「ドル円1週間ぶりに108円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は1週間ぶりに108円台を回復。中国に対する新たな規制が検討されているとの報道にも関わらずドル円は108円18銭まで上昇。ユーロドルでドル高が進んだことによる影響も。
- 前日2年4カ月ぶりの安値をつけたユーロドルは小幅に反発し、1.09台前半から半ばで推移。
- 株式市場は続落。トランプ政権が中国への投資規制を検討しているとの報道にダウは70ドル安。ナスダックも続落し、節目の8000を割り込む。
- 債券相場は続伸し、長期金利は1.68%台へと低下。
- 金は反落し、原油は続落。
8月個人所得 → 0.4%
8月個人支出 → 0.1%
8月PCEコアデフレータ → 1.8%
8月耐久財受注 → 0.2%
9月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 93.2
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| ドル/円 | 107.79 〜 108.18 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0927 〜 1.0959 |
| ユーロ/円 | 117.94 〜 118.47 |
| NYダウ | −70.87 → 26,820.25ドル |
| GOLD | −8.80 → 1,506.40ドル |
| WTI | −0.50 → 55.91ドル |
| 米10年国債 | −0.012 → 1.680% |
本日の注目イベント
- 日 8月鉱工業生産
- 中 9月製造業PMI
- 中 9月財新製造業PMI
- 独 独8月小売売上高
- 独 独9月失業率
- 独 独9月消費者物価指数(速報値)
- 英 英8月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏8月失業率
- 米 9月シカゴ購買部協会景気指数
ドル円は1週間ぶりに108円台を回復してきました。来週から再開される米中通商協議に楽観的な見方が出てくる一方、トランプ政権が中国へのポートフォリオ投資を規制する方法を協議しているとのブルームバーグの報道に警戒感も高まり、株式市場では売り優勢の展開も見られるなど、リスクに対する市場の反応に一方的な偏りは見られません。
今朝の報道では、米国との通商交渉担当チームを率いる劉鶴中国副首相が、10月8日以降に米国に向かうと、中国商務省が発表しています。また米国務省の報道官は28日、「米国の取引所に中国企業の上場を阻止する計画は今のところない」との見解を示し、前日、中国企業の米株式市場での上場廃止などを含む様々な措置を検討中と伝えたブルーバーグの記事に対してコメントしています。金曜日のNY株式市場ではこの記事に反応して代表的な中国銘柄である「アリババ」は5%を超える下げに見舞われています。
中国政府も、「中国は国内金融システムの競争力と活力を高めるため、質の高い双方向の金融開放の促進に向けて更なる措置を講じ、海外の金融機関や資金による本土金融市場への投資を奨励する」とのコメントを表明しています。ただ、「火のないところに煙はたたず」で、今後中国との通商協議が思ったほど進展しないようだと、トランプ政権が中国に対する規制を一段と強めてくるのは明らかで、今回のブルームバーグの報道もその「予告」であったとの見方もでき、来週にも始まると見られる通商協議を有利に持っていくための「戦略」と言えるかもしれません。
米中通商問題に加え、もう一つ市場の関心を集めているのがトランプ大統領の弾劾調査です。米下院情報特別委のシフ委員長は、トランプ大統領に対する正式な弾劾調査開始のきっかけとなる内部告発を行った人物から早急に話を聞く考えを示しています。シフ氏は、「われわれは証言を得る」とも述べています。先週のこの欄でもトランプ氏を弾劾で罷免するのはかなりハードルが高く、簡単ではないと記述しましたが、弾劾を免れたとしても、今後の事態の進展次第では2020年の大統領選にむけてマイナスになることは避けられないかもしれません。
先週末再び108円台を回復したドル円ですが、日足チャートでは「120日移動平均線」が近づいています。現在108円35銭前後にありますが、ここを抜けると、4月に記録した112円40銭を頂点に描くことが出来る「レジスタンス・ライン」も抜けることになります。108円台前半から半ばにかけてはドル売り注文も集まりやすく、売り圧力が強いゾーンではありますが、それでもチャートでは上昇傾向を示しているので、注意は必要です。本日の予想レンジは107円60銭〜108円40銭といったところでしょうか。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/23 | ドラギ・ECB総裁 | 緩和措置を巡る一部の批判に対して、「ユーロ圏は多くの国から成る通貨同盟であるという状況から、これは特に重要だ。このような意思の表明は、ECBの決定の効果を損ねないよう注意して行うべきだ。この点は非常に重要だ」 | -------- |
| 9/19 | ピルズベリー・大統領アドバイザー | 「トランプ大統領には貿易戦争をエスカレートさせる選択肢はあるだろうか。答えはイエスだ。関税は引き上げることができる。低水準にある関税率は、50%ないし100%への引き上げが可能だ」 | ドル円108円台前半から107円84銭まで下落。 |
| 9/18 | トランプ大統領 | 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 | -------- |
| 9/18 | パウエル・FRB議長 | 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 | ドル円小幅に上昇市、株価も反発。 |
| 9/16 | トランプ大統領 | 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 | -------- |
| 9/11 | トランプ大統領 | 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 | -------- |
| 9/6 | パウエル・FRB議長 | 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 | -------- |
| 9/4 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 | -------- |
| 9/2 | 中国商務省 | 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 | -------- |
| 9/1 | 中国国営の新華社通信 | 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 | -------- |
| 8/29 | ラガルド・次期ECB総裁 | 「予見可能な将来において、極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることは明らかだ。導入する措置の適切な組み合わせは、インフレ見通しに影響する衝撃の性質や金融市場の状況次第ということになる」 | -------- |
| 8/27 | ダッドリー・前NY連銀総裁 | 「利下げは2020年の大統領選でトランプ氏の再選を助けるようなもので、これを拒否するべきだ。このままの姿勢ではトランプ政権が貿易戦争のエスカレートという破滅的な道を歩むのを容認することになる。大統領選の敗北も含めて、そのリスクを背負うのは大統領自身だという、明確なシグナルを発信することが必要だ」 | -------- |
| 8/26 | トランプ大統領 | 「中国と交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう」 | ドル円と株価急反発。 |
| 8/23 | トランプ大統領 | 「われわれに中国は必要ない」「米国企業には中国からの生産移管を命じる」その後中国製品への関税率引き上げを発表。 | ドル円106円台から105円台前半に。NYダウは623ドルの大幅下落。 |
| 8/23 | パウエル・FRB議長 | 「金融政策は個人消費や設備投資に働きかける強力な手段だが、国際貿易のために確立された規則書にはならない」「政策対応の見本となるような先例がない」 | -------- |
| 8/21 | FOMC議事録 | 世界的な低調な成長見通しや通商政策を巡る不確実性の影響に対応し、そうした要因に伴う一段の下振れリスクに対する保険を掛け、さらにインフレ率が2%目標により速やかに戻るのを促進するため、政策決定に賛成票を投じたメンバーらは全体的な政策スタンスをより適切に位置づけることを目指した」「貿易を巡る不確実性が見通しへの根強い向かい風として留まり続ける」 | -------- |
| 8/19 | トランプ大統領 | 「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」 | -------- |
| 8/14 | トランプ大統領 | 「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。われわれは勝つだろう」 | -------- |
| 8/14 | ラード・セントルイス連銀総裁 | 「失業率は50年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセッションではない。よって、将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」 | -------- |
| 8/8 | トランプ大統領 | 「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない。他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」 | -------- |
| 8/6 | トランプ大統領 | 「(FRBの)無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるのに。いずれにせよ、われわれは勝利する。当局はより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない」 | -------- |
| 8/5 | ムニューシン財務長官 | 「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」米財務省が中国を為替操作国に認定したことについてコメント。 | ドル円106円近辺から105円台半ばまで下落。 |
| 8/5 | トランプ大統領 | 「為替操作だ。中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで押し下げた。これは<為替操作>と呼ばれる。Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる」 | -------- |
| 8/5 | 中国人民銀行 | 「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場は今日7元を突破した」人民元安が進み、声明文で。 | ドル円106円台半ばから105円台後半へ。日経平均株価500円を超える下落。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



