2019年7月31日(水) 「市場はFOMC結果待ち」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米FOMC発表を控え、ドル円は108円台半ばを中心に小動き。108円46銭まで売られ、やや円が買い戻される場面もあったが、取り引きは閑散。
- ユーロドルはFOMC前に買い戻しがやや優勢となり、1.1161まで上昇。
- 株式市場は揃って下落。トランプ大統領が中国を批判したことで利益確定の売りを誘発。ダウは23ドル安で取引きを終える。
- 債券相場は小幅ながら続伸。長期金利は2.05%台に低下。
- 金と原油はともに4日続伸。
6月個人所得 → 0.4%
6月個人支出 → 0.3%
6月PCEコアデフレータ → 1.4%
5月ケース・シラ−住宅価格指数 → 2.4%
6月中古住宅販売件数成約指数 → 2.8%
7月消費者信頼感指数 → 135.7
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| ドル/円 | 108.46 〜 108.70 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1138 〜 1.1161 |
| ユーロ/円 | 120.95 〜 121.18 |
| NYダウ | −23.33 → 27,198.02ドル |
| GOLD | +8.50 → 1,441.80ドル |
| WTI | +1.18 → 58.05ドル |
| 米10年国債 | −0.007 → 2.058% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第2四半期消費者物価指数
- 中 7月製造業PMI(速報値)
- 中 7月非製造業PMI(速報値)
- 独 独7月失業率
- 欧 ユーロ圏4−6月期GDP(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月失業率
- 欧 ユーロ圏7月消費者物価指数(速報値)
- 欧 企業決算 → クレディスイス、BNPパリバ
- 米 7月ADP雇用者数
- 米 4−6月雇用コスト指数
- 米 7月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 FOMC 政策金利発表
- 米 パウエル議長記者会見
- 欧 企業決算 → GE、FCA
- 加 カナダ5月GDP
昨日の日銀金融政策決定会合では、前回の会合で追加緩和の可能性がやや高まっていたこともあり、政策据え置きの結果が発表されると、108円台後半で推移していたドル円はやや売られ、108円60銭台に下落する場面もありました。昨日のこの欄でも述べたように、日銀としてはFOMCを前に動きにくかったと思われ、今年と来年の物価見通しを下方修正しただけで、「2020年春ごろまで」との現行の低金利政策を変更することもありませんでした。声明文では、「物価安定に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合には、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」とあり、これまでと同様、必要なら行動するとしています。黒田総裁は会見でこの点について、「政府・日銀間に最近の流行語《ちゅうちょなく》の意図的な共通性があるのか」との記者からの質問に対しては、「笑顔」で答えていました。
ECBと日銀が政策会合を終え、いよいよ昨日からはFOMCが始まりました。世界で最も注目される中銀会合であり、世界で最も影響力のある会合の結果は、明日の朝方には判明します。「米金融当局の決断には失望した。Fedはもっと大幅な利下げをすべきだ」・・・・・。トランプ大統領のそんなツイートが連想できそうな気がします。今回の会合では利下げは間違いないでしょうが、利下げ幅は「25bp」だろうと考えます。今朝の時点で、「50bp」の利下げ確率は17%になっていますが、実際の可能性はもっと低いのではないかと思います。
米国の直近GDPは2.1%と、前期よりも鈍化してはいますが、相対的には依然として高水準を維持しています。住宅市市場では底入れの気配が出ており、再び拡大しそうな状況です。また、昨日発表された7月の消費者マインドも「135.7」と、予想を上回っていました。低インフレ率が利下げを正当化させる面はありますが、全体的には「50bp」下げる理由を見つけるのが難しい状況かと思います。日経電子版では昨日、「利上げを求める著名投資家」と題して、米運用会社グッケンハイム・パートナーズの投資責任者の声を紹介し、「急激な利下げが2000年のITバブル崩壊につながった」ことを例に挙げていました。他にもオークツリー・キャピタル・マネージメントや、世界最大のヘッジファンドの責任者も、「利下げのタイミングではない」との立場を示していました。
それでも昨日トランプ大統領は当局へ圧力をかけ続けています。また、昨日から上海で始まった米中通商協議を巡っても、「中国の問題点は、約束を果たさないことだ」と述べ、「われわれは素晴らしい合意を結ぶか、全くの合意なしかどちらかだ」と語っています。(ブルームバーグ)協議は本日の午前中から行われますが、今回の協議で何らか合意がなされる可能性はほとんどないというのが市場の見方です。
FOMCの政策発表は明日の朝3時です。焦点は言うまでもなく、「今回の利下げ後どの程度追加利下げの可能性を見込めるのか」という点に絞られます。「25bp」の利下げは既に織り込まれており、結局声明文と、パウエル議長の言葉からその可能性を探ることになります。本日のドル円はややワイドに、108円〜109円程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/2 | 中国国防相 | 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 | -------- |
| 6/2 | 王受分中国商務次官 | 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 | -------- |
| 6/3 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある。 | ドル円108円台前半から107円台後半に。 |
| 6/4 | パウエルFRB議長 | これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある。 | NYダウが512ドル急騰するなど、米国株はほぼ前面高の展開に。 |
| 6/4 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある。 | -------- |
| 6/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | (政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ。 | -------- |
| 6/6 | ドラギ・ECB総裁 | 最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している。理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して直ちに25%の関税を課す可能性がある。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かなかった。金利を大幅、かつ急速に上げすぎた。米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ。 | -------- |
| 6/13 | クドロー国家経済会議委員長 | トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう。 | -------- |
| 6/14 | ロス商務長官 | G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ。 | -------- |
| 6/18 | ドラギECB総裁 | 見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合は追加の刺激策が必要になるだろう。利下げは政策手段の一部であり、資産購入も選択肢だ。 | ユーロドル小幅に下落。 |
| 6/19 | FOMC声明文 | 「見通しを巡る不確実性が高まった」「これらの不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」 | ドル円は108円台半ばから108円割れまで下落。株高、債券高となり長期金利は2.02%台まで低下。 |
| 6/24 | ロウ・RBA総裁 | 世界経済は減速しているが、なお、それほど悪くない状態にある。金融緩和が以前ほど有効でない可能性が高い。 | 豪ドルドル、0.6935近辺から20ポイント程上昇。 |
| 6/24 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 貿易を巡る緊張と不確実性がこの2カ月で大幅に高まり、見通しの下振れリスクが高まったが、それでも利下げの準備はまだ整っていない。米金融政策のスタンス変更が適切かどうか考える上で、より多くの時間をかけて状況の変化を見るのが賢明だろう | -------- |
| 7/2 | カーニー・BOE総裁 | 貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている。(そのため)大規模な政策対応が必要になる可能性がある。 | ポンドドル、1.12台半ばから1.12割れまで下落。 |
| 7/7 | トランプ大統領 | イランは気をつけた方がよい。良いことでは全くない。(イランがウラン濃縮度を引き上げたことで) | -------- |
| 7/10 | パウエルFRB議長 | 貿易問題での緊張を巡る不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている。見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている。海外の幾つかの主要国で経済の勢いが鈍化しているようだ。そうした弱さが米経済に影響を及ぼす可能性はある。通商を巡る動向や連邦債務上限、英国のEU離脱など、政府が扱う多くの政策課題がなお解決されていない。 | ドルは売られ、株、債券、金などが買われる。 |
| 7/17 | ベージュブック | 「貿易関連の不確実性がもたらし得る悪影響に関する懸念は広がっているものの、向こう数カ月の見通しは総じて明るく、緩慢な景気拡大が続くと想定されている」 | -------- |
| 7/18 | ムニューシン米財務長官 | 将来に検討することはあり得る問題だが、現時点でのドル政策に変更はない。 | -------- |
| 7/18 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 各国・地域の中央銀行は経済に問題が生じている場合は、迅速に行動を起こすべきだ。 | ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。 |
| 7/18 | クラリダ/FRB副議長 | 見通しに対する不確実性が高まっており、景気が下落するのを待ってから行動するのは望ましくないと当局は考えている。 | ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。 |
| 7/19 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 米経済は実際、かなり良好だ。経済が良好である限り、それが継続すれば、緩和に必要はない。 | -------- |
| 7/24 | ムニューシン財務長官 | 強いドルを信じている。それが力強い米経済や良好な株式相場を表している。そして特に大統領の経済政策によって、米国は他国を上回るペースの経済成長を達成している。 | -------- |
| 7/25 | ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 | 需要の伸びが十分でなければ、金融政策を一段と緩和して追加的支援を提供する用意がある。 | 豪ドル円75円台半ばから → 75円台前半に下落。 |
| 7/25 | ドラギ・ECB総裁 | 見通しは特に製造業で悪くなる一方だ。製造業が重要な国の見通しも悪化に歯止めがかかっていない。全ての政策手段を調整する用意がある。 | ユーロドル1.1101まで下落。 |
| 7/29 | トランプ大統領 | 米金融当局の動きは全て誤っている。小幅な利下げでは十分ではないが、いずれにせよわれわれは勝利する! | -------- |



