2019年8月2日(金) 「ドル円109円台から107円台に急落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京時間に109円32銭前後まで上昇したが、トランプ大統領が中国への追加関税第4弾を発動すると発表したことで、107円26銭までドル急落。
- ユーロドルではややドル安が進み、1.12手前までユーロが買い戻される。ユーロ円は118円台後半まで急落し、2017年4月以来のユーロ安を記録。
- 株式市場は大幅に続落。ダウは280ドル下げ、ナスダックも64ポイント安。
- 債券相場は急上昇。長期金利は一時1.87%台まで低下し、2016年以来の低水準に。
- 金は反落。原油価格は貿易戦争による景気の悪化に伴い、原油使用量が減るとの見方から大幅安。前日比4ドル63セン下げ54ドルを割り込む。
新規失業保険申請件数 → 21.5万件
7月ISM製造業景況指数 → 51.2
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| ドル/円 | 107.26 〜 108.93 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1027 〜 1.1096 |
| ユーロ/円 | 118.91 〜 120.20 |
| NYダウ | −280.85 → 26,583.42ドル |
| GOLD | −5.40 → 1,432.40ドル |
| WTI | −4.63 → 53.95ドル |
| 米10年国債 | −0.121 → 1.893% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第2四半期生産者物価指数
- 豪 豪6月小売売上高
- 日 7月マネタリーベース
- 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(6月19日、20日分)
- 欧 ユーロ圏6月小売売上高
- 欧 ユーロ圏6月生産者物価指数
- 欧 企業決算 → RBS
- 米 7月雇用統計
- 米 6月貿易収支
- 米 6月耐久財受注
- 米 7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
- 米 企業決算 → エクソンモービル
- 加 カナダ6月貿易収支
「トランプ・リスク」炸裂です。トランプ大統領は1日、ツイートで9月1日から中国からの輸入品3000億ドル(約32兆2300億円)相当に10%の関税を賦課すると発表しました。突然の発表でした。昨日の朝方のパウエル議長の発言を受け、利下げ観測の後退からドル円は109円まで上昇し、東京時間には109円32銭前後までドル高が進みました。そのドル円は上記発表を受けて、一気に107円台前半まで円高が進んでいます。
それもそのはず、米長期金利が2%を大きく割り込み、一時は1.87%まで低下し、2016年以来の低水準を記録しています。トランプ氏は、「私はいつでももっと引き上げることができるし、引き下げることもできる」と述べ、25%の関税引き上げの可能性にも言及しています。ただ、25%の関税については「必ずしもそれを目指していない」とも、口にしていますが、中国の習近平主席の貿易戦争解決に向けた動きについては、「率直に言って十分迅速ではない」と語っています。
正直、このタイミングの追加関税発動には驚きました。休止していた米中通商協議が30日から上海で再開したばかりだったので、特にそう感じます。ただ、次官級協議の進展についての情報が入ってこなかったことから、議論は平行線で終わったのかとは思っていましたが、中国の遅過ぎる対応に、トランプ氏は再び圧力を強めたというのが、その理由かもしれません。今回のこの「寝耳に水」の決定を受けて、各市場も大きく動きました。ドル円は1日で2円以上も円高に振れ、円は主要通貨に対して全面高の様相です。また米債券市場では債券価格が急騰して、長期金利が12bpも低下し、「VIX」指数が急上昇しました。さらに、原油先物市場でもWTI原油価格は4.63ドル下げ、1日で7.9%もの値下がりを記録しています。各市場の混乱ぶりが数字に表れています。
この欄でも、たびたびドル円の下落リスクを指摘してきました。昨日は「8月は1年で最も円高に振れる月」であることも、経済新聞の記事を引用しながら過去の実数も紹介しました。そして昨日から8月が始まり、同時に円高がスタートしたのは「偶然」にしか過ぎませんが、余りにもタイミングが良過ぎます。今回は、ドル円との相関が高い米長期金利が1.87%台まで低下したことを考えると、「いよいよ円高が始まった」という印象が残ります。とりわけ、109円台前半までドルが買われた直後の107円台への下落は、インパクトもあります。焦点は、直近の最高値である106円78銭前後を割り込むのかどうかです。
本日は日経平均株価も500円程度下げるかもしれません。雇用統計の結果を受け、ドルが反発するか可能性もありますが、投資家の「ドル戻り売り」の姿勢がさらに強まったのではないかと思います。予想レンジは106円50銭〜107円70銭といったところでしょうか。
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連日上場企業の第1四半期決算が発表になっています。日経新聞朝刊の「投資情報」面を見ると、一目で景気の悪さが納得できます。「三菱商事、純利益21%減」、「日本製鉄、事業利益55%減」「ローム、純利益59%減」・・・・。そんなヘッドラインが目につく今朝の朝刊です。前期に比べ、為替が円高方向に振れたことや、米中貿易戦争の影響も出できたことが背景ですが、これで10月から消費税率を10%に引け上げて、本当に大丈夫だろうかと心配になります。著名投資家ジム・ロジャースは、日本株や円など、日本に関する資産は全て売却し、今は「ゼロ」だとか。日本の将来に関しても非常にネガティブな見方をしていました。「安全通貨円」の神通力はいつまで続くのでしょうか?良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/2 | 中国国防相 | 対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている。 | -------- |
| 6/2 | 王受分中国商務次官 | 米中貿易協議の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、平等を基礎におく必要がある。全てが合意されるまで、何も合意はない。 | -------- |
| 6/3 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある。 | ドル円108円台前半から107円台後半に。 |
| 6/4 | パウエルFRB議長 | これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある。 | NYダウが512ドル急騰するなど、米国株はほぼ前面高の展開に。 |
| 6/4 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある。 | -------- |
| 6/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | (政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ。 | -------- |
| 6/6 | ドラギ・ECB総裁 | 最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している。理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して直ちに25%の関税を課す可能性がある。 | -------- |
| 6/10 | トランプ大統領 | 当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かなかった。金利を大幅、かつ急速に上げすぎた。米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ。 | -------- |
| 6/13 | クドロー国家経済会議委員長 | トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう。 | -------- |
| 6/14 | ロス商務長官 | G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ。 | -------- |
| 6/18 | ドラギECB総裁 | 見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合は追加の刺激策が必要になるだろう。利下げは政策手段の一部であり、資産購入も選択肢だ。 | ユーロドル小幅に下落。 |
| 6/19 | FOMC声明文 | 「見通しを巡る不確実性が高まった」「これらの不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」 | ドル円は108円台半ばから108円割れまで下落。株高、債券高となり長期金利は2.02%台まで低下。 |
| 6/24 | ロウ・RBA総裁 | 世界経済は減速しているが、なお、それほど悪くない状態にある。金融緩和が以前ほど有効でない可能性が高い。 | 豪ドルドル、0.6935近辺から20ポイント程上昇。 |
| 6/24 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 貿易を巡る緊張と不確実性がこの2カ月で大幅に高まり、見通しの下振れリスクが高まったが、それでも利下げの準備はまだ整っていない。米金融政策のスタンス変更が適切かどうか考える上で、より多くの時間をかけて状況の変化を見るのが賢明だろう | -------- |
| 7/2 | カーニー・BOE総裁 | 貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている。(そのため)大規模な政策対応が必要になる可能性がある。 | ポンドドル、1.12台半ばから1.12割れまで下落。 |
| 7/7 | トランプ大統領 | イランは気をつけた方がよい。良いことでは全くない。(イランがウラン濃縮度を引き上げたことで) | -------- |
| 7/10 | パウエルFRB議長 | 貿易問題での緊張を巡る不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている。見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている。海外の幾つかの主要国で経済の勢いが鈍化しているようだ。そうした弱さが米経済に影響を及ぼす可能性はある。通商を巡る動向や連邦債務上限、英国のEU離脱など、政府が扱う多くの政策課題がなお解決されていない。 | ドルは売られ、株、債券、金などが買われる。 |
| 7/17 | ベージュブック | 「貿易関連の不確実性がもたらし得る悪影響に関する懸念は広がっているものの、向こう数カ月の見通しは総じて明るく、緩慢な景気拡大が続くと想定されている」 | -------- |
| 7/18 | ムニューシン米財務長官 | 将来に検討することはあり得る問題だが、現時点でのドル政策に変更はない。 | -------- |
| 7/18 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 各国・地域の中央銀行は経済に問題が生じている場合は、迅速に行動を起こすべきだ。 | ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。 |
| 7/18 | クラリダ/FRB副議長 | 見通しに対する不確実性が高まっており、景気が下落するのを待ってから行動するのは望ましくないと当局は考えている。 | ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。 |
| 7/19 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 米経済は実際、かなり良好だ。経済が良好である限り、それが継続すれば、緩和に必要はない。 | -------- |
| 7/24 | ムニューシン財務長官 | 強いドルを信じている。それが力強い米経済や良好な株式相場を表している。そして特に大統領の経済政策によって、米国は他国を上回るペースの経済成長を達成している。 | -------- |
| 7/25 | ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 | 需要の伸びが十分でなければ、金融政策を一段と緩和して追加的支援を提供する用意がある。 | 豪ドル円75円台半ばから → 75円台前半に下落。 |
| 7/25 | ドラギ・ECB総裁 | 見通しは特に製造業で悪くなる一方だ。製造業が重要な国の見通しも悪化に歯止めがかかっていない。全ての政策手段を調整する用意がある。 | ユーロドル1.1101まで下落。 |
| 7/29 | トランプ大統領 | 米金融当局の動きは全て誤っている。小幅な利下げでは十分ではないが、いずれにせよわれわれは勝利する! | -------- |
| 7/30 | 日銀金融政策決定会合声明文 | 「物価安定に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合には、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」 | -------- |
| 7/31 | パウエルFRB議長 | 「この利下げの本質は、長期にわたる一連の利下げの始まりではない」と、「サイクル半ばでの政策調整だとわれわれは捉えている」 | ドル円は50ポイントほどドル高に、株価は大幅に売られ、ダウは一時400ドルを超える下落に。 |



