「英、離脱条件でEUと合意」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は底堅く推移し、欧州時間には108円94銭近辺までドル高が進む。米経済指標がおおむね予想を下回ったことや、英国とEUが離脱案で合意したことによる、ポンド買いドル売りの影響もあり108円台半ばまで押し戻される。
- ユーロドルはBREXITの進展から続伸。1.1132までユーロ高が進む。ユーロ円も約3カ月ぶりに121円台を示現。
- 株式市場は英国とEUと離脱案合意を好感して反発。ダウは23ドル上昇し、ナスダック指数も32ポイント高。
- 債券相場は反落。長期金利は前日の水準を超え、1.75%台まで上昇。
- 金と原油は続伸。
9月住宅着工件数 → 125.6万件
9月建設許可件数 → 138.7万件
10月フィラデルフィア連銀景況指数 → 5.6
新規失業保険申請件数 → 21.万件
9月鉱工業生産 → −0.4%
9月設備稼働率 → 77.5%
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| ドル/円 | 108.46 〜 108.77 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1102 〜 1.1132 |
| ユーロ/円 | 119.73 〜 121.09 |
| NYダウ | +23.90 → 27,025.88ドル |
| GOLD | +4.30 → 1,498.30ドル |
| WTI | +0.57 → 53.93ドル |
| 米10年国債 | +0.012 → 1.752% |
本日の注目イベント
- 日 9月消費者物価指数
- 中 7−9月GDP
- 中 中国9月小売売上高
- 中 中国9月鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏8月経常収支
- 米 9月景気先行指標総合指数
- 米 対EU報復関税発動
- 米 企業決算 → アメックス、コカコーラ
英国のEU離脱期限である10月末まで2週間を切った昨日、離脱条件を巡り英国とEU側が合意に達したというニュースが飛び込んできました。ただ、離脱協定案は英国議会で承認を得る必要があり、北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)は支持できないとしており、英議会で承認されるかどうかは依然不透明です。
ブルームバーグよると、DUPの不支持で議会での可決はかなり厳しいものになると見られ、ジョンソン首相が10月31日の秩序ある離脱を実現させるには、19日に予定されている採決で協定案に議会の承認を得なければならないとされています。DUPの党関係者3人は、同党議員は賛成票を投じないと述べており、北アイルランドと英国本土の間で税関検査が行われることなどに不満を表明しています。また、ジョンソン首相は7月の就任以来、一連の重要な採決では敗北が続き、下院で過半数も持っていないことから、承認を得られるかどうかは最後まで分かりません。ポンドドルはこの発表を受け、1.28近辺から200ポイント近く上昇しましたが、その後上述のように、英議会での承認が不透明だとの見方が広がり、元の水準に押し戻され、結局「往って来い」の展開でした。ユンケル欧州委員長は合意について、「満足だが、英国の離脱は残念だ」と述べていました。
先週の米中閣僚級協議で部分合意した通商問題は、11月にチリで開かれるAPEC首脳会議まで新たな進展はないものと思われますが、米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は、CNBCに対して、懐疑派の見方も尊重すると述べた上で、「勢いがあり、米中両国の合意がある」「それほど悲観的になるべきではない」と語っています。トランプ大統領は、APECでの首脳会議前に自身と習近平氏との署名はないだろうと述べています。
2020年米大統領選の民主党候補指名争いが活発になってきました。現時点では、バイデン氏、サンダース氏、それに女性候補のウォーレン氏が有力と見られますが、その中でもエリザベス・ウォーレン氏に勢いがあるようです。今朝のブルームバーグは候補者の選挙資金に関する情報を伝えています。連邦選挙委員会(FEC)が15日に公表した資料によると、バイデン氏が7−9月に選挙運動に投じた資金は1170万ドル(約19億2400万円)と、同氏がこれまで調達した資金を190万ドルを上回ったようです。有力候補が今の段階で資金が不足しているケースは珍しいと報じています。バイデン氏に残された手持ち資金は900万ドルを割り込んでおり、支持率上位5人の候補者の中で最も少ないようです。因みに、ウォーレン氏の手持ち資金はバイデン氏よりも1670万ドル多く、サンダース氏は2470万ドルも多いと伝えています。米大統領選には、途方もない資金が必要とされることは良く知られていますが、こうなると、トランプ氏が圧倒的に有利に思えてなりません。なにしろ、トランプ氏はフロリダのパームビーチに1万平方メートルの別荘地「マールアラーゴ」を所有しているほどです。
ドル円は先週金曜日に108円台を回復して以来、一度も108円を割り込んでいません。上値は109円前後にある「200日の移動平均線」が意識されているためか、一気に上昇する気配ではありませんが、足元の動きを見る限り、108円台を固めているようにも見えます。また、テクニカル的にも上値を試すモメンタムになっていると見られます。今週水曜日の日経新聞は、ドル円の理論値は「108円30銭」と報じていました。この辺りが、居心地がいいということでしょうか。本日のドル円は108円10銭〜109円程度を予想します。材料はやはり、明日のイギリス議会でしょうか。来週月曜日の「窓開け」には注意が必要です。
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筆者がメインの情報源として利用しているブルームバーグのニュースに、毎日「デイブレーク」という配信記事があります。今週15日にはその中にこんなコラムがありました。
11歳の少女、グレース・ベデルは米国の初代大統領になったリンカーンに、ひげを生やすよう勧める手紙を書いたそうです。「女性はみんな、ひげが好き。そうすれば、あなたに投票するよう、だんなさんにせがむと思う」と、ひげの効果を強調したものです。リンカーンは返信で、「ひげについてですが、今までやはしたことがありません。今から生やしたら、おかしいとみな思わないでしょうか」とつづり、少女の提案を渋ったそうです。大統領選に勝利した後、リンカーンはワシントンに向かう途中、少女の地元近くに立ち寄り、群衆の中にいたグレースを見つけ彼女の頬にキスをし、そのひげで頬をくすぐったそうです。
この少女の提案がなければ、あのひげのリンカーンは生まれなかったし、「人民の、人民による・・・・」という、あの名言もなかったかもしれません。この手紙を書いたのが1860年10月15日だそうです。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/15 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「今後の会合で追加の保険を検討する必要がある」 | -------- |
| 10/15 | ギータ・ゴピナート・IMFチーフエコノミスト | 「減速の同時発生と不確かな回復に伴い、グローバルな見通しはなお不安定だ。政策ミスの余地はなく、政策担当者が貿易摩擦を地政学的緊張の緩和で協調することが急務だ」 | -------- |
| 10/10 | トランプ大統領 | 米中貿易協議について、「非常にうまく行った。われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」 | ドル円107円80銭から108円台を回復。 |
| 10/8 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「さらなる保険として、25ベーシスポイント引き下げる根拠は十分ありそうだ」 | -------- |
| 10/6 | ジョンソン・英首相 | 「われわれは荷物をまとめて出て行くことになるだろう。EUが相互に受け入れ可能な合意の下でわれわれを陽気に見送るか、われわれが勝手に出て行かざるを得ないか、それだけの問題だ」(英紙テレグラフで) | -------- |
| 10/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀 | 「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」 | -------- |
| 10/4 | パウエル・FRB議長 | 「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している。われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」 | -------- |
| 9/30 | ドラギ・ECB総裁 | 「(金融緩和は)財政政策からの支援がなければ、長期にわたり続く可能性がある」 | -------- |
| 9/23 | ドラギ・ECB総裁 | 緩和措置を巡る一部の批判に対して、「ユーロ圏は多くの国から成る通貨同盟であるという状況から、これは特に重要だ。このような意思の表明は、ECBの決定の効果を損ねないよう注意して行うべきだ。この点は非常に重要だ」 | -------- |
| 9/19 | ピルズベリー・大統領アドバイザー | 「トランプ大統領には貿易戦争をエスカレートさせる選択肢はあるだろうか。答えはイエスだ。関税は引き上げることができる。低水準にある関税率は、50%ないし100%への引き上げが可能だ」 | ドル円108円台前半から107円84銭まで下落。 |
| 9/18 | トランプ大統領 | 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 | -------- |
| 9/18 | パウエル・FRB議長 | 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 | ドル円小幅に上昇市、株価も反発。 |
| 9/16 | トランプ大統領 | 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 | -------- |
| 9/11 | トランプ大統領 | 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 | -------- |
| 9/6 | パウエル・FRB議長 | 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 | -------- |
| 9/4 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 | -------- |
| 9/2 | 中国商務省 | 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 | -------- |
| 9/1 | 中国国営の新華社通信 | 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



