今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2009年3月31日(火)




おはようございます。

作家の村上春樹氏がこの2月イスラエルで同国の文学賞「エルサレム賞」を

受賞した際講演した内容を読みました。

タイトルが「壁と卵」です。

壁とは社会のシステム(体制)で卵は弱い人間を比喩したものですが。

氏は壁がどんなに強固でも高くてもぶつかって壊れる卵の側に立ちます。

とスピーチを締めくくり、盛んな拍手を受けました。

パレスチナ問題が大きく動いていたこの時期、氏はこの賞を

受けるべきかどうかずいぶん悩んだそうです。

そして賞を受けにイスラエルに来た理由を氏は、

「あまりに多くの人が(行くのはよしたほうがいい)と言ったからです。」

と説明しています。

一人の作家として見事な決断だったと思います。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • アジア、欧州市場の流れを受けドル円は96円半ばでオープン。欧州市場で一時95円95銭 まで売られたドルでしたが、NYではややドル高の展開に。
  • S&Pがハンガリーとアイルランドの信用格付けを引き下げたこともあり、ユーロドルは 大きく売られ一時1.32割れ、ユーロ円も126円台前半までユーロが下落。
  • オバマ大統領は「GM,クラースラー」に対して追加支援の見返りとして、再建計画の 見直しを期限付きで要求。
  • NYダウは世界の主要市場が大幅な下落を見せたことや、米大手自動車の経営不安から続落。
  • この日は金融株が下げを主導したが、先週末ガイトナー長官が「一部の銀行には更に 巨額の政府支援が必要」と発言したことが重しになり254ドルの大幅安に。
  • 原油先物価格は株式市場の下落と再びリスク回避の動きを反映して大幅下落。

ドル/円96.67 〜 97.54
ユーロ/円127.02〜 128.67
NYダウー254.16 → 7.522.02ドル
GOLD −5.50 →  917.70ドル
WTI −3.97 →  48.41ドル
米10年国債+0.006 → 2.719%


本日の注目点

     
  • 欧   3月ユーロ圏消費者物価指数
  • 欧   3月独失業率     
  • 米   1月ケースシラー住宅価格指数  
  • 米   3月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米   3月消費者信頼感指数                                                              

今週はやはり波乱の幕開けになりました。

先週まで株高を背景にリスク許容度が増し、低金利通貨のドルと円が大きく売られる

展開が続きましたが、昨日の東京市場からは一転して資金は大きく逆流しています。

日経平均は390円安と今年3番目の下げ幅を記録し、併せて円がじりじり買われる展開

になり、円は一時欧州市場で95円95銭まで買われました。

いつものようにドル円が下げるケースではクロス円が軒並み円高に振れ、ユーロ円は

1日で4円近い下げを演じ、リスク回避の動きが顕著に出た格好です。

テクニカルでは1月21日の81円70銭を底値にトレンドラインが形成されていますが、

目先95円40銭あたりが重要なサポートになっています。

この水準を割り込むと、これまでの95円ー100円のレンジがブレイクされたことを意味し、

円が大きく値上がりする可能性もあり、3月20日のNYでの円高値93円55銭が

視野に入ってきます。

昨日のNYではドルの下値を探る展開にはならなかったものの、目先95円40と93円55銭の

水準は重要なレベルです。



オバマ大統領はGM,クライスラー救済問題で「破綻」(Bankruptcy)という言葉を使いました。

大統領がこのこ言葉を使うことは極めて異例で、いわば両社に対する「最終通告」を意味することに

なります。

GMに対しては60日分、クライスラーには30日分の運転資金を提供すると同時に、再建計画

の抜本的な作り直しを要求し、場合によっては破産法の適用も示唆しました。

既に巨額の資金を注入しており、更にAIGのボーナスを巡っては責任問題も浮上した

大統領としては、国民の目を意識しながら最後の決断を行ったということです。



今週は主要国の経済指標が多く、波乱含みです。

どちらにも大きく振れる可能性があります。

ポジションも抑え気味にし、「余力」を持って相場に臨むことをお勧めします。

2008年4月分(PDF) 2008年5月分(PDF) 2008年6月分(PDF) 2008年7月分(PDF)
2008年8月分(PDF) 2008年9月分(PDF) 2008年10月分(PDF) 2008年11月分(PDF)
2008年12月分(PDF) 2009年1月分(PDF) 2009年2月分(PDF)

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/3 バーナンキFRB議長 「この1年半に起きた出来事で、最も強い憤りを覚えたのはAIGを置いてほかならない。」「金融システムはまだ安定していない。」議会証言で発言。 保険株を中心に米株式下落。
3/5 トリシェECB総裁 「現行水準が(政策金利の)最低水準と決めたわけではない。」「今年中に(インフレ率が)マイナスになる。」追加利下げ決定後の会見で。 ユーロが大幅に下落。ユーロ/円124円後半→122円台へ。
3/6 大統領経済諮問委員会ローマー委員長 景気回復の時期について「年後半には効果が表れる」TVのインタヴューで。 -----
3/7 世界銀行 2009年世界景気は戦後初めてマイナス成長に。(世銀が今年度の経済見通しを発表。)   -------
3/7 ウオーレンバフェット 米経済は「がけから転落した。」「現在の政策は強いインフレ要因となり得る。」米経済が非常に厳しい状況にあり、ある程度のインフレは適切との見解を示す。   NY株式市場が下落。NYダウ6,547ドルまで売られる。
3/10 スマギECB専務理事 「ECBは金利をゼロ水準まで引き下げる用意がある。」インタビューに答えて。   -------
3/15 バーナンキFRB議長 「政府が金融市場の安定に成功すれば 、リセッションは年内に終了し、2010年には景気拡大に転じる公算が大きい。」CBSのTVインタビューに答えて。   -------
3/20 米自動車作業部会スティーブン上級顧問 「GM,クライスラーの債権計画は楽観的な部分もあり、必要な支援額が大幅に増える事態も否定できない。」米メディアに対して。
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3/23 トリシェECB総裁 「ECBは金利をゼロまで引き下げることについて慎重な姿勢を維持している。」23日付け新聞のインタビューで。
ユーロドル1.35後半→1.37台へ。
3/25 ガイトナー財務長官 「SDRについては排除しない。」「ドルは引き続き世界において最も有力な準備通貨であり、今後の長期間そうあり続けると思う。」NYの講演で。
ドル円97円ミドルから96円台、更に97円台に。
3/26 ルービニNY大学教授 ブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じて「大手銀行のいくつかは国有化が必要になるだろう。」不良債権処理に向けた米財務省の計画は不十分との見方を表明
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3/30 オバマ大統領 GMについて「根本的なリストラを実施すれば復活できる。」とし、クライスラーについては「単独での生き残りは困難。」と指摘。(両社に対する追加資金提供に際して)
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※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和