「ドル円一時108円台を回復」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は米中通商協議への楽観的な見方が強まり一時108円台を回復。トランプ大統領が中国の劉鶴副首相と会うとツイートしたことで協議の進展期待が強まった。
- ユーロドルは反発。ECBのQE観測が弱まり、ユーロ買いドル売りに1.1033までユーロ高が進む。ユーロは対円でも9月20日以来となる118円台後半まで上昇。
- 米中通商協議を巡る好材料に株価は続伸。ダウは150ドルを超える上昇。他の主要指数も揃って続伸。
- 債券相場はリスクオンの流れが強まり続落。長期金利は1.66%台へと大幅上昇。
- 金は反落し、原油は4日ぶりに反発。
9月消費者物価指数 → 0.0%
新規失業保険申請件数 → 21.0万人
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| ドル/円 | 107.37 〜 108.02 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1003 〜 1.1033 |
| ユーロ/円 | 118.43 〜 118.94 |
| NYダウ | +150.66 → 26,496.67ドル |
| GOLD | −11.90 → 1,500.90ドル |
| WTI | +0.96 → 53.55ドル |
| 米10年国債 | +0.084 → 1.668% |
本日の注目イベント
- 独 独9月消費者物価指数(改定値)
- 欧 国際エネルギー機関(IEA)月報
- 米 9月輸入物価指数
- 米 10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 加 カナダ9月就業者数
- 加 カナダ9月失業率
引き続き錯綜する米中通商協議を巡る情報に振らされる相場が続いています。昨日の東京時間朝方には、香港紙が「次官級協議では進展がなかった」と伝えたことから、ドル円は107円近くまで売られましたがそこから切り返し、今度は15日発動予定の「中国製品に対する30%の関税賦課を延期する可能性がある」との一部報道に、107円80銭前後までドルが急進。さらにNY時間には、トランプ政権が中国のファーウェイに対し、機密保持の必要性の低い製品を供給するライセンスを一部米国企業に与える方針だとの報道に、欧州時間では下落していたドルが再び上昇。トランプ氏が劉鶴副首相と会うとツイートしたことで108円台までドル高が進む展開でした。
トランプ氏は、「中国との交渉において重要な日だ。彼らは取引を望んでいるが、私はどうだろうか。私は明日、ホワイトハウスで副首相に会う」とツイートしています。また、初日の協議についても、「非常にうまく行った」述べ、「われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」と、記者団に話しています。ただ、米中は共に、まずは部分的な合意を取りまとめ、双方の立場に大きな開きがある問題はその後に議論することにしているように見受けられる。(ブルームバーグ)との見方もあり、トランプ氏の口からは15日発動予定の関税引き上げについては言及がありません。米中協議に楽観的な見方が急速に強まり、各金融市場ではリスクオンの流れに傾いていますが、まだ予断は許しません。協議は日本時間明日の朝方に終える予定ですが、ワシントン時間土曜日にトランプ氏が突然想定外の発言を行い、翌週の月曜日には市場が大混乱したことは記憶に新しいところです。安心仕切るのはまだ早いでしょう。
昨日はBREXITに関しても進展がありました。ジョンソン英首相とアイルランドのバラッカー首相はEUからの離脱条件の合意へ「筋道」が見えるとの見解で一致しました。両首相はイングランド北西部で1対1の会談を行い、会談は2時間半に及びました。声明では、両国ともに「離脱合意を成立させることがあらゆる関係者の利益にかなうと引き続き確信している」と言明し、「合意への道筋が見込めるとの点で一致した」と述べています。この声明を受けてポンド円は131円台前半から2円ほど上昇しています。
ドル円は一時は108円台まで乗せましたが、この水準には「120日移動平均線」があり、前回10月1日にも上昇を抑えられた経緯があります。昨日もこの水準で一旦上昇が止まっており、市場参加者が意識している証かと思います。先ずはこの水準を抜けるかどうかが注目され、抜けたら今度はさらに重要なレジスタンスである108円台半ばが抜けるかどうかが焦点です。この水準を抜けば、ドルが上昇トレンドに弾みをつける可能性があると予想しています。108円〜108円台半ばにはドル売り注文が集まっていることは想像に難くありません。従って、それらの売り注文をこなすだけの材料が必要です。一方で、その水準を超えた所には「ストップロスのドル買い」もあると見られ、抜けると以外に上昇が早い可能性もあります。全てはワシントンでの協議次第です。本日のドル円は107円50銭〜108円50銭といったところでしょうか。
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ますます盛り上がる「ラグビーワールドカップ2019」。日本は先週、予想通りサモアを破り、プールAで首位に立っています。残るは13日に予定されているスコットランド戦ですが、スコットランドに勝ったアイルランドに日本が勝利していることから、「ひょっとしたら、ひょっとする」かもしれません。そして現時点でも決勝トーナメントにいける可能性は高いと思われますが、そうなると当初の目標である「ベスト8」です。もしスコットランドに勝てばプールAの首位として、プールBの南アフリカと戦う可能性が高く、それに勝てば「ベスト4」・・・・夢は尽きません。ただそのスコットランド、9日にはロシアに61−0と、圧勝しており、勝つのは簡単では ありません。「シズオカ・ショック」の再現があるのか・・・・。
ラグビーのおもしろさの一つに、あれだけ厳しい戦いを繰り広げても、試合が終われば「ノーサイド」です。お互いに相手を褒め称える姿は見ていて清々しさを覚えます。米中貿易戦争も、明日「ノ−サード」を迎えるのか・・・?少なくともラフプレーでの「シンビン」は避けたいところです。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/10 | トランプ大統領 | 米中貿易協議について、「非常にうまく行った。われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」 | ドル円107円80銭から108円台を回復。 |
| 10/8 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「さらなる保険として、25ベーシスポイント引き下げる根拠は十分ありそうだ」 | -------- |
| 10/6 | ジョンソン・英首相 | 「われわれは荷物をまとめて出て行くことになるだろう。EUが相互に受け入れ可能な合意の下でわれわれを陽気に見送るか、われわれが勝手に出て行かざるを得ないか、それだけの問題だ」(英紙テレグラフで) | -------- |
| 10/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀 | 「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」 | -------- |
| 10/4 | パウエル・FRB議長 | 「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している。われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」 | -------- |
| 9/30 | ドラギ・ECB総裁 | 「(金融緩和は)財政政策からの支援がなければ、長期にわたり続く可能性がある」 | -------- |
| 9/23 | ドラギ・ECB総裁 | 緩和措置を巡る一部の批判に対して、「ユーロ圏は多くの国から成る通貨同盟であるという状況から、これは特に重要だ。このような意思の表明は、ECBの決定の効果を損ねないよう注意して行うべきだ。この点は非常に重要だ」 | -------- |
| 9/19 | ピルズベリー・大統領アドバイザー | 「トランプ大統領には貿易戦争をエスカレートさせる選択肢はあるだろうか。答えはイエスだ。関税は引き上げることができる。低水準にある関税率は、50%ないし100%への引き上げが可能だ」 | ドル円108円台前半から107円84銭まで下落。 |
| 9/18 | トランプ大統領 | 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 | -------- |
| 9/18 | パウエル・FRB議長 | 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 | ドル円小幅に上昇市、株価も反発。 |
| 9/16 | トランプ大統領 | 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 | -------- |
| 9/11 | トランプ大統領 | 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 | -------- |
| 9/6 | パウエル・FRB議長 | 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 | -------- |
| 9/4 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 | -------- |
| 9/2 | 中国商務省 | 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 | -------- |
| 9/1 | 中国国営の新華社通信 | 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



