「ドル円2週間ぶりに106円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は続落。2週間ぶりに107円を割り込み、106円96銭まで下落。 米経済指標が予想を下回り、ペロシ下院議長がトランプ大統領の弾劾尋問を開始するとしたことが材料に。
- ユーロドルは小幅に反発。ドルが売られたことで1.1024までユーロが買われる。
- 株式市場は大幅安に。民主党がトランプ氏に対する正式な弾劾尋問を開始するとしたことで、政治的リスクが意識された。ダウ142ドル売られ、他の主要指数も揃って下落。
- 債券相場は急伸。経済指標の悪化や政治的混迷が意識され、安全資産の債券が買われた。長期金利1.64%台まで急低下。
- 金は横ばい。原油価格は反落。
7月ケース・シラ−住宅価格指数 → 2.00%
7月FHFA住宅価格指数 → 0.4%
9月リッチモンド連銀製造業指数 → −9
9月消費者信頼感指数 → 125.1
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| ドル/円 | 106.96 〜 107.71 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0994 〜 1.1024 |
| ユーロ/円 | 117.88 〜 118.53 |
| NYダウ | −142.22 → 26,807.77ドル |
| GOLD | +0.12 → 1,531.75ドル |
| WTI | −1.84 → 56.80ドル |
| 米10年国債 | −0.081 → 1.646% |
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(7月29日、30日分)
- 米 8月新築住宅販売件数
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
- 米 日米首脳会談(国連)
ドル円は2週間ぶりに107円を割り込み、一時106円96銭までドル安が進みました。米長期金利は急低下し、1.64%台を記録しています。この日発表された経済指標が軟調で、特にカンファレンス・ボードが発表した9月の消費者マインドは「125.1」と、前月の「134.2」から大幅に悪化しています。低下幅は今年最大で、貿易戦争や世界の成長減速で不確実性が強まる中、消費者の市場に対する心理が大きく悪化していることを示しています。
また民主党がトランプ大統領に対する正式な弾劾尋問を開始するとの報道から、政治的な混乱を懸念する声が高まり、安全資産の債券に買いが集まり長期金利を押し下げています。ペロシ下院議長はこの問題で、「トランプ大統領はこれまで、著しい憲法違反の行動をしてきた。下院は正式な弾劾尋問を進める」とし、「トランプ大統領は説明責任を果たさなければならない。誰も法を免れない」と語っています。(ブルームバーグ)トランプ氏はこの民主党の動きに対して「魔女狩りだ」と非難しています。VIX指数は「17.05」近辺まで上昇し、円を買う動きにつながり、ドル円が売られ、リスク資産の株も下落しました。一方トランプ氏はこの日国連で演説を行い、各国にイランに対する圧力を強めるよう呼びかけ、イランに対する包囲網を強化するよう働きかけています。国連で重要な演説を行っている中で、自身の弾劾が正式に進められることに不満を漏らし、混乱の元になっているウクライナ大統領との電話会談の全記録を25日に公表するとしています。
イギリス最高裁判所は24日、ジョンソン首相による議会閉会は違法であるとの判断を下し、議会を可及的速やかに再開するよう求めました。この判決を受けてバーコウ下院議長は、「議会閉会を違法とした最高裁の判決を歓迎する」との声明を出しています。国連総会に出席するためイギリスを留守にしているジョンソン首相は、「強く反対するが、判決は尊重する」と述べています。10月末に期限の来るEU離脱問題は依然として混迷から抜け出せず、ジョンソン首相にとっても、逆風はまだ続きそうです。
108円台で底堅い動きを見せていたドル円はようやく方向性を見せ始めましたが、焦点は「日足」の雲を下抜けするかどうかという点です。106円台半ばを試すようなら、この水準を抜けることになりますが、106円台ではドル買い需要も見込まれることから、この数日間の動きに注目します。今年も残すところ3カ月となりました。ドル円がここから再び104円台を目指すのか、あるいは108円台を回復するのか、106円台半ばは、ちょうどその真ん中にあたります。年末から来年に向けての相場を予測する上でも、ここからの動きが重要です。本日のドル円は106円60銭〜107円60銭程度と予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/23 | ドラギ・ECB総裁 | 緩和措置を巡る一部の批判に対して、「ユーロ圏は多くの国から成る通貨同盟であるという状況から、これは特に重要だ。このような意思の表明は、ECBの決定の効果を損ねないよう注意して行うべきだ。この点は非常に重要だ」 | -------- |
| 9/19 | ピルズベリー・大統領アドバイザー | 「トランプ大統領には貿易戦争をエスカレートさせる選択肢はあるだろうか。答えはイエスだ。関税は引き上げることができる。低水準にある関税率は、50%ないし100%への引き上げが可能だ」 | ドル円108円台前半から107円84銭まで下落。 |
| 9/18 | トランプ大統領 | 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 | -------- |
| 9/18 | パウエル・FRB議長 | 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 | ドル円小幅に上昇市、株価も反発。 |
| 9/16 | トランプ大統領 | 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 | -------- |
| 9/11 | トランプ大統領 | 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 | -------- |
| 9/6 | パウエル・FRB議長 | 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 | -------- |
| 9/4 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 | -------- |
| 9/2 | 中国商務省 | 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 | -------- |
| 9/1 | 中国国営の新華社通信 | 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 | -------- |
| 8/29 | ラガルド・次期ECB総裁 | 「予見可能な将来において、極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることは明らかだ。導入する措置の適切な組み合わせは、インフレ見通しに影響する衝撃の性質や金融市場の状況次第ということになる」 | -------- |
| 8/27 | ダッドリー・前NY連銀総裁 | 「利下げは2020年の大統領選でトランプ氏の再選を助けるようなもので、これを拒否するべきだ。このままの姿勢ではトランプ政権が貿易戦争のエスカレートという破滅的な道を歩むのを容認することになる。大統領選の敗北も含めて、そのリスクを背負うのは大統領自身だという、明確なシグナルを発信することが必要だ」 | -------- |
| 8/26 | トランプ大統領 | 「中国と交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう」 | ドル円と株価急反発。 |
| 8/23 | トランプ大統領 | 「われわれに中国は必要ない」「米国企業には中国からの生産移管を命じる」その後中国製品への関税率引き上げを発表。 | ドル円106円台から105円台前半に。NYダウは623ドルの大幅下落。 |
| 8/23 | パウエル・FRB議長 | 「金融政策は個人消費や設備投資に働きかける強力な手段だが、国際貿易のために確立された規則書にはならない」「政策対応の見本となるような先例がない」 | -------- |
| 8/21 | FOMC議事録 | 世界的な低調な成長見通しや通商政策を巡る不確実性の影響に対応し、そうした要因に伴う一段の下振れリスクに対する保険を掛け、さらにインフレ率が2%目標により速やかに戻るのを促進するため、政策決定に賛成票を投じたメンバーらは全体的な政策スタンスをより適切に位置づけることを目指した」「貿易を巡る不確実性が見通しへの根強い向かい風として留まり続ける」 | -------- |
| 8/19 | トランプ大統領 | 「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」 | -------- |
| 8/14 | トランプ大統領 | 「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。われわれは勝つだろう」 | -------- |
| 8/14 | ラード・セントルイス連銀総裁 | 「失業率は50年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセッションではない。よって、将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」 | -------- |
| 8/8 | トランプ大統領 | 「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない。他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」 | -------- |
| 8/6 | トランプ大統領 | 「(FRBの)無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるのに。いずれにせよ、われわれは勝利する。当局はより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない」 | -------- |
| 8/5 | ムニューシン財務長官 | 「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」米財務省が中国を為替操作国に認定したことについてコメント。 | ドル円106円近辺から105円台半ばまで下落。 |
| 8/5 | トランプ大統領 | 「為替操作だ。中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで押し下げた。これは<為替操作>と呼ばれる。Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる」 | -------- |
| 8/5 | 中国人民銀行 | 「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場は今日7元を突破した」人民元安が進み、声明文で。 | ドル円106円台半ばから105円台後半へ。日経平均株価500円を超える下落。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



