今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「サウジ石油施設攻撃を受け原油価格急騰」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • サウジの石油施設が攻撃されたことを受けて、ドル円は週明け月曜日の朝には107円50銭前後までドル安が進んだものの、NYではドルが買われた。108円18銭までドルが上昇し、結局「窓を埋めた」格好に。
  • ユーロドルは1.1035まで上昇したが、再び1.10を割り込む場面も。
  • 株式市場は反落。サウジの石油施設が攻撃を受けたことで地政学的リスクが高まり、ダウは9日ぶりに下落。他の主要指数も揃って下落。
  • 債券相場は反発。長期金利はやや低下し、1.84%台に。
  • 金は大幅に上昇。WTI原油価格も急騰し、一時は63ドル台まで買われ、62ドル台後半で引ける。
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9月NY連銀製造業景況指数 → 2.0
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ドル/円 107.78 〜 108.17
ユーロ/ドル 1.0994 〜 1.1035
ユーロ/円 118.68 〜 119.02
NYダウ −142.70 → 27,076.82ドル
GOLD +12.00 → 1,511.50ドル
WTI +8.05 → 62.90ドル
米10年国債 −0.049 → 1.847%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 独 独9月ZEW景況感指数
  • 米 8月鉱工業生産
  • 米 8月設備稼働率
  • 米 9月NAHB住宅市場指数
  • 米 FOMC(18日まで)
  • 米 企業決算 → アドビ、フェデックス

中東で再び緊張が高まっています。サウジアラビアの石油施設が攻撃されたことを受けて、昨日のNY原油先物市場では、WTI原油価格が急騰し、一時は63ドル台まで買われました。先週末の価格が54ドル台でしたので、1日の上昇幅としては記録的な上昇です。中東での地政学的リスクが高まったこともあり、ドル円は昨日のアジア市場で107円台半ばまでドル売りが進み、連騰を続けていたNYダウも昨日は9日ぶりに下落しています。

サウジへの攻撃は当初イエメンの武装勢力によるものと報じられていましたが、今朝の報道ではイラン製の武器が使用されたといった報道や、攻撃はイエメン以外からされたものだといったものもあり、イランの関与が強まっています。トランプ大統領とロウハニ・イラン大統領の会談が実現する可能性が高まっていた状況が、もしイランによる攻撃であるとすれば、実現は不可能でしょう。今のところトランプ氏は冷静な対応を見せてはいますが、「検証結果によっては臨戦態勢をとる」とツイートしています。またトランプ氏は、「われわれは犯人を知っているし、その理由もわかっている」とも述べています。

今回の攻撃でサウジアラムコのおよそ半分の施設が被害を受けたことで、原油市場では原油の供給が大幅に減少するとの見立てから原油価格は急騰しましたが、その他の金融・商品市場は比較的冷静な反応でした。ドル円は月曜日には「窓」を開け、円高方向で取引きが始まりましたが、その後のNY市場では108円台を回復し、「窓埋め」を完成させています。米債券市場でも、安全資産の債券が買われましたが、マネーが「債券から株式に」流れている中での出来事のせいか、リスク回避の株式売り、債券買いは限定的でした。今回の攻撃に対してサウジが反撃に出るか、米国が報復攻撃に出るといった状況にならない限り混乱は徐々に収まると、市場が受け止めているということでしょう。

中東の緊張もありますが、今日からはFOMCが開催され、明日には政策金利が発表されます。先週まで続いた株高の影響もあり、今回の利下げは25ベーシスで決まりと考えています。しかし、トランプ氏は引き続き金融当局に利下げ圧力をかけています。石油施設への攻撃に言及しながらも、「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ」とし、「そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」とツイートしています。(ブルームバーグ)

ドル円は107円台半ばまで売られたものの、再び108円台を回復し、底堅い動きを見せています。米長期金利の上昇が支えになっていると思われますが、先週は108円台に3回乗せましたが、108円25銭から上値には届いていません。107円台が堅いのか、あるいは、108円台前半が重いのか、難しい判断です。チャート上ではドルが上昇基調を強めています。しかし、レベルがレベルだけに、その流れに乗るにはややとまどいもあります。今週行われる日米金融政策を見極め、さらに20日には再開されると見られる米中通商協議の内容を確認しながらこまめに動く他ありません。本日のドル円は107円70銭〜108円50銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/16 トランプ大統領 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 --------
9/11 トランプ大統領 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 --------
9/6 パウエル・FRB議長 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 --------
9/4 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 --------
9/2 中国商務省 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 --------
9/1 中国国営の新華社通信 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 --------
8/29 ラガルド・次期ECB総裁 「予見可能な将来において、極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることは明らかだ。導入する措置の適切な組み合わせは、インフレ見通しに影響する衝撃の性質や金融市場の状況次第ということになる」 --------
8/27 ダッドリー・前NY連銀総裁 「利下げは2020年の大統領選でトランプ氏の再選を助けるようなもので、これを拒否するべきだ。このままの姿勢ではトランプ政権が貿易戦争のエスカレートという破滅的な道を歩むのを容認することになる。大統領選の敗北も含めて、そのリスクを背負うのは大統領自身だという、明確なシグナルを発信することが必要だ」 --------
8/26 トランプ大統領 「中国と交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう」 ドル円と株価急反発。
8/23 トランプ大統領 「われわれに中国は必要ない」「米国企業には中国からの生産移管を命じる」その後中国製品への関税率引き上げを発表。 ドル円106円台から105円台前半に。NYダウは623ドルの大幅下落。
8/23 パウエル・FRB議長 「金融政策は個人消費や設備投資に働きかける強力な手段だが、国際貿易のために確立された規則書にはならない」「政策対応の見本となるような先例がない」 --------
8/21 FOMC議事録 世界的な低調な成長見通しや通商政策を巡る不確実性の影響に対応し、そうした要因に伴う一段の下振れリスクに対する保険を掛け、さらにインフレ率が2%目標により速やかに戻るのを促進するため、政策決定に賛成票を投じたメンバーらは全体的な政策スタンスをより適切に位置づけることを目指した」「貿易を巡る不確実性が見通しへの根強い向かい風として留まり続ける」 --------
8/19 トランプ大統領 「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」 --------
8/14 トランプ大統領 「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。われわれは勝つだろう」 --------
8/14 ラード・セントルイス連銀総裁 「失業率は50年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセッションではない。よって、将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」 --------
8/8 トランプ大統領 「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない。他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」 --------
8/6 トランプ大統領 「(FRBの)無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるのに。いずれにせよ、われわれは勝利する。当局はより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない」 --------
8/5 ムニューシン財務長官 「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」米財務省が中国を為替操作国に認定したことについてコメント。 ドル円106円近辺から105円台半ばまで下落。
8/5 トランプ大統領 「為替操作だ。中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで押し下げた。これは<為替操作>と呼ばれる。Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる」 --------
8/5 中国人民銀行 「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場は今日7元を突破した」人民元安が進み、声明文で。 ドル円106円台半ばから105円台後半へ。日経平均株価500円を超える下落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和