「米失業率50年ぶりの低水準」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 雇用統計発表後に107円台を回復し、107円13銭までドルが買われた。その後は107円前後で一進一退の展開となり、106円台後半で越週。
- ユーロドルも発表直後に1.10までユーロ高が進んだがその後は1.09台後半でもみ合う。
- 株式市場は3市場とも揃って大幅反発。9月の雇用統計の内容がさほど悪化しておらず、米景気もそれほど悪くはないとの見方からダウは372ドル高で取り引きを終える。
- 債券相場はほぼ横ばい。長期金利は1.529%前後で推移。
- 金は小幅に下落。原油は9日ぶりに反発。
9月失業率 → 3.5%
9月非農業部門雇用者数 → 13.6万人
9月平均時給 (前月比) → 0.0%
9月平均時給 (前年比) → 2.9%
9月労働参加率 → 63.2%
9月貿易収支 → −549億ドル
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| ドル/円 | 106.55 〜 107.13 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0958 〜 1.1000 |
| ユーロ/円 | 117.17 〜 117.49 |
| NYダウ | +372.68 → 26,573.72ドル |
| GOLD | −0.90 → 1,512.90ドル |
| WTI | +0.36 → 52.81ドル |
| 米10年国債 | −0.005 → 1.529% |
本日の注目イベント
- 日 9月景気先行指数(CI)(速報値)
- 中 中国8月外貨準備高
- 独 独8月製造業新規受注
- 米 8月消費者信用残高
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
ドル円は先週末、9月の米雇用統計を受けて107円台を回復したものの勢いはなく、106円台後半で一進一退の展開でした。9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数と賃金は市場予想を下回ったものの、失業率が3.5%と、実に50年ぶりの低水準を記録しました。また8月分の雇用者数が13.0万人から16.8万人に、7月分も15.9万人から16.6万人にそれぞれ上方修正され、労働市場は引き続き堅調で、「米景気はそれほど悪くはない」といった見方が強まりました。株式市場はこの結果を好感し、ダウは372ドル上昇し、他の主要指数も揃って買われ、ほぼ全面高の様相でした。
もっとも、これまでに発表を終えたISM製造業や非製造業、それにADP雇用者数の指標が予想を大きく下回っていたことから、市場には「雇用統計も悪いだろう」といったマイナス方向のバイアスが掛かっていたことも作用した印象です。この日はワシントンでパウエル議長の講演もあり、議長は米景気について「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」と述べ、雇用統計の結果についても、「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している」と指摘し、「われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」と語っています。(ブルームバーグ)
労働市場が引き続き拡大基調にあることが確認されたことで、今月末に開催されるFOMCでの利下げ確率はやや低下しています。またブルームバーグは、米経済が現在良好に推移しているため、過去2回のFOMCで利下げに反対票を投じてきたカンザスシティー連銀のジョージ総裁が、「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」と述べたことを伝えています。
今朝のドル円は、先週末のNY市場の引け値よりも、円高方向で取引が始まり「窓明け」を見せています。これは、中国側が貿易交渉の合意には消極的な姿勢を示していることが報じられたことが主因となっています。過去数週間に北京を訪問した米当局者との会合で、中国高官は同国が議論したい問題の範囲はかなり狭まっていると示唆し、劉鶴中国副首相は米国側の要人に対し、中国の産業政策や政府補助金の改革に関するコミットメントを盛り込まない提案を行うと、関係者の話として伝えています。(ブルームバーグ)米中閣僚級協議は今週10日からワシントンで再開される予定ですが、トランプ大統領はこの協議に対する楽観的な見方を何度も示していますが、まだまだ合意には程遠いというのが事実のようです。
毎月初旬に発表される重要経済指標を終え、市場の関心は上記米中通商協議のなり行きに移ります。今月はそれ以降もトランプ大統領の弾劾調査問題やBREXITもあり、さらに日米欧の金融政策発表も控えています。これまでの、107−109円のレンジが1円ほど下方に修正されたように見えますが、米景気がどこまで粘り腰を見せるのかが基本になろうかと思います。本日のドル円は106円40銭〜107円30銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀 | 「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」 | -------- |
| 10/4 | パウエル・FRB議長 | 「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している。われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」 | -------- |
| 9/30 | ドラギ・ECB総裁 | 「(金融緩和は)財政政策からの支援がなければ、長期にわたり続く可能性がある」 | -------- |
| 9/23 | ドラギ・ECB総裁 | 緩和措置を巡る一部の批判に対して、「ユーロ圏は多くの国から成る通貨同盟であるという状況から、これは特に重要だ。このような意思の表明は、ECBの決定の効果を損ねないよう注意して行うべきだ。この点は非常に重要だ」 | -------- |
| 9/19 | ピルズベリー・大統領アドバイザー | 「トランプ大統領には貿易戦争をエスカレートさせる選択肢はあるだろうか。答えはイエスだ。関税は引き上げることができる。低水準にある関税率は、50%ないし100%への引き上げが可能だ」 | ドル円108円台前半から107円84銭まで下落。 |
| 9/18 | トランプ大統領 | 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 | -------- |
| 9/18 | パウエル・FRB議長 | 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 | ドル円小幅に上昇市、株価も反発。 |
| 9/16 | トランプ大統領 | 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 | -------- |
| 9/11 | トランプ大統領 | 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 | -------- |
| 9/6 | パウエル・FRB議長 | 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 | -------- |
| 9/4 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 | -------- |
| 9/2 | 中国商務省 | 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 | -------- |
| 9/1 | 中国国営の新華社通信 | 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



