今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「対中関税第4弾発動」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は106円台半ばから下落。中国に対する制裁関税第4弾が発動されるとの見方からドル円は106円11銭まで売られる。
  • ユーロドルは1.10台半ばから下落。1.0993前後まで売られる。イタリアの連立政権樹立の見通しが後退。ユーロ円の売りに押された側面も。
  • 株式市場はまちまち。ダウは41ドル上昇し続伸したものの、ナスダックは下落。
  • 債券相場はほぼ横ばい。長期金利は1.496%台に。
  • 金は続落し。原油が大幅に反落。
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7月個人所得 → 0.1%
7月個人支出 → 0.6%
7月PCEコアデフレータ → 1.4%
8月シカゴ購買部協会景気指数 → 50.4
8月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 89.8
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ドル/円 106.11 〜 106.43
ユーロ/ドル 1.0963 〜 1.1049
ユーロ/円 116.61 〜 117.35
NYダウ +41.03 → 26,403.28ドル
GOLD −7.50 → 1,529.40ドル
WTI −1.61 → 55.10ドル
米10年国債 +0.001 → 1.496%

本日の注目イベント

  • 中 8月財新製造業PMI
  • 独 独8月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏8月製造業PMI
  • 米 株式、債券市場休場(レーバーデー)

トランプ政権は昨日9月1日に中国に対する関税第4弾を発動しました。今回の関税は1100億ドル(約12兆円)相当の中国製品に15%の関税を課すというものです。1100億ドルには家電や衣料など消費財も含まれており、今後米国の消費者物価の上昇につながることは必至と見られています。またこれと同時に、中国も米国からの農産物や大豆などに5%の関税をかけ、牛肉、豚肉、鶏肉には10%の関税をかけ、さらに12月15日からは小麦や綿花にも10%の関税を課すことを発表しています。トランプ氏は先週「中国は取引をしたがっている。近いうちに驚くようなことが起こる」などと、「米中貿易戦争のさらなる悪化を回避できるのでは」といった期待も滲ませていましたが、むしろ状況はさらに悪化したと言えます。日経新聞によると、9月1日からは中国に対する平均的な関税率が21%となり、これは米国が保護主義に向かった1930年代と同じレベルに戻ると報じていました。

中国国営の新華社通信は発動後の論説で、「米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ」と指摘し、「ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。」と主張しています。(ブルームバーグ)一方でトランプ氏は1日、「今も中国に話をしている。協議する方針に変わりはない」と述べながらも、「中国がわれわれを食い物にするのをこれ以上許してはならない」と語り、改めて強い対決姿勢を見せています。

香港では1日も無許可のデモが続いており、報道によると1日は空港に再びデモ隊が集まり、国際線利用者が身動きの取れない状態になったようです。このため国際線の欠航も合い次ぎ、逮捕者は63人、負傷者も31人も出ていると伝えられています。デモ参加者は抗議活動を継続する考えだとしており、中国国営テレビは香港に隣接する深圳に集結している武装警察が放水車などを使い、デモ制圧の訓練を行っている映像を流しています。今のところ、中国の武装警察が行動を起こすには至っていませんが、今後行動を起こす事態になるようだと、こちらも米中対立の火種になりそうです。トランプ氏はこの事態に対して、人道的な方法で解決するよう中国を何度もけん制しています。

制裁関税第4弾の発動と、香港での民主化運動の激化で、週明けのドル円は円高方向で始まっています。早朝には106円を割り込み、105円台後半まで円高が進んでいます。本日は再びドルの上値が重い展開が予想され、105円台での下値を探る動きが予想されます。予想レンジは105円60銭〜106円50銭程度と見ます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
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日時 発言者 内容 市場への影響
7/2 カーニー・BOE総裁 貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている。(そのため)大規模な政策対応が必要になる可能性がある。 ポンドドル、1.12台半ばから1.12割れまで下落。
7/7 トランプ大統領 イランは気をつけた方がよい。良いことでは全くない。(イランがウラン濃縮度を引き上げたことで) --------
7/10 パウエルFRB議長 貿易問題での緊張を巡る不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている。見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている。海外の幾つかの主要国で経済の勢いが鈍化しているようだ。そうした弱さが米経済に影響を及ぼす可能性はある。通商を巡る動向や連邦債務上限、英国のEU離脱など、政府が扱う多くの政策課題がなお解決されていない。 ドルは売られ、株、債券、金などが買われる。
7/17 ベージュブック 「貿易関連の不確実性がもたらし得る悪影響に関する懸念は広がっているものの、向こう数カ月の見通しは総じて明るく、緩慢な景気拡大が続くと想定されている」 --------
7/18 ムニューシン米財務長官 将来に検討することはあり得る問題だが、現時点でのドル政策に変更はない。 --------
7/18 ウイリアムズ・NY連銀総裁 各国・地域の中央銀行は経済に問題が生じている場合は、迅速に行動を起こすべきだ。 ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。
7/18 クラリダ/FRB副議長 見通しに対する不確実性が高まっており、景気が下落するのを待ってから行動するのは望ましくないと当局は考えている。 ドル円108円近辺から107円台前半に。株が買われ、債券も買われたことで金利は低下。
7/19 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 米経済は実際、かなり良好だ。経済が良好である限り、それが継続すれば、緩和に必要はない。 --------
7/24 ムニューシン財務長官 強いドルを信じている。それが力強い米経済や良好な株式相場を表している。そして特に大統領の経済政策によって、米国は他国を上回るペースの経済成長を達成している。 --------
7/25 ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 需要の伸びが十分でなければ、金融政策を一段と緩和して追加的支援を提供する用意がある。 豪ドル円75円台半ばから → 75円台前半に下落。
7/25 ドラギ・ECB総裁 見通しは特に製造業で悪くなる一方だ。製造業が重要な国の見通しも悪化に歯止めがかかっていない。全ての政策手段を調整する用意がある。 ユーロドル1.1101まで下落。
7/29 トランプ大統領 米金融当局の動きは全て誤っている。小幅な利下げでは十分ではないが、いずれにせよわれわれは勝利する! --------
7/30 日銀金融政策決定会合声明文 「物価安定に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合には、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」 --------
7/31 パウエルFRB議長 「この利下げの本質は、長期にわたる一連の利下げの始まりではない」と、「サイクル半ばでの政策調整だとわれわれは捉えている」 ドル円は50ポイントほどドル高に、株価は大幅に売られ、ダウは一時400ドルを超える下落に。
8/5 中国人民銀行 「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場は今日7元を突破した」人民元安が進み、声明文で。 ドル円106円台半ばから105円台後半へ。日経平均株価500円を超える下落。
8/5 トランプ大統領 「為替操作だ。中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで押し下げた。これは<為替操作>と呼ばれる。Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる」 --------
8/5 ムニューシン財務長官 「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」米財務省が中国を為替操作国に認定したことについてコメント。 ドル円106円近辺から105円台半ばまで下落。
8/6 トランプ大統領 「(FRBの)無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるのに。いずれにせよ、われわれは勝利する。当局はより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない」 --------
8/8 トランプ大統領 「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない。他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」 --------
8/14 ラード・セントルイス連銀総裁 「失業率は50年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセッションではない。よって、将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」 --------
8/14 トランプ大統領 「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。われわれは勝つだろう」 --------
8/19 トランプ大統領 「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」 --------
8/21 FOMC議事録 世界的な低調な成長見通しや通商政策を巡る不確実性の影響に対応し、そうした要因に伴う一段の下振れリスクに対する保険を掛け、さらにインフレ率が2%目標により速やかに戻るのを促進するため、政策決定に賛成票を投じたメンバーらは全体的な政策スタンスをより適切に位置づけることを目指した」「貿易を巡る不確実性が見通しへの根強い向かい風として留まり続ける」 --------
8/23 パウエル・FRB議長 「金融政策は個人消費や設備投資に働きかける強力な手段だが、国際貿易のために確立された規則書にはならない」「政策対応の見本となるような先例がない」 --------
8/23 トランプ大統領 「われわれに中国は必要ない」「米国企業には中国からの生産移管を命じる」その後中国製品への関税率引き上げを発表。 ドル円106円台から105円台前半に。NYダウは623ドルの大幅下落。
8/26 トランプ大統領 「中国と交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう」ドル円と株価急反発。
8/27 ダッドリー・前NY連銀総裁 「利下げは2020年の大統領選でトランプ氏の再選を助けるようなもので、これを拒否するべきだ。このままの姿勢ではトランプ政権が貿易戦争のエスカレートという破滅的な道を歩むのを容認することになる。大統領選の敗北も含めて、そのリスクを背負うのは大統領自身だという、明確なシグナルを発信することが必要だ」 --------
8/29 ラガルド・次期ECB総裁 「予見可能な将来において、極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることは明らかだ。導入する措置の適切な組み合わせは、インフレ見通しに影響する衝撃の性質や金融市場の状況次第ということになる」 --------
9/1 中国国営の新華社通信 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和