2019年7月8日(月) 「良好な雇用統計受けドル円反発」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は大幅に反発。6月の雇用統計で、雇用者数が予想を大きく上回る伸びを示したことでドル円は108円64銭まで上昇。その後はやや下押しされ、108円40―50銭で越週。
- ドルが買われたことでユーロドルも下落。1.1208まで売られ、約2週間ぶりのユーロ安水準に。
- 株式市場は揃って反落。これまで金利低下を手掛かりに買われていたが、この日は金利が大幅に上昇したことで、売りが先行。ダウは5日ぶりに43ドル安。
- 債券相場は大幅に反落。長期金利は2.03%台へと急騰。
- 金は大幅安。原油は4日続伸。
6月失業率 → 3.7%
6月非農業部門雇用者数 → 22.4万人
6月平均時給 (前月比) → 0.2%
6月平均時給 (前年比) → 3.1%
6月労働参加率 → 62.9%
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| ドル/円 | 108.07 〜 108.64 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1208 〜 1.1270 |
| ユーロ/円 | 121.63 〜 121.93 |
| NYダウ | −43.88 → 26,922.12ドル |
| GOLD | −20.80 → 1,400.10ドル |
| WTI | +0.17 → 57,51 |
| 米10年国債 | +0.084 → 2.034% |
本日の注目イベント
- 日 6月景気ウオッチャー調査
- 日 5月貿易収支
- 独 独5月鉱工業生産
- 米 5月消費者信用残高
金曜日のこの欄で、雇用統計が良ければ株が売られ長期金利が上昇し、ドル円が反発することも予想されると書きましたが、結果は非農業部門雇用者数が予想の「16万人」に対して、「22.4万人」と、月から15万人も増え、予想も大きく上回りました。発表直後から「米労働市場はそれほど悪くはない」との見方が広がり、市場は上述のように、これまでの動きの巻き戻しが優勢となり、長期金利は2.03%台まで上昇し、ドル円を108円台半ばまで押し上げました。ただ、失業率は3.7%と予想より1ポイント悪化し、平均時給の方も予想ほど伸びていなかったことで、ドル円はその後やや押し戻されて取り引きを終えています。
今回の雇用統計を受け、前のめりだった市場の利下げ期待はやや修正されたと思われますが、今月のFOMCでの利下げの可能性にはほとんど影響がないものと思います。先週末に公表された、半期に一度のFRBによる「金融政策報告書」では、経済成長ペースが今年4−6月(第2四半期)に鈍化したとし、過去最長の米景気拡大を維持させるため利下げもあり得るとの姿勢を改めて示しています。(ブルームバーグ)報告書では、FOMCが6月の会合で使った「適切に行動する」との文言を繰り返しており、予防的と見られている利下げは実施されると考えられ、焦点はその際の利下げの幅、と言ってもいい状況です。
市場の一部には「0.5%」との声も挙がっていますが、今回の雇用統計の結果を踏まえると「0.25%」の可能性が高いと予想します。また株式市場では先週、主要3指数が揃って「史上最高値を更新」するなど、極めて堅調に推移しており、この点からすれば利下げ幅を拡大する必要性は少ないと考えられます。最大の懸念材料だった米中通商協議も、首脳会談を経て再開されています。FRBとしても、政策金利は出来るだけ高水準を維持しておきたいとの考えを持っていると思われます。再び「リーマンショック級」の出来事が発生した場合、金利水準が低過ぎると政策の効果が限定される恐れがあるからだと見られます。今回のFOMCでは「0.25%」の予防的な利下げを実施した上で、今後の経済データを分析していくことが最も考えられる手法かと思います。
ドル円は108円台半ばまで反発しましたが、このレベルはこれまでも何度か試して抜けなかった水準と概ね同じです。これも先週末のこの欄で述べましたが、今のところ、先月末辺りからゴールデンクロスを点灯させている「MACD」に軍配が上がっています。「MACD」はさらに上昇を拡大させてはいますが、未だに「マイナス圏」にいます。直ぐにドル円が109円台に向かう状況ではないことも示唆していると考えられます。過度の利下げ期待が修正され、ドル円が109円台を回復できるのか。あるいは、108円台半ばを頂点に再び下落基調に戻って行くのか、重要な局面かもしれません。本日の予想レンジは108円〜108円80銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/2 | 中国国防相 | 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 | -------- |
| 6/2 | 王受分中国商務次官 | 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 | -------- |
| 6/3 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある。 | ドル円108円台前半から107円台後半に。 |
| 6/4 | パウエルFRB議長 | これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある。 | NYダウが512ドル急騰するなど、米国株はほぼ前面高の展開に。 |
| 6/4 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある。 | -------- |
| 6/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | (政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ。 | -------- |
| 6/6 | ドラギ・ECB総裁 | 最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している。理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して直ちに25%の関税を課す可能性がある。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かなかった。金利を大幅、かつ急速に上げすぎた。米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ。 | -------- |
| 6/13 | クドロー国家経済会議委員長 | トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう。 | -------- |
| 6/14 | ロス商務長官 | G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ。 | -------- |
| 6/18 | ドラギECB総裁 | 見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合は追加の刺激策が必要になるだろう。利下げは政策手段の一部であり、資産購入も選択肢だ。 | ユーロドル小幅に下落。 |
| 6/19 | FOMC声明文 | 「見通しを巡る不確実性が高まった」「これらの不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」 | ドル円は108円台半ばから108円割れまで下落。株高、債券高となり長期金利は2.02%台まで低下。 |
| 6/24 | ロウ・RBA総裁 | 世界経済は減速しているが、なお、それほど悪くない状態にある。金融緩和が以前ほど有効でない可能性が高い。 | 豪ドルドル、0.6935近辺から20ポイント程上昇。 |
| 6/24 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 貿易を巡る緊張と不確実性がこの2カ月で大幅に高まり、見通しの下振れリスクが高まったが、それでも利下げの準備はまだ整っていない。米金融政策のスタンス変更が適切かどうか考える上で、より多くの時間をかけて状況の変化を見るのが賢明だろう | -------- |
| 7/2 | カーニー・BOE総裁 | 貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている。(そのため)大規模な政策対応が必要になる可能性がある。 | ポンドドル、1.12台半ばから1.12割れまで下落。 |



