2019年7月24日(水) 「英新首相にジョンソン氏」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小幅に上昇し、108円29銭までドル高が進む。米中通商協議の進展を好感し、株高、金利高が進んだことが背景。
- ユーロドルはこれまでのサポートであった1.12を割り込み、1.1146まで急落。ECBが金融緩和への方向性を示すとの観測が強まり、ユーロドルは5月末以来の安値を記録。
- イギリスの次期首相にジョンソン氏が決まり、ポンドドルは買われたが、その後上昇分を吐き出す。
- 株式市場は大幅に続伸。米中通商協議が再開するとの報道にダウは179ドル高と、最高値に迫る。
- 債券相場は反落。長期金利は2.08%台へと上昇。
- 金と原油は揃って3日続伸。
5月FHFA住宅価格指数 → 0.1%
7月リッチモンド連銀製造業指数 → −12
6月中古住宅販売件数 → 527万件
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| ドル/円 | 108.04 〜 108.28 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1146 〜 1.1175 |
| ユーロ/円 | 120.48 〜 120.84 |
| NYダウ | +179.29 → 27,349.19ドル |
| GOLD | +5.20 → 1,421.70ドル |
| WTI | +0.55 → 56.77ドル |
| 米10年国債 | +0.035 → 2.081% |
本日の注目イベント
- 独 独7月製造業PMI(速報値)
- 独 独7月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏7月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)
- 欧 企業決算 → LVMH、ダイムラー、ドイツ銀行
- 米 6月新築住宅販売件数
- 米 企業決算 → AT&T、キャタピラー、フェイスブック、ボーイング、UPS
ライトハイザーUSTR代表と複数の米政府高官は、中国に向けて29日に出発する予定が決まったとブルームバーグが報じています。報道によると、ライトハイザー氏率いる少人数のチームは31日まで上海に滞在する予定で協議を行い、未解決の問題を幅広く議論することになるとのことです。ただ多くの意見では、米中が合意に達するにはまだ時間が掛かるだろうとの見方が支配的で、今回の協議で合意に至る可能性は低いとみるべきでしょう。
この報道を受けドル円は108円29銭までドル高が進み、ドルは対ユーロでも上昇。ユーロドルは、5月31日以来約2カ月ぶりに1.11台半ばまで売られました。ドルに対するユーロの下落幅が円よりも大きかったことでユーロ円も下落し、今年1月3日早朝の「フラッシュ・クラッシュ」以来の安値を記録し、仮に1月3日のこの動きが異常値だったとし除外すれば、2017年5月以来となるユーロ安をつけています。もっとも、この動きは想定内で、明日のECB理事会では金融緩和に関する何らかのメッセージが期待できるユーロと、一方でFRBに先立って会合を開く日銀は動きにくいということと、金融緩和の手段も限定的だという想定の元、ユーロ売りが活発になったものと見られます。
米中貿易協議の進展にやや明るさが出てきた一方で、EUとのそれはまだ波瀾含みです。EUは、トランプ政権が自動車・同部品への関税賦課の脅しを実施に移した場合、米製品350億ユーロ(約4兆2230億円)相当に報復関税を課すことを明らかにしました。EUの行政執行機関である欧州委員会のマルムストローム委員が明らかにしたところによると、従来は200億ユーロ相当の米製品を対象にするとしていたが、EUからの対米自動車製品輸出が国家安全保障上の脅威になるとの理由で輸出制限を求める米国の要求を拒否する立場を鮮明にしたとのことです。同委員は、「われわれはいかなる管理貿易も受け入れない。割当量や輸出自主規制もそうだ。これを行使する必要がないことが望ましい」と語っています。(ブル−ムバーグ)
このように米国発の保護貿易主義の嵐は依然として収まってはいません。そんな中IMFは昨日、世界経済見通しを発表し、経済成長見通しを再び下方修正しました。見通しによると、今年の世界経済の成長率は「3.2%」とし、来年が「3.3%」の見込みで、いずれも4月時点の予測から「0.1ポイント」下方修正しています。IMFは発表文で、「世界経済に対する主要なリスク要因は、米中のさらなる関税賦課、米国による自動車関税、または英国の合意なきEU離脱など展開の悪化が信頼感を損ない投資を弱め、世界のサプライチェーンを混乱させて、世界の成長を基本ラインから大幅に減速させることだ」と分析しています。
トランプ大統領は今週22日、今後2年間の連邦政府の歳出と債務の大枠について、ホワイトハウスと与野党の議会指導部が合意したと発表しました。これでたびたび話題に上り、懸念されてきた「財政の崖」問題は、今後2年間は取り除かれることになります。報道によると、2020年会計年度(2019年10月〜2020年9月)と、2021年会計年度の歳出上限を計3200億ドル(約35兆円)に引き上げ、債務上限も引き上げるようです。国防費や教育費を大幅に増額するようですが、この費用の多くは国債の発行でまかなうことになります。国債の増発は長期金利の上昇要因です。現在1兆ドルを超える財政赤字が、今後さらに悪化することは避けられず、現在2%台という低水準で推移している米長期金利も将来上昇する可能性があり、これが為替の変動要因になります。
ドル円は再び108円台半ばを試す動きになってきました。昨日のNYでは、株価が上昇し、金利も上昇。金や原油も買われ、これまでの動きとはやや異なっています。「リスク選好」が強まったとは言えませんが、今月末のFOMCで利下げが確実視されている割にはドル円が底堅い動きを見せています。本日も日本株は上昇すると見られますが、ドル円は108円台半ばを超えられるのかが焦点です。同時にユーロドルが1.11を割り込むのかにも注意が必要です。予想レンジは108円〜108円60銭程度と見ます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/2 | 中国国防相 | 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 | -------- |
| 6/2 | 王受分中国商務次官 | 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 | -------- |
| 6/3 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある。 | ドル円108円台前半から107円台後半に。 |
| 6/4 | パウエルFRB議長 | これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある。 | NYダウが512ドル急騰するなど、米国株はほぼ前面高の展開に。 |
| 6/4 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある。 | -------- |
| 6/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | (政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ。 | -------- |
| 6/6 | ドラギ・ECB総裁 | 最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している。理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して直ちに25%の関税を課す可能性がある。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かなかった。金利を大幅、かつ急速に上げすぎた。米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ。 | -------- |
| 6/13 | クドロー国家経済会議委員長 | トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう。 | -------- |
| 6/14 | ロス商務長官 | G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ。 | -------- |
| 6/18 | ドラギECB総裁 | 見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合は追加の刺激策が必要になるだろう。利下げは政策手段の一部であり、資産購入も選択肢だ。 | ユーロドル小幅に下落。 |
| 6/19 | FOMC声明文 | 「見通しを巡る不確実性が高まった」「これらの不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」 | ドル円は108円台半ばから108円割れまで下落。株高、債券高となり長期金利は2.02%台まで低下。 |
| 6/24 | ロウ・RBA総裁 | 世界経済は減速しているが、なお、それほど悪くない状態にある。金融緩和が以前ほど有効でない可能性が高い。 | 豪ドルドル、0.6935近辺から20ポイント程上昇。 |
| 6/24 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 貿易を巡る緊張と不確実性がこの2カ月で大幅に高まり、見通しの下振れリスクが高まったが、それでも利下げの準備はまだ整っていない。米金融政策のスタンス変更が適切かどうか考える上で、より多くの時間をかけて状況の変化を見るのが賢明だろう | -------- |
| 7/2 | カーニー・BOE総裁 | 貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている。(そのため)大規模な政策対応が必要になる可能性がある。 | ポンドドル、1.12台半ばから1.12割れまで下落。 |
| 7/7 | トランプ大統領 | イランは気をつけた方がよい。良いことでは全くない。(イランがウラン濃縮度を引き上げたことで) | -------- |
| 7/10 | パウエルFRB議長 | 貿易問題での緊張を巡る不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている。見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている。海外の幾つかの主要国で経済の勢いが鈍化しているようだ。そうした弱さが米経済に影響を及ぼす可能性はある。通商を巡る動向や連邦債務上限、英国のEU離脱など、政府が扱う多くの政策課題がなお解決されていない。 | ドルは売られ、株、債券、金などが買われる。 |
| 7/17 | ベージュブック | 「貿易関連の不確実性がもたらし得る悪影響に関する懸念は広がっているものの、向こう数カ月の見通しは総じて明るく、緩慢な景気拡大が続くと想定されている」 | -------- |
| 7/18 | ムニューシン米財務長官 | 将来に検討することはあり得る問題だが、現時点でのドル政策に変更はない。 | -------- |
| 7/18 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 各国・地域の中央銀行は経済に問題が生じている場合は、迅速に行動を起こすべきだ。 | ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。 |
| 7/18 | クラリダ/FRB副議長 | 見通しに対する不確実性が高まっており、景気が下落するのを待ってから行動するのは望ましくないと当局は考えている。 | ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。 |
| 7/19 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 米経済は実際、かなり良好だ。経済が良好である限り、それが継続すれば、緩和に必要はない。 | -------- |



