.35台半ばを記録しています。

対円でも98円台半ばから95円台半ばまで3円ほどの円高が進みましたが、ユーロとの比較で

円買いには慎重との見方も出来ます。



また、債券市場では長期金利が急落し、こちらも前日比0.5%ほど金利が低下し

(債券価格の上昇)1987年以来の下げ幅となりました。

さて、昨日のNYでのドル急落でこれまでの95−100円のトレーディングレンジを

下抜けしたのかどうかがポイントになってきます。

ドルが3円もの急落を見せたことで、短期的なテクニカル指標では「売り」シグナルが

点灯です。

日足ではやはり95円割れまではレンジブレークのサインはでてきませんが、

MACDではデッドクロスが点灯しています。

金利差からドル売りに傾く最初のシグナルであるとはいえますが、ここ1ヶ月続いた

円安の流れが完全に変わったかどうかはまだ判断できません。

今後急速にドル安が進むかどうかは円ではなく、ユーロの動きがその鍵を握っている

ように思えます。

プール前セントルイス連銀総裁はブルームバーグニュースとのインタビューで、

「景気は底打ちに近づいてさえいない。FRBが大規模な量的緩和に踏み切ったのはそのためだ。」

「米経済はなお非常に深刻なリセッション(景気後退)にある。」と認識を示しています。

2008年4月分(PDF) 2008年5月分(PDF) 2008年6月分(PDF) 2008年7月分(PDF)
2008年8月分(PDF) 2008年9月分(PDF) 2008年10月分(PDF) 2008年11月分(PDF)
2008年12月分(PDF) 2009年1月分(PDF) 2009年2月分(PDF)

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/3 バーナンキFRB議長 「この1年半に起きた出来事で、最も強い憤りを覚えたのはAIGを置いてほかならない。」「金融システムはまだ安定していない。」議会証言で発言。 保険株を中心に米株式下落。
3/5 トリシェECB総裁 「現行水準が(政策金利の)最低水準と決めたわけではない。」「今年中に(インフレ率が)マイナスになる。」追加利下げ決定後の会見で。 ユーロが大幅に下落。ユーロ/円124円後半→122円台へ。
3/6 大統領経済諮問委員会ローマー委員長 景気回復の時期について「年後半には効果が表れる」TVのインタヴューで。 -----
3/7 世界銀行 2009年世界景気は戦後初めてマイナス成長に。(世銀が今年度の経済見通しを発表。)   -------
3/7 ウオーレンバフェット 米経済は「がけから転落した。」「現在の政策は強いインフレ要因となり得る。」米経済が非常に厳しい状況にあり、ある程度のインフレは適切との見解を示す。   NY株式市場が下落。NYダウ6,547ドルまで売られる。
3/10 スマギECB専務理事 「ECBは金利をゼロ水準まで引き下げる用意がある。」インタビューに答えて。   -------
3/15 バーナンキFRB議長 「政府が金融市場の安定に成功すれば 、リセッションは年内に終了し、2010年には景気拡大に転じる公算が大きい。」CBSのTVインタビューに答えて。   -------
3/18 プール前セントルイス連銀総裁 「景気は底打ちに近づいてさえいない。FRBが大規模な量的緩和に踏み切ったのはそのためだ。」「米経済はなお非常に深刻なリセッション(景気後退)にある。」と認識を示す。ブルームバーグとのインタビューで。
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※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和