2019年6月19日(水) 「G20で米中首脳会談開催の見通し」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は海外市場の流れを受け、朝方には108円06銭まで売られたが、G20で米中首脳会談が開催されるとの情報からドルが反発。108円67銭まで上昇したものの、108円45−50銭で取引を終える。
- ユーロドルは2週間ぶりに1.12台を割り込み、1.1182まで下落。米中首脳会談の実現見通しや株高から、ドル買いユーロ売りが活発に。
- トランプ大統領がG20での米中首脳会談に言及したことで株価は大きく続伸。ダウは一時400ドルを超える上昇を見せ、引け値では353ドル高、中国関連銘柄などが急上昇。
- 債券相場は反発。長期金利は2週間ぶりに2.06%台に低下。
- 金、原油はともに上昇。
5月住宅着工件数 → 126.9万件
5月建設許可件数 → 129.4万件
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| ドル/円 | 108.06 〜 108.67 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1182 〜 1.1213 |
| ユーロ/円 | 121.06 〜 121.68 |
| NYダウ | +353.01 → 26,465.54ドル |
| GOLD | +7.80 → 1,350.70ドル |
| WTI | +1.97 → 53.90ドル |
| 米10年国債 | −0.035 → 2.060% |
本日の注目イベント
- 日 5月貿易収支
- 英 英5月消費者物価指数
- 英 英保守党党首選、下院議員による第3回投票
- 米 FOMC 政策金利発表
- 米 パウエル議長記者会見
- 加 カナダ5月消費者物価指数
この欄で「少なくとも米中首脳会談は行われる。それ以外に中国に選択肢はない」と何度か記述しましたが、予想通り、来週のG20では米中首脳会談が行われる見通しとなりました。この報道を受け、米国株は急騰しましたが、ドル円は108円67銭で頭打ちとなり、この辺りの動きは予想外でした。これは、明日の朝発表のFOMCの影響によるものでしょう。利下げ観測がドルの上値を抑える展開が続いています。
トランプ大統領は18日ツイートを投稿し、中国の習近平主席と「とても良い電話会談ができた」ことを明らかにし、来週大阪で開かれるG20で同主席と「時間をかけて会談する」意向を示しました。一方中国国営テレビも、習主席は「トランプ氏と会って米中関係の発展に関する基本問題について意見を交換することに、意欲的だ」と報じています。(ブルームバーグ)トランプ氏は、G20で習主席が会談に応じない場合は、3000億ドル(約32兆5500億円)相当の中国製品に対して、直ちに25%の関税か、それ以上の関税を課すと警告していました。
この状況で、中国は会談に応じないという選択肢はないと思っていましたが、会談が実現する見通しになったことで、昨日の各市場はガラッと雰囲気を変えています。米株式市場ではダウが一時414ドル上昇し、これまでの史上最高値に300ドル程度まで迫る水準をつけ、ナスダック指数は8000ポイントの大台も視野に入って来ており、最高値を記録しています。ボーイングやキャタピラーなどの「中国関連銘柄」が大きく買われる展開でした。また、WTI原油価格も大幅に上昇しており、為替市場ではドル高が進んでいます。ユーロドルは再び1.12を割り込む水準までドルが買われ、豪ドルも1月3日の「フラッシュ・クラッシュ」以来の安値に沈んでいます。ただドル円は依然として108円台半ばを超えた水準で頭を抑えられていますが、それは明日朝発表のFOMCがドル円の上昇を抑制しているものと考えられます。
ひとまず、来週のG20大阪サミットで米中首脳会談が行われる予定ですが、前日ロス商務長官が述べていたように、「両首脳の会談が実現した場合でも、重要な通商合意がまとまる可能性は低い」と思われます。また、トランプ氏自身、「米中通商問題は急がない」とも述べており、今回の会談から大きなサプライズが出てくる可能性は低いと見ておくべきでしょう。ただそれでも、米中貿易戦争は両首脳が直接会って話し合いをしない限り進展しない状況にまで到達しています。今回の会談が、次につながるものであればという期待が高まります。
明日の朝、日本時間3時にFOMCの政策発表があります。市場はすでに「2〜3回の利下げ」を織り込む動きを見せていますが、パウエル議長の発言には注意が必要です。7月の利下げを示唆する発言は想定内ですが、さらに数回の利下げをにおわすようならドル円は108円を割り込み、目先の重要なサポートである107円80−85銭レベルを試す可能性があるでしょう。逆に、7月利下げ以降は様子を見て、その後は経済指標を注視するといった内容だと、「タカ派寄り」と受け止められ、ドルが反発する可能性もあります。市場がやや前のめりになっているだけに、後者の反応には注意したいところです。ということで、本日のドル円はややワイドレンジを予想し、108円〜109円10銭程度とします。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/5 | トランプ・米大統領 | 中国との通商協議は続いているが、進展があまりに遅い。中国側が再交渉を企てている。ノー。10%の(関税)は金曜日(10日)に25%にあがるだろう。 | ドル円111円台前半から110円29銭まで急落。 |
| 5/7 | 中国「環球時報」 | 「中国は協議の一時的な中断を含めて、他に想定される結果に十分備えている」 | ドル円の下落を加速させ、株価は下落。 |
| 5/7 | クラリダFRB副議長 | (当局による利下げは)「現時点でその状況にあるとは考えていない。どちらの方向にも金利を動かす強い論拠は見られない」 | -------- |
| 5/8 | トランプ・米大統領 | 「中国の劉鶴副首相が取引をするため米国にやってくる。様子を見ているが、年1千億ドル超の関税が米国の金庫に入ってくるのにとても満足している」 | -------- |
| 5/11 | トランプ・米大統領 | (中国は)「今、行動することが賢明だろう。最近の交渉で中国は手ひどく打ちのめされたので、次の選挙まで待った方が良さそうだと感じていると思う。だが唯一の問題は私が勝利するであろうことを彼らが知っていることだ」 | -------- |
| 5/20 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | PCEコア指数が前年同月比1.6%上昇という状況について、「この状況が長引くようであれば、利下げ、インフレ期待の中心を再び2%にするよう私はFOMCでより強く主張する」 | -------- |
| 5/20 | 張明EU大使 | 中国には自国の正当な権利と利益を守るための揺るぎない決意がある。米国が闘うというなら、われわれは最後までそれに付き合い、真剣に闘う。言い換えるなら、ボールは米側のコートにある。 | -------- |
| 5/20 | ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 | 雇用をより促進するため、来月の会合で政策金利引き上げの検討を行う。低いキャッシュレートは雇用の伸びを後押しし、インフレが目標と合致するタイミングを早める。 | 豪ドル円76銭台前半 → 75円80銭前後まで下落。 |
| 5/23 | 人民日報 | 1年余りにわたり米国は「乱暴者」のように振舞ってきた。関税を振りかざし、貿易戦争をあおり、ルールに基づく多国間貿易システムを攻撃した。大型関税を課すことで米国は自らのコミットメントとWTOルールを無視し、国際ルールより一方的な利益を意図的に優先させた。 | ドル円110円台から109円46銭まで急落。株価も大幅安となり、長期金利は2.3%台を割り込む。 |
| 5/27 | トランプ・米大統領 | 貿易に関して、われわれは恐らく8月に両国にとって非常に好ましい何かを発表するだろう。日本の対米ビジネスは米国の対日ビジネスよりがはるかに多いため、われわれは少し巻き返す必要がある。われわれは逆に対日ビジネスを増やしたい。 | -------- |
| 5/29 | 人民日報 | 米国は貿易戦争で中国が応酬する能力を過小評価すべきでない。 | ドル円109円15銭近辺まで円高が進む。米国株は連日の大幅安。 |
| 5/29 | クラリダFRB副議長 | イールドカーブに注目している。最近のフラット化の大部分は世界の金融情勢が原因であり、FEDが政策を検討する際、重要な意味を持つ。 | ドル円下落。債券は買われ、株価のも上昇。 |
| 5/30 | トランプ・米大統領 | メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで同国からの輸入品に5%の関税を課す。 | ドル円109円台を割り込み、日経平均株価は300円以上の下落。 |
| 6/2 | 中国国防相 | 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 | -------- |
| 6/2 | 王受分中国商務次官 | 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 | -------- |
| 6/3 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある。 | ドル円108円台前半から107円台後半に。 |
| 6/4 | パウエルFRB議長 | これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある。 | NYダウが512ドル急騰するなど、米国株はほぼ前面高の展開に。 |
| 6/4 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある。 | -------- |
| 6/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | (政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ。 | -------- |
| 6/6 | ドラギ・ECB総裁 | 最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している。理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して直ちに25%の関税を課す可能性がある。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かなかった。金利を大幅、かつ急速に上げすぎた。米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ。 | -------- |
| 6/13 | クドロー国家経済会議委員長 | トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう。 | -------- |
| 6/14 | ロス商務長官 | G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ。 | -------- |
| 6/18 | ドラギECB総裁 | 見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合は追加の刺激策が必要になるだろう。利下げは政策手段の一部であり、資産購入も選択肢だ。 | ユーロドル小幅に下落。 |



