2019年8月16日(金) 「米長期金利1.5%を割り込む」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は105円台では底堅い動きを見せたものの、上値は依然として重い印象。米長期金利が一段と低下したが、この日のドル円の底値は105円80銭止まり。
- ユーロドルは小幅に続落し、約2週間ぶりに1.11を割り込み、1.1092まで下落。
- 株式市場は前日の混乱の余波が残り上下を繰り返したが、ダウは99ドル高で引ける。ナスダックは続落し、S&P500は小幅に反発。
- 債券相場は急騰し10年債利回りは1.57%台へと急低下。2年債が1.6%台と、10年債を上回る。
- 金は反発し、原油価格は大幅に反落。
7月小売売上高 → 0.7%
新規失業保険申請件 → 22.0万件
8月フィラデルフィア連銀景況指数 → 16.8
7月鉱工業生産 → −0.2%
7月設備稼働率 → 77.5%
8月NAHB住宅価格指数 → 66
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| ドル/円 | 105.80 〜 106.35 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1092 〜 1.1154 |
| ユーロ/円 | 117.62 〜 118.55 |
| NYダウ | +99.97 → 25,579.39ドル |
| GOLD | +3.40 → 1,531.20ドル |
| WTI | +0.76 → 54.47ドル |
| 米10年国債 | −0.052 → 1.527% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏6月貿易収支
- 欧 OPEC月報
- 米 7月住宅着工件数
- 米 7月建設許可件数
- 米 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
ドル円は動きがやや不透明になってきました。ここ数日の動きは、105円台後半から一気に107円手前まで反発しましたが、その後再び105円台半ばまで売られ、昨日の東京時間では105円90−95銭でほとんど動かず、「お盆休み相場」の様相を見せていたと思いきや、午後3時半過ぎには105円台後半から、わずか5分程度で106円78銭までドルが急騰しています。昨日のこの動きについて原因を調べてみたら、東北地方で地震があっただけで、それ以外の材料はなかったようです。この材料だけで80銭も動くとは思えませんが、ドル円はボラも上がっており、足元では 本来動きの大きいユーロドルよりも値幅が大きいのが現状です。
前日は米債券市場で発生した「逆イールド」が話題の中心で、米景気もリセッションになるといった見方が、為替、株、金、その他商品相場の方向性を決定付けました。個人的には現時点では、米景気がリセッションに入る可能性はかなり低いと考えています。昨日発表された7月の小売売上高は予想を大きく上回る「0.7%」でした。個人消費は米GDPに占める割合が大きいだけに、第2四半期GDPへの期待も膨らみます。小売売上高はこれで5カ月連続のプラスです。この間の株価は上昇しており、資産効果の影響もあったかと思いますが、低失業率が続き、賃金も上昇していることが、個人の財布の紐を緩めていると推察されます。ブル−ムバーグによると、主要13項目のうち10項目が増加し、オンラインショッピングを含む無店舗小売が2.8%増加した。アマゾン・ドット・コムの会員向けセール「プライムデー」 に支えられた可能性があると分析しています。少なくも個人消費が活発であれば、リセッションに陥る可能性は低いと考えられますが、株価の雲行きが怪しくなってきたことと、「逆イールド」発生後にリセッションに陥るタイミングは平均でも1年6カ月後との分析もあり、まだ分かりません。
米中貿易戦争に関するニュースは昨日もありましたが、材料にはなっていないようです。トランプ大統領は、中国とのいかなる通商合意も「われわれの条件」に基づくものでなければならないと、譲歩する意思のないことを表明していますが、習近平主席と貿易に関して近く電話協議を行う予定であるとも述べています。トランプ氏は政権が中国側と非常に良い話し合いをしており、「生産的だ」と発言し、「彼らは何か行いたいのだ」と語っています。このまま事態が進展しないと、中国に対する関税引き上げ対象品目が一部延期されたとしても、多くの品目に9月1日から10%の関税が課せられることになります。中国としても何とかそれを避けるため、トランプ氏と直接話し合いたいということなのでしょう。 何が「生産的」なのかは分かりませんが、中国側が最後の最後に譲歩してくることもあるかもしれません。残された時間はあと2週間です。
米長期金利がさらに低下しています。昨日のNY債券市場では債券が一段と買われ、長期金利は一時1.47%台まで低下しました。引け値では1.5%台を回復しましたが、3年ぶりの低水準を記録しています。もっとも、その割にはドル円が売られていません。米債券が買われて金利が低下しているのは、かならずしも、質への逃避(Flight to quality)という側面だけではないようです。ブルームバーグ・バークレーズ・グローバル・マイナス利回り指数では、世界のマイナス利回り債券残高は過去最高を更新しており、その額は14日の終値で16兆ドル(約1670兆円)を突破しています。 15兆ドルを超えたのが先週だったので、わずか1週間で1兆ドル相当の債券がマイナス利回りに沈んだことになります。 このような情況の中、米国10年債はまだプラスどころか、1.5%の利回りです。世界中から米国債に資金が集まってくるのは当然と言えます。世界的な金融緩和傾向が終わらない限り、米金利の低下傾向に終止符が打たれないのかもしれません。
本日のドル円は105円50銭〜106円50銭程を予想します。
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露アルサロが発見しカットした14.83カラットの「ピンクダイヤ」に、ダイヤモンドとしては史上最高水準に並ぶ値段が付けられる見通しだそうです。「スピリット・オブ・ザ・ローズ」と名づけられたこの「ピンクダイヤ」色、透明度、研磨状態で最上級の「エクセレント」を獲得しているそうで、気になる値段の方は6000万ドル(約63.6億円)〜6500万ドルになる可能性が高いとか。(ブルームバーグ、「ちょっとした話題」より)記事には実物の写真もあり、ダイヤモンドに詳しくない当方でも見入ってしまいました。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/2 | カーニー・BOE総裁 | 貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている。(そのため)大規模な政策対応が必要になる可能性がある。 | ポンドドル、1.12台半ばから1.12割れまで下落。 |
| 7/7 | トランプ大統領 | イランは気をつけた方がよい。良いことでは全くない。(イランがウラン濃縮度を引き上げたことで) | -------- |
| 7/10 | パウエルFRB議長 | 貿易問題での緊張を巡る不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている。見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている。海外の幾つかの主要国で経済の勢いが鈍化しているようだ。そうした弱さが米経済に影響を及ぼす可能性はある。通商を巡る動向や連邦債務上限、英国のEU離脱など、政府が扱う多くの政策課題がなお解決されていない。 | ドルは売られ、株、債券、金などが買われる。 |
| 7/17 | ベージュブック | 「貿易関連の不確実性がもたらし得る悪影響に関する懸念は広がっているものの、向こう数カ月の見通しは総じて明るく、緩慢な景気拡大が続くと想定されている」 | -------- |
| 7/18 | ムニューシン米財務長官 | 将来に検討することはあり得る問題だが、現時点でのドル政策に変更はない。 | -------- |
| 7/18 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 各国・地域の中央銀行は経済に問題が生じている場合は、迅速に行動を起こすべきだ。 | ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。 |
| 7/18 | クラリダ/FRB副議長 | 見通しに対する不確実性が高まっており、景気が下落するのを待ってから行動するのは望ましくないと当局は考えている。 | ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。 |
| 7/19 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 米経済は実際、かなり良好だ。経済が良好である限り、それが継続すれば、緩和に必要はない。 | -------- |
| 7/24 | ムニューシン財務長官 | 強いドルを信じている。それが力強い米経済や良好な株式相場を表している。そして特に大統領の経済政策によって、米国は他国を上回るペースの経済成長を達成している。 | -------- |
| 7/25 | ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 | 需要の伸びが十分でなければ、金融政策を一段と緩和して追加的支援を提供する用意がある。 | 豪ドル円75円台半ばから → 75円台前半に下落。 |
| 7/25 | ドラギ・ECB総裁 | 見通しは特に製造業で悪くなる一方だ。製造業が重要な国の見通しも悪化に歯止めがかかっていない。全ての政策手段を調整する用意がある。 | ユーロドル1.1101まで下落。 |
| 7/29 | トランプ大統領 | 米金融当局の動きは全て誤っている。小幅な利下げでは十分ではないが、いずれにせよわれわれは勝利する! | -------- |
| 7/30 | 日銀金融政策決定会合声明文 | 「物価安定に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合には、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」 | -------- |
| 7/31 | パウエルFRB議長 | 「この利下げの本質は、長期にわたる一連の利下げの始まりではない」と、「サイクル半ばでの政策調整だとわれわれは捉えている」 | ドル円は50ポイントほどドル高に、株価は大幅に売られ、ダウは一時400ドルを超える下落に。 |
| 8/5 | 中国人民銀行 | 「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場は今日7元を突破した」人民元安が進み、声明文で。 | ドル円106円台半ばから105円台後半へ。日経平均株価500円を超える下落。 |
| 8/5 | トランプ大統領 | 「為替操作だ。中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで押し下げた。これは<為替操作>と呼ばれる。Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる」 | -------- |
| 8/5 | ムニューシン財務長官 | 「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」米財務省が中国を為替操作国に認定したことについてコメント。 | ドル円106円近辺から105円台半ばまで下落。 |
| 8/6 | トランプ大統領 | 「(FRBの)無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるのに。いずれにせよ、われわれは勝利する。当局はより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない」 | -------- |
| 8/8 | トランプ大統領 | 「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない。他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」 | -------- |
| 8/14 | トランプ大統領 | 「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。われわれは勝つだろう」 | -------- |



