今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年7月23日(火) 「ドル円107円台後半で小動き」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は底堅い動きを見せたものの、特段材料もなく小動き。108円台に近づくとドル売りも出て、上値を抑える展開に。107円78銭まで売られたが、同90銭近辺で取引を終える。
  • ユーロドルも1.12台前半で小動きとなり、値幅はわずか18ポイントに収まる。
  • 株式市場は小幅ながら主要3指数とも揃って上昇。ハイテク株や石油関連株が買われたが、主要企業の決算発表を控え動きは鈍い。
  • 債券相場はほぼ横ばい。長期金利は小幅に低下し、2.04%台に。
  • 金と原油はともに上昇。
ドル/円 107.78 〜 108.00
ユーロ/ドル 1.1207 〜 1.1225
ユーロ/円 120.86 〜 121.13
NYダウ +17.70 → 27,171.90ドル
GOLD +0.20 → 1,426.90ドル
WTI +0.59 → 56.22ドル
米10年国債 −0.009 → 2.046%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏7月消費者信頼感(速報値)
  • 英 英与党保守党、党首選の結果公表
  • 米 5月FHFA住宅価格指数
  • 米 7月リッチモンド連銀製造業指数
  • 米 6月中古住宅販売件数
  • 米 IMF世界経済見通し
  • 米 企業決算 → コカコーラ、VISA、ロッキード・マーチン

参院選を終えて、昨日は日経平均株価が上昇すると予想していましたが、朝方は150円ほどマイナスに沈み、やや驚きでした。引け値では50円安で終わりましたが、連立与党の勝利も「織り込み済み」といったところだったようす。ドル円も108円台を回復する場面もありましたが追随する向きもなく、その後の海外市場でも動意はなく、107円台後半でダラダラとした展開でした。昨日は経済指標の発表もなく、FOMCが来週に迫ってきたことで「ブラックアウト」期間に入り、市場に影響を与えるコメントもありませんでした。

そんな中、相変わらずつぶやいていたのが、トランプ大統領でした。FOMCを前に、トランプ氏は再び金融当局に利下げ圧力を加え、「今動けば非常に低コストで済むし、生産的だ。金融当局は過度に大きく利上げして引き締め、のペースも速過ぎた」とツイートしています。また香港の反政府デモについても、「中国の習主席は極めて責任ある行動を取っている。デモ参加者は長期間、抗議活動を続けている。習主席が正しいことをすると期待している」と述べています。(ブルームバーグ)FOMCでの政策判断に多少なりとも影響を与えると見られるGDP速報値は今週末に発表されます。市場の見方は「25bp」がコンセンサスと思われますが、トランプ氏のつぶやきには「50bp」利下げへの圧力もあるように思えます。

「GDP速報値」、「FOMC」と、重要イベントを控えドル円は動きにくい状況です。昨日も述べたように、リスクはドル下落の方にあると見ていますが、それでもドルショートで臨んでいる投資家にとっても、なかなか骨の折れる相場展開です。特に107円台でのショートは、その出口を見つけるのに難儀します。一方、狭い値幅で上下しているためドルロングでも機能しますが、これまたレベルを間違えるとクローズするまで結構な時間がかかる状況です。ここは107−109円のレンジ相場と割り切り、「逆張り」で臨むのも一つの案です。だたし、レンジを外れることを想定して、「ストップ」を置くことは必須です。ロング、ショートのいずれも早めの決済が求められます。

上記材料に加え、参院選を終えたことで、日米貿易交渉もいよいよ本格的に始まると思われます。ここでは「ドナルド・シンゾウ」の関係とは一線を画した厳しい交渉も想定されます。ただタイミング的にはFOMCが終了すると「サマー・バケーション」に入ることになり、相場もさらに膠着することも考えられます。107−109円の基本レンジをブレイクしてから出動するのも一計です。本日のドル円は107円60銭〜108円20銭程度と予想しますが、実際にはさらに狭いレンジになる可能性が高いでしょう。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
6/2 中国国防相 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 --------
6/2 王受分中国商務次官 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 --------
6/3 ブラード・セントルイス連銀総裁 インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある。 ドル円108円台前半から107円台後半に。
6/4 パウエルFRB議長 これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある。 NYダウが512ドル急騰するなど、米国株はほぼ前面高の展開に。
6/4 エバンス・シカゴ連銀総裁 インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある。 --------
6/5 カプラン・ダラス連銀総裁 (政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ。 --------
6/6 ドラギ・ECB総裁 最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している。理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている。 --------
6/10 トランプ大統領 中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して直ちに25%の関税を課す可能性がある。 --------
6/10 トランプ大統領 当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かなかった。金利を大幅、かつ急速に上げすぎた。米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ。 --------
6/13 クドロー国家経済会議委員長 トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう。 --------
6/14 ロス商務長官 G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ。 --------
6/18 ドラギECB総裁 見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合は追加の刺激策が必要になるだろう。利下げは政策手段の一部であり、資産購入も選択肢だ。 ユーロドル小幅に下落。
6/19 FOMC声明文 「見通しを巡る不確実性が高まった」「これらの不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」 ドル円は108円台半ばから108円割れまで下落。株高、債券高となり長期金利は2.02%台まで低下。
6/24 ロウ・RBA総裁 世界経済は減速しているが、なお、それほど悪くない状態にある。金融緩和が以前ほど有効でない可能性が高い。 豪ドルドル、0.6935近辺から20ポイント程上昇。
6/24 カプラン・ダラス連銀総裁 貿易を巡る緊張と不確実性がこの2カ月で大幅に高まり、見通しの下振れリスクが高まったが、それでも利下げの準備はまだ整っていない。米金融政策のスタンス変更が適切かどうか考える上で、より多くの時間をかけて状況の変化を見るのが賢明だろう --------
7/2 カーニー・BOE総裁 貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている。(そのため)大規模な政策対応が必要になる可能性がある。 ポンドドル、1.12台半ばから1.12割れまで下落。
7/7 トランプ大統領 イランは気をつけた方がよい。良いことでは全くない。(イランがウラン濃縮度を引き上げたことで) --------
7/10 パウエルFRB議長 貿易問題での緊張を巡る不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている。見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている。海外の幾つかの主要国で経済の勢いが鈍化しているようだ。そうした弱さが米経済に影響を及ぼす可能性はある。通商を巡る動向や連邦債務上限、英国のEU離脱など、政府が扱う多くの政策課題がなお解決されていない。 ドルは売られ、株、債券、金などが買われる。
7/17 ベージュブック 「貿易関連の不確実性がもたらし得る悪影響に関する懸念は広がっているものの、向こう数カ月の見通しは総じて明るく、緩慢な景気拡大が続くと想定されている」 --------
7/18 ムニューシン米財務長官 将来に検討することはあり得る問題だが、現時点でのドル政策に変更はない。 --------
7/18 ウイリアムズ・NY連銀総裁 各国・地域の中央銀行は経済に問題が生じている場合は、迅速に行動を起こすべきだ。 ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。
7/18 クラリダ/FRB副議長 見通しに対する不確実性が高まっており、景気が下落するのを待ってから行動するのは望ましくないと当局は考えている。 ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。
7/19 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 米経済は実際、かなり良好だ。経済が良好である限り、それが継続すれば、緩和に必要はない。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和