今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年7月19日(金) 「ドル円大幅に下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は東京時間で、これまでサポートとして機能していた107円80〜90銭を割り込み、NY時間では107円21銭までドル安が進む。中東でも地政学的リスクが高まったことや、NY連銀総裁が利下げに前向きな発言をしたことが材料に。
  • ユーロドルは今回の局面でも、結局1.12を割り込めず反発。ドルが売られたことで、1.1280までユーロが買われる。
  • 株式市場はさらに利下げ観測が強まったことで、3主要指数は小幅ながら揃って反発。ダウは3ドル高。
  • 債券相場は続伸。長期金利は2.02%台まで低下。
  • 金は中東での地政学的リスクの高まりから続伸し、原油は4日続落。
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7月フィラデルフィア連銀景況指数 → 21.8
新規失業保険申請件数       → 21.6万件
6月景気先行指標総合指数     → −0.3%
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ドル/円 107.21 〜 108.01
ユーロ/ドル 1.1213 〜 1.1280
ユーロ/円 120.78 〜 121.14
NYダウ +3.12 → 27,222.97ドル
GOLD +4.80 → 1,428.10ドル
WTI −1.48 → 55.30
米10年国債 −0.021 → 2.024%

本日の注目イベント

  • 日 6月消費者物価指数
  • 独 独6月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏5月経常収支
  • 米 7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米 企業決算 → ブラックロック、アメックス
  • 加 カナダ5月小売売上高

ドル円は108円を挟む展開から一気に円高が進んでいます。昨日の東京タイムでは、日経平均株価が大きく売られ、引け値では422円安となり、これがドルの上値を抑え、安全通貨の円買いを促しました。NYタイム朝方には108円近辺まで戻す場面もありましたが、その後ドルは大きく売られました。

NY連銀のウイリアムズ総裁は講演で、「各国・地域の中央銀行は経済に問題が生じている場合は、迅速に行動を起こすべきだ」と発言し、利下げに積極的な姿勢をみせました。またこの日は、クラリダFRB副議長がFOXビジネスとのインタビューで、「見通しに対する不確実性が高まっており、景気が下落するのを待ってから行動するのは望ましくないと当局は考えている」と述べたことも、市場の利下げ観測をさらに強めました。これらの発言を受け、今月のFOMCでの利下げ幅は「0.25%引き下げの確率」が54.5%に低下し、「0.5%引き下げの確率」が45.5%(19日午前7時時点)に急騰しています。(ブルームバーグ)

また中東ホルムズ海峡での地政学的リスクの高まりも投資家の安全志向を高めました。トランプ大統領は昨日ホワイトハウスで、ホルムズ海峡近くで米海軍の強襲揚陸艦「ボクサー」に接近したイランの無人機を「直ちに破壊した」と述べました。説明によりますと、「立ち去るよう求める複数回の警告を無視し、約1000ヤード(約914メートル)と非常に近くまで接近して、艦艇と乗組員の安全を脅かしたというイラン無人機に対し、ボクサーは防衛措置を取った」とトランプ氏は述べています。また米国防総省(ペンタゴン)のスポークスマンも、「ボクサーは国際水域を航行中で、ホルムズ海峡に入ろうとしていたが、一機の無人機が危険な距離まで接近してきたため、同艦艇は防衛措置を取った」と語っています。(ブルームバーグ)今回の行動は、すでに米無人機がイランの攻撃を受けており、その報復との見方もできなくはありませんが、米イラン関係には緊張がさらに高まっています。

ドル円は下落基調を鮮明にしてきました。この欄でも再三指摘してきたように、円高傾向が顕在化してきたと言えます。目先の予想ですが、まずは107円が心理的なサポートになると見られますが、それほど強固なものではないと思います。仮に107円を割り込むようだと、6月下旬に記録した106円78銭が意識される展開が予想されます。ただ、6月のこの時には米長期金利が1.93%台まで急低下しており、金利低下を手掛かりにドル売りが活発になった経緯があります。現在米長期金利は2.02%台です。米長期金利が2%台を割り込むかどうかも含めて、金利の動向には注目していく必要があります。

本日のドル円は107−107円80銭程度を予想しますが、今度の日曜日には「参院選」があります。事前予想では政権与党がかなり優勢とのことです。予想通りであれば、政権の安定→アベノミクスへの信認→新たな経済対策の発動、といった連想が働き、週明け月曜日の株価上昇につながる可能性があります。株価の上昇は一応ドル高要因と見られますので、注意が必要です。

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今年の梅雨は例年より雨が多いような気がします。梅雨なので雨が降るのは当たり前ですが、気温の低いのが異常のようです。低気温と雨のせいで、野菜や果物の値段が高騰しており、きゅうり一本78円で売られている写真もありました。この値段では日常の生活費が上昇してしまい、家庭の主婦は大変ですね。でも一方では、涼しいおかげで電気代が安く済みます。暑がりの小生もこの夏はまだ一度しかクーラーを使っていません。家計的にはこれでチャラかもしれません。消費と言う意味では暑い夏がいいのでしょうが、この涼しさに慣れてしまい、一気に気温が上がったら果たして耐えられるのか?心配です。良い週末を・・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
6/2 中国国防相 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 --------
6/2 王受分中国商務次官 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 --------
6/3 ブラード・セントルイス連銀総裁 インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある。 ドル円108円台前半から107円台後半に。
6/4 パウエルFRB議長 これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある。 NYダウが512ドル急騰するなど、米国株はほぼ前面高の展開に。
6/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある。 --------
6/5 カプラン・ダラス連銀総裁 (政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ。 --------
6/6 ドラギ・ECB総裁 最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している。理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている。 --------
6/10 トランプ大統領 中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して直ちに25%の関税を課す可能性がある。 --------
6/10 トランプ大統領 当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かなかった。金利を大幅、かつ急速に上げすぎた。米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ。 --------
6/13 クドロー国家経済会議委員長 トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう。 --------
6/14 ロス商務長官 G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ。 --------
6/18 ドラギECB総裁 見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合は追加の刺激策が必要になるだろう。利下げは政策手段の一部であり、資産購入も選択肢だ。 ユーロドル小幅に下落。
6/19 FOMC声明文 「見通しを巡る不確実性が高まった」「これらの不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」 ドル円は108円台半ばから108円割れまで下落。株高、債券高となり長期金利は2.02%台まで低下。
6/24 ロウ・RBA総裁 世界経済は減速しているが、なお、それほど悪くない状態にある。金融緩和が以前ほど有効でない可能性が高い。 豪ドルドル、0.6935近辺から20ポイント程上昇。
6/24 カプラン・ダラス連銀総裁 貿易を巡る緊張と不確実性がこの2カ月で大幅に高まり、見通しの下振れリスクが高まったが、それでも利下げの準備はまだ整っていない。米金融政策のスタンス変更が適切かどうか考える上で、より多くの時間をかけて状況の変化を見るのが賢明だろう --------
7/2 カーニー・BOE総裁 貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている。(そのため)大規模な政策対応が必要になる可能性がある。 ポンドドル、1.12台半ばから1.12割れまで下落。
7/7 トランプ大統領 イランは気をつけた方がよい。良いことでは全くない。(イランがウラン濃縮度を引き上げたことで) --------
7/10 パウエルFRB議長 貿易問題での緊張を巡る不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている。見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている。海外の幾つかの主要国で経済の勢いが鈍化しているようだ。そうした弱さが米経済に影響を及ぼす可能性はある。通商を巡る動向や連邦債務上限、英国のEU離脱など、政府が扱う多くの政策課題がなお解決されていない。 ドルは売られ、株、債券、金などが買われる。
7/17 ベージュブック 「貿易関連の不確実性がもたらし得る悪影響に関する懸念は広がっているものの、向こう数カ月の見通しは総じて明るく、緩慢な景気拡大が続くと想定されている」 --------
7/18 ムニューシン米財務長官 将来に検討することはあり得る問題だが、現時点でのドル政策に変更はない。 --------
7/18 ウイリアムズ・NY連銀総裁 各国・地域の中央銀行は経済に問題が生じている場合は、迅速に行動を起こすべきだ。 ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。
7/18 クラリダ/FRB副議長 見通しに対する不確実性が高まっており、景気が下落するのを待ってから行動するのは望ましくないと当局は考えている。 ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和