2019年6月26日(水) 「ドル円106円台に突入」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は底値を探る展開が続き、昨日の東京時間に106円77銭前後まで下落。NY市場では107円台半ばまで値を戻す場面もあったが上値は重く、107円20銭前後で取引終える。
- ユーロドルはやや値を戻したものの、1.13台半ばから後半で推移。
- 株式市場は下落。パウエル議長が米景気の下振れリスクが強まったとの認識を示したことでダウは179ドル安。
- 債券相場は続伸。長期金利は引け値で2%を割り込み、1.98%台で取引を終える。
- 金は小幅ながら4日続伸。原油価格は反落。
4月FHFA住宅価格指数 → 0.4%
4月ケース・シラ−住宅価格指数 → 2.5%
6月リッチモンド連銀製造業指数 → 3
5月新築住宅販売件数 → 62.6万件
6月消費者信頼感指数 → 121.5
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| ドル/円 | 106.84 〜 107.40 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1345 〜 1.1399 |
| ユーロ/円 | 121.65 〜 122.04 |
| NYダウ | −179.32 → 26,548.22ドル |
| GOLD | +0.50 → 1,418.70ドル |
| WTI | −0.07 → 57.83ドル |
| 米10年国債 | −0.029 → 1.985% |
本日の注目イベント
- 独 独7月GFK消費者信頼感
- 英 カーニー・BOE総裁らが議会証言
- 米 5月耐久財受注
ドル円は昨日の東京時間の午後、107円を割り込み一時は106円77銭前後までドル安が進みました。米国がイランの最高指導者と外相などに発動した追加制裁に対して、一部メディアがイラン外務省のコメントを伝え、その中で「イランの指導者と外交の最高責任者に対する無益な制裁は、米政府との外交の道筋が永遠に閉鎖されたことを意味する」と内容を伝えたことで、ドル売り円買いが強まりました。ドル円はその後107円台に戻しましたが、依然としてドルの上値は重く、ドル円との相関が強い長期金利が再び2%を割り込んだことで円を買う動きが優勢になっています。
先週火曜日はまだ108円台半ばで推移していたドル円は、1週間で大台を2つ変えています。動きとしてはやや速過ぎる印象ですが、ドルが反発するきかっけをつかめないのが実情で、ここまで来ると105円を割り込むのかどうかと言った点が焦点になってきそうです。米金利が着実に低下している中、日米金利差の縮小を手掛かりに円高が進んでいる面もあります。黒田日銀総裁は「必要ならちゅうちょなく追加緩和を検討する」と、先週の記者会見の席で述べていましたが、円金利の低下余地は限られています。市場もその辺りの事情を理解していると見えて、円買いの手綱を緩めようとはしません。
パウエル議長が先週のFOMC後の記者会見に続いて、昨日はNYの外交問題評議会で講演を行いました。議長は、「多くのFOMC参加者は、さらに幾分か緩和的な政策の論拠が強まったと判断している」と、FOMC後の会見内容を繰り返しましたが、さらに、「貿易に関してあったようにみえた進展が不確実性の深まりに転じ、入手するデータは世界経済の強さに対する懸念を再燃させており、相反する流れが再び生じている」と述べ、米景気の先行きに慎重な見方を示しました。またこれまでトランプ大統領の再三にわたる批判に対しても明確な反論を避けていましたが、この日は、「米金融当局は短期的な政治的圧力からは守られている。これは、しばしば当局の独立性と言われる」と指摘し、「議会は米金融当局をこうした方法で守る選択をした。政策が短期の政治的利害に屈することでしばしばダメージが生じたことが理由だ」と、トランプ大統領を名指ししなかったものの、あらためてFRBの独立性を強調したとブルームバーグは論じています。この日は、ミネアポリス連銀総裁やセントルイス連銀総裁も利下げの必要性を述べていましたが、セントルイス連銀のブラード総裁は「0.5%の利下げは行き過ぎだ」との見解を示しています。
米中首脳会談の開催を前に、ライトハイザーUSTR代表らと劉鶴中国副首相が事務レベルの会合を行うことになっていますが、29日に予定されている首脳会談までにどの程度合意に向けた話し合いがなされるのか不透明です。ただ今朝の報道では、米中両政府が通商協議再開に向けて準備を進める中、米国は中国からの輸入品3000億ドル(約32兆1500億円)相当への関税賦課を保留することに前向きだとする内容を、ブルームバーグは事情に詳しい複数の関係者の話しとして伝えています。中国側が大幅な譲歩を示していることと無関係ではないと思いますが、米中首脳会談での最も重要な課題の一つであるだけに、もしこのような方向で話し合いが進むのであれば、市場に極めて好印象を与えることになります。会談まで残すところあと3日です。今後もこの種のニュースが相場を動かすことになるでしょう。本日のドル円は106円70銭〜107円50銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/5 | トランプ・米大統領 | 中国との通商協議は続いているが、進展があまりに遅い。中国側が再交渉を企てている。ノー。10%の(関税)は金曜日(10日)に25%にあがるだろう。 | ドル円111円台前半から110円29銭まで急落。 |
| 5/7 | 中国「環球時報」 | 「中国は協議の一時的な中断を含めて、他に想定される結果に十分備えている」 | ドル円の下落を加速させ、株価は下落。 |
| 5/7 | クラリダFRB副議長 | (当局による利下げは)「現時点でその状況にあるとは考えていない。どちらの方向にも金利を動かす強い論拠は見られない」 | -------- |
| 5/8 | トランプ・米大統領 | 「中国の劉鶴副首相が取引をするため米国にやってくる。様子を見ているが、年1千億ドル超の関税が米国の金庫に入ってくるのにとても満足している」 | -------- |
| 5/11 | トランプ・米大統領 | (中国は)「今、行動することが賢明だろう。最近の交渉で中国は手ひどく打ちのめされたので、次の選挙まで待った方が良さそうだと感じていると思う。だが唯一の問題は私が勝利するであろうことを彼らが知っていることだ」 | -------- |
| 5/20 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | PCEコア指数が前年同月比1.6%上昇という状況について、「この状況が長引くようであれば、利下げ、インフレ期待の中心を再び2%にするよう私はFOMCでより強く主張する」 | -------- |
| 5/20 | 張明EU大使 | 中国には自国の正当な権利と利益を守るための揺るぎない決意がある。米国が闘うというなら、われわれは最後までそれに付き合い、真剣に闘う。言い換えるなら、ボールは米側のコートにある。 | -------- |
| 5/20 | ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 | 雇用をより促進するため、来月の会合で政策金利引き上げの検討を行う。低いキャッシュレートは雇用の伸びを後押しし、インフレが目標と合致するタイミングを早める。 | 豪ドル円76銭台前半 → 75円80銭前後まで下落。 |
| 5/23 | 人民日報 | 1年余りにわたり米国は「乱暴者」のように振舞ってきた。関税を振りかざし、貿易戦争をあおり、ルールに基づく多国間貿易システムを攻撃した。大型関税を課すことで米国は自らのコミットメントとWTOルールを無視し、国際ルールより一方的な利益を意図的に優先させた。 | ドル円110円台から109円46銭まで急落。株価も大幅安となり、長期金利は2.3%台を割り込む。 |
| 5/27 | トランプ・米大統領 | 貿易に関して、われわれは恐らく8月に両国にとって非常に好ましい何かを発表するだろう。日本の対米ビジネスは米国の対日ビジネスよりがはるかに多いため、われわれは少し巻き返す必要がある。われわれは逆に対日ビジネスを増やしたい。 | -------- |
| 5/29 | 人民日報 | 米国は貿易戦争で中国が応酬する能力を過小評価すべきでない。 | ドル円109円15銭近辺まで円高が進む。米国株は連日の大幅安。 |
| 5/29 | クラリダFRB副議長 | イールドカーブに注目している。最近のフラット化の大部分は世界の金融情勢が原因であり、FEDが政策を検討する際、重要な意味を持つ。 | ドル円下落。債券は買われ、株価のも上昇。 |
| 5/30 | トランプ・米大統領 | メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで同国からの輸入品に5%の関税を課す。 | ドル円109円台を割り込み、日経平均株価は300円以上の下落。 |
| 6/2 | 中国国防相 | 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 | -------- |
| 6/2 | 王受分中国商務次官 | 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 | -------- |
| 6/3 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある。 | ドル円108円台前半から107円台後半に。 |
| 6/4 | パウエルFRB議長 | これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある。 | NYダウが512ドル急騰するなど、米国株はほぼ前面高の展開に。 |
| 6/4 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある。 | -------- |
| 6/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | (政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ。 | -------- |
| 6/6 | ドラギ・ECB総裁 | 最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している。理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して直ちに25%の関税を課す可能性がある。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かなかった。金利を大幅、かつ急速に上げすぎた。米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ。 | -------- |
| 6/13 | クドロー国家経済会議委員長 | トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう。 | -------- |
| 6/14 | ロス商務長官 | G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ。 | -------- |
| 6/18 | ドラギECB総裁 | 見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合は追加の刺激策が必要になるだろう。利下げは政策手段の一部であり、資産購入も選択肢だ。 | ユーロドル小幅に下落。 |
| 6/19 | FOMC声明文 | 「見通しを巡る不確実性が高まった」「これらの不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」 | ドル円は108円台半ばから108円割れまで下落。株高、債券高となり長期金利は2.02%台まで低下。 |
| 6/24 | ロウ・RBA総裁 | 世界経済は減速しているが、なお、それほど悪くない状態にある。金融緩和が以前ほど有効でない可能性が高い。 | 豪ドルドル、0.6935近辺から20ポイント程上昇。 |
| 6/24 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 貿易を巡る緊張と不確実性がこの2カ月で大幅に高まり、見通しの下振れリスクが高まったが、それでも利下げの準備はまだ整っていない。米金融政策のスタンス変更が適切かどうか考える上で、より多くの時間をかけて状況の変化を見るのが賢明だろう | -------- |



