「ドル円反発し107円台後半に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は反発。米中貿摩擦の緩和観測やトランプ大統領に対する弾劾の可能性は低いとの見方からドルが買われ、ドル円は107円88まで上昇。
- ユーロドルは水準を下げる。ドル買いユーロ売りに押され、1.0938までユーロ安が進む。
- 株式市場は反発し、前日の下落分を埋める。米中貿易問題の早期解決期待などが相場を押し上げダウは162ドル高。ナスダック、S&P500も揃って上昇。
- 債券相場は大幅に下落し、長期金利は前日の低下分を上回る1.73%台まで急上昇。
- 金は4日ぶりに大幅反落。原油は続落。
8月新築住宅販売件数 → 71.3万件
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| ドル/円 | 107.40 〜 107.88 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0938 〜 1.0988 |
| ユーロ/円 | 117.90 〜 118.20 |
| NYダウ | +162.94 → 26,970.71ドル |
| GOLD | −2.90 → 1,512.30ドル |
| WTI | −0.80 → 56.49ドル |
| 米10年国債 | +0.092 → 1.737% |
本日の注目イベント
- 日 黒田日銀総裁講演
- 独 独10月GFK消費者信頼感
- 欧 ユーロ圏8月マネーサプライ
- 欧 ECB経済報告
- 欧 ドラギ・ECB総裁講演
- 英 カーニー・BOE総裁講演
- 米 4−6月GDP(確定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 8月中古住宅販売件数成約指数
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
ドル円は反発して、107円台後半まで上昇しました。昨日の107円割れは一瞬のことで、再び107円台半ばから後半で推移すると見られます。米中貿易摩擦が緩和されるとの観測もあり、さらに前日バイデン氏の息子の会社を巡る問題で、ウクライナの大統領との電話会談の記録が公表され、両首脳が圧力はなかったと語ったことなどが材料視されました。株価が大幅に反発し、債券と金が売られ、さらに円も売られる展開でした。
米中通商協議についてトランプ大統領は「貿易合意はますます近づきつつある」とし、合意に至る「可能性は十分ある」と述べました。また、中国が牛肉や豚肉などの大量購入を始めるとも語っています。(ブルームバーグ)一方で、トランプ氏自身が以前にも述べていたように、「合意は2020年大統領選の翌日」と、最終的には合意を急ぐ考えはなく、今後も協議の中で不満や批判などが何度も繰り返されると見られ、その度に為替などの金融市場が右往左往させられる展開が予想されます。米大手JPモルガンのダイモンCEOも、「中国との合意は、米大統領選の前に実現することはない」との見方を示しています。
トランプ氏の弾劾を巡る問題では、米、ウクライナ両首脳が圧力はなかったと述べたものの、ペロシ下院議長は24日、トランプ大統領の正式な弾劾調査を開始すると発表しています。専門家の間では弾劾裁判のハードルは高く、弾劾でトランンプ氏を罷免するのは難しいとの見方を示し、クリントン元大統領の例を挙げています。2017年大統領就任直後に話題となった、過去のスキャンダルが再び蒸し返される可能性もありそうです。
ドル円は1日で元の水準を回復しています。107円半ば〜108円半ばのレンジを下抜けはしましたが、106円半ば〜108円半ばの、もう少しワイドなレンジで見れば、簡単にブレイクしそうもありません。106円台半ばには日足の「雲の下限」があり、強いサポートになっている印象です。昨日、英系大手銀行のセミナーに参加する機会があり、そこで同行FX部門のグローバルヘッドの相場見通しを聞くことができました。
ドル円ついては、今後下落する可能性はあるが、米金利が大きく下落しないことで、ドルがサポートされる展開を予想していました。今年末の予想は107円で、現時点の水準と余り変わりません。また今後のレンジについても、104−108円程度を予想していました。筆者は、「米金利が大きく下げなければ、ドルをサポートするのは分かる」として、「主要国でマイナス金利が定着し、相対的に米国債が投資対象として魅力を増す中、米国債が買われる以上金利低下圧力になると考えられるが、金利が下がらない理由は何か?」と質問したところ、「米景気は今後も堅調に推移し、景気が先進国の中でも堅調である以上、金融当局も利下げを続けることはない」という答えでした。
107円台後半まで反発したドル円ですが、108円台を回復できるかどうかが焦点になります。昨日の動きから、現時点では106円台でのドルショートは機能しないことが確認された格好でした。108円台半ばから上方に位置する「120日移動平均線」が突破できれば、もう一段のドル高も期待できそうですが、どうでしょう。本日のレンジは107円30円〜108円10銭程度を予想します。
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明日の「アナリストレポート」は都合によりお休みとさせて頂きます。ご愛読者の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/23 | ドラギ・ECB総裁 | 緩和措置を巡る一部の批判に対して、「ユーロ圏は多くの国から成る通貨同盟であるという状況から、これは特に重要だ。このような意思の表明は、ECBの決定の効果を損ねないよう注意して行うべきだ。この点は非常に重要だ」 | -------- |
| 9/19 | ピルズベリー・大統領アドバイザー | 「トランプ大統領には貿易戦争をエスカレートさせる選択肢はあるだろうか。答えはイエスだ。関税は引き上げることができる。低水準にある関税率は、50%ないし100%への引き上げが可能だ」 | ドル円108円台前半から107円84銭まで下落。 |
| 9/18 | トランプ大統領 | 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 | -------- |
| 9/18 | パウエル・FRB議長 | 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 | ドル円小幅に上昇市、株価も反発。 |
| 9/16 | トランプ大統領 | 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 | -------- |
| 9/11 | トランプ大統領 | 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 | -------- |
| 9/6 | パウエル・FRB議長 | 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 | -------- |
| 9/4 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 | -------- |
| 9/2 | 中国商務省 | 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 | -------- |
| 9/1 | 中国国営の新華社通信 | 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 | -------- |
| 8/29 | ラガルド・次期ECB総裁 | 「予見可能な将来において、極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることは明らかだ。導入する措置の適切な組み合わせは、インフレ見通しに影響する衝撃の性質や金融市場の状況次第ということになる」 | -------- |
| 8/27 | ダッドリー・前NY連銀総裁 | 「利下げは2020年の大統領選でトランプ氏の再選を助けるようなもので、これを拒否するべきだ。このままの姿勢ではトランプ政権が貿易戦争のエスカレートという破滅的な道を歩むのを容認することになる。大統領選の敗北も含めて、そのリスクを背負うのは大統領自身だという、明確なシグナルを発信することが必要だ」 | -------- |
| 8/26 | トランプ大統領 | 「中国と交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう」 | ドル円と株価急反発。 |
| 8/23 | トランプ大統領 | 「われわれに中国は必要ない」「米国企業には中国からの生産移管を命じる」その後中国製品への関税率引き上げを発表。 | ドル円106円台から105円台前半に。NYダウは623ドルの大幅下落。 |
| 8/23 | パウエル・FRB議長 | 「金融政策は個人消費や設備投資に働きかける強力な手段だが、国際貿易のために確立された規則書にはならない」「政策対応の見本となるような先例がない」 | -------- |
| 8/21 | FOMC議事録 | 世界的な低調な成長見通しや通商政策を巡る不確実性の影響に対応し、そうした要因に伴う一段の下振れリスクに対する保険を掛け、さらにインフレ率が2%目標により速やかに戻るのを促進するため、政策決定に賛成票を投じたメンバーらは全体的な政策スタンスをより適切に位置づけることを目指した」「貿易を巡る不確実性が見通しへの根強い向かい風として留まり続ける」 | -------- |
| 8/19 | トランプ大統領 | 「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」 | -------- |
| 8/14 | トランプ大統領 | 「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。われわれは勝つだろう」 | -------- |
| 8/14 | ラード・セントルイス連銀総裁 | 「失業率は50年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセッションではない。よって、将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」 | -------- |
| 8/8 | トランプ大統領 | 「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない。他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」 | -------- |
| 8/6 | トランプ大統領 | 「(FRBの)無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるのに。いずれにせよ、われわれは勝利する。当局はより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない」 | -------- |
| 8/5 | ムニューシン財務長官 | 「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」米財務省が中国を為替操作国に認定したことについてコメント。 | ドル円106円近辺から105円台半ばまで下落。 |
| 8/5 | トランプ大統領 | 「為替操作だ。中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで押し下げた。これは<為替操作>と呼ばれる。Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる」 | -------- |
| 8/5 | 中国人民銀行 | 「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場は今日7元を突破した」人民元安が進み、声明文で。 | ドル円106円台半ばから105円台後半へ。日経平均株価500円を超える下落。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



