「ユーロドル2年5カ月ぶりの安値に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京時間では107円台後半まで押し戻されたドル円は再び108円台に乗せ、108円18銭までドル高に。
- ユーロドルは続落。ドイツのCPIが低調だったことからユーロ売りが強まり、1.0885までユーロ安が進む。
- 株式市場は揃って反発。米政府高官が中国企業の米国での上場廃止を巡る報道を否定したことが好感された。ダウは3日ぶりとなる96ドル高で引ける。
- 債券相場は続伸。長期金利は小幅に低下し1.66%台に。
- 金は33ドル安と大幅に下落。ドルが買われたことが背景だが節目の1500ドルを大きく割り込む。原油は続落。
9月シカゴ購買部協会景気指数 → 47.1
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| ドル/円 | 107.93 〜 108.18 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0885 〜 1.0914 |
| ユーロ/円 | 117.54 〜 117.95 |
| NYダウ | +96.58 → 26,916.83ドル |
| GOLD | −33.50 → 1,472.90ドル |
| WTI | −1.84 → 54.07ドル |
| 米10年国債 | −0.016 → 1.665% |
本日の注目イベント
- 豪 豪8月住宅建設許可件数
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 日 8月失業率
- 日 7−9月期日銀短観
- 独 独9月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏9月消費者物価指数(速報値)
- 米 9月ISM製造業景況指数
- 米 9月自動車販売台数
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 ボウマン・FRB理事講演
ドル円は、昨日の東京時間では上値が重く107円台後半で推移していましたが、NY市場では再び108円台に乗せ、先週末と同じ水準となる108円18銭までドル高が進みました。今回も、震源地はユーロドルです。ドイツの9月CPIが市場予想を下回ったことで、ECBが追加の緩和に動くとの見立てから「ユーロ売り・ドル買い」が強まり、ユーロドルは2017年5月以来となる1.0885までユーロ安が進みました。この動きがドル円にも波及し、「ドル買い・円売り」が優勢となったと見られます。
ドラギECB総裁はFTとのインタビューで、「金利や資産買い入れ、フォワードガイダンスまで全ての措置を調整する用意がる」と強調し、現在の金融緩和は「財政政策からの支援がなければ、長期にわたり続く可能性がある」(ブルームバーグ)と述べ、政府による財政出動が必要との認識を示し、この取り組みを財政出動で支援するようユーロ圏加盟国にあらためて呼びかけています。ただ、ドラギ総裁は今月末で任期を終えるため、加盟国に対してどこまで影響力が及ぶかは不透明です。ドラギ氏が議長を勤める最後の理事会は今月24日に開催されます。
香港の民主化運動が再び強まる中、中国は本日建国70周年を迎え、軍事パレードや習近平主席の演説が予定されています。習主席は前日、国家としての団結を強調し、香港と中国本土の関係は改善すると表明しましたが、香港でのデモはさらに激化している模様で、本日の演説も注目されます。金融市場への影響は今のところほとんどありませんが、トランプ大統領に対する弾劾調査は静かに進行しているようです。大統領弾劾を調査する下院情報特別委員会は、トランプ氏の個人弁護士である、ジュリアーニ元NY市長に対し召喚状を送付し、今月15日までに資料の提出を求めています。また、疑惑の焦点であるウクライナ大統領との電話会談には、ポンペオ国務長官も参加していたとWSJ紙が報じています。こちらも今後の成り行きを注目したいと思います。
最後は「BREXIT」です。今月末で期限の来るEUからの離脱を巡り、ジョンソン英首相は、最終的なEU離脱プランの詳細を24時間以内にEU首脳に提示する見通しだと、英紙テレグラフが報じたようです。合意なき離脱も辞さないとするジョンソン首相はEUからの同意も得られず、議会でも不利な立場にいます。残された時間が限られる中、どのような案を提示するのか、見ものです。
今朝の日経朝刊1面に「GPIF、外債投資拡大へ」と見出しがあります。世界最大規模の運用資金を誇るGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)が外債に振り向ける資金を増やすということは「ドル高要因」です。ただ記事では、国内債券の運用比率が低下していることから、外債を購入し、それにヘッジをかけることで「国内債扱い」にすれば、その運用枠を使えるというもののようです。米国債であれば、円でドルを買い、そのドルで米国債を購入することになりますが、同時に先物でドルを売り、ヘッジすることで為替差損を避けるという手法です。従って、為替市場に与える影響はニュートラルです。先物でヘッジと言っても、実際には直物(スポット)でドルを売り、その後に「Buy and Sell」のスワップを組むことになります。厳密に言えば、金利部分も含めてヘッジをかけるのであれば、むしろ「ドル安要因」になると言えます。
本日のドル円は108円台を維持出来るのかどうかという点に注目です。先週金曜日から108円台前半は3度示現しています。滞留時間は短いですが、108円台前半でのドル売り予約を終えていれば、もう一段のドル高水準を狙いたくなるのが、人情です。ドル売り注文が少ないようだと、108円台を維持しながら推移することもないとは言えません。本日の予想は107円70銭〜108円40銭といったところでしょうか。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/30 | ドラギ・ECB総裁 | 「(金融緩和は)財政政策からの支援がなければ、長期にわたり続く可能性がある」 | -------- |
| 9/23 | ドラギ・ECB総裁 | 緩和措置を巡る一部の批判に対して、「ユーロ圏は多くの国から成る通貨同盟であるという状況から、これは特に重要だ。このような意思の表明は、ECBの決定の効果を損ねないよう注意して行うべきだ。この点は非常に重要だ」 | -------- |
| 9/19 | ピルズベリー・大統領アドバイザー | 「トランプ大統領には貿易戦争をエスカレートさせる選択肢はあるだろうか。答えはイエスだ。関税は引き上げることができる。低水準にある関税率は、50%ないし100%への引き上げが可能だ」 | ドル円108円台前半から107円84銭まで下落。 |
| 9/18 | トランプ大統領 | 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 | -------- |
| 9/18 | パウエル・FRB議長 | 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 | ドル円小幅に上昇市、株価も反発。 |
| 9/16 | トランプ大統領 | 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 | -------- |
| 9/11 | トランプ大統領 | 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 | -------- |
| 9/6 | パウエル・FRB議長 | 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 | -------- |
| 9/4 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 | -------- |
| 9/2 | 中国商務省 | 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 | -------- |
| 9/1 | 中国国営の新華社通信 | 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 | -------- |
| 8/29 | ラガルド・次期ECB総裁 | 「予見可能な将来において、極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることは明らかだ。導入する措置の適切な組み合わせは、インフレ見通しに影響する衝撃の性質や金融市場の状況次第ということになる」 | -------- |
| 8/27 | ダッドリー・前NY連銀総裁 | 「利下げは2020年の大統領選でトランプ氏の再選を助けるようなもので、これを拒否するべきだ。このままの姿勢ではトランプ政権が貿易戦争のエスカレートという破滅的な道を歩むのを容認することになる。大統領選の敗北も含めて、そのリスクを背負うのは大統領自身だという、明確なシグナルを発信することが必要だ」 | -------- |
| 8/26 | トランプ大統領 | 「中国と交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう」 | ドル円と株価急反発。 |
| 8/23 | トランプ大統領 | 「われわれに中国は必要ない」「米国企業には中国からの生産移管を命じる」その後中国製品への関税率引き上げを発表。 | ドル円106円台から105円台前半に。NYダウは623ドルの大幅下落。 |
| 8/23 | パウエル・FRB議長 | 「金融政策は個人消費や設備投資に働きかける強力な手段だが、国際貿易のために確立された規則書にはならない」「政策対応の見本となるような先例がない」 | -------- |
| 8/21 | FOMC議事録 | 世界的な低調な成長見通しや通商政策を巡る不確実性の影響に対応し、そうした要因に伴う一段の下振れリスクに対する保険を掛け、さらにインフレ率が2%目標により速やかに戻るのを促進するため、政策決定に賛成票を投じたメンバーらは全体的な政策スタンスをより適切に位置づけることを目指した」「貿易を巡る不確実性が見通しへの根強い向かい風として留まり続ける」 | -------- |
| 8/19 | トランプ大統領 | 「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」 | -------- |
| 8/14 | トランプ大統領 | 「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。われわれは勝つだろう」 | -------- |
| 8/14 | ラード・セントルイス連銀総裁 | 「失業率は50年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセッションではない。よって、将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」 | -------- |
| 8/8 | トランプ大統領 | 「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない。他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」 | -------- |
| 8/6 | トランプ大統領 | 「(FRBの)無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるのに。いずれにせよ、われわれは勝利する。当局はより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない」 | -------- |
| 8/5 | ムニューシン財務長官 | 「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」米財務省が中国を為替操作国に認定したことについてコメント。 | ドル円106円近辺から105円台半ばまで下落。 |
| 8/5 | トランプ大統領 | 「為替操作だ。中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで押し下げた。これは<為替操作>と呼ばれる。Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる」 | -------- |
| 8/5 | 中国人民銀行 | 「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場は今日7元を突破した」人民元安が進み、声明文で。 | ドル円106円台半ばから105円台後半へ。日経平均株価500円を超える下落。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



