今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円108円台で膠着」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は東京時間に108円24銭前後まで売られたが、その後は徐々に盛り返す。NYでは米中関係のさらなる悪化懸念が後退したことで108円70銭まで上昇。
  • ユーロドルは反発したものの、ECB理事会を控え値幅は限定的だった。1.1142までユーロが買われる。
  • 株式市場は揃って反発し、ダウは45ドル上昇。米株式市場は連日日替わりで上下を繰り返し、方向感が定まらない展開。
  • 債券相場は大きな動きがなく、長期金利も1.76%前後で一進一退。
  • 金は反発。原油は在庫の減少が材料視され大幅高。
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8月FHFA住宅価格指数 → 0.2%
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ドル/円 108.45 〜 108.70
ユーロ/ドル 1.1112 〜 1.1141
ユーロ/円 120.58 〜 121.06
NYダウ +45.85 → 26,833.95ドル
GOLD +8.20 → 1,495.70ドル
WTI +1.49 → 55.97ドル
米10年国債 +0.004 → 1.764%

本日の注目イベント

  • 日 8月景気先行CI指数 (改定値)
  • 独 独10月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ECB政策金利発表
  • 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
  • 欧 ユーロ圏10月総合PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(速報値)
  • 米 9月耐久財受注
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 9月新築住宅販売件数
  • 米 企業決算 → アマゾン、インテル、VISA

ドル円は昨日の東京時間朝方に、108円24銭前後まで売られる場面がありましたが、その後は日本株がプラスに転じると108円台半ばを回復し、NY時間には108円70銭まで上昇しています。底堅いというよりも、上下どちらへ動くにも勢いがなく、投資家も値幅の少なさから、短期的な値幅稼ぎに徹しているようです。NY時間では、トランプ大統領が先週発動した対トルコ制裁を解除することを明らかにしました。「われわれが不満に思うようなことが起こらない限り、制裁は解除される」と発表しています。また、中国が農産物や消費財の輸入を増やすとの報道から、米中関係の更なる悪化は回避できるとの見方も広がり、さらに中国が海外資本を呼び込む取り組みの一環として、海外企業による国内企業の株式への投資を認めると発表したことも、リスク選好に傾きドル円や株式を押し上げています。

注目された米企業決算発表では、キャタピラーが通期の利益予想を下方修正しましたが、株価は一旦下げた後に反発して取引を終えています。また、ボーイングも7−9月期の調整後1株利益が市場予想を下回ったものの、墜落事故を起こした737MAXについては、2020年後半までには同機の生産機数が36%増加するという見通しを発表したことから株価は上昇しています。(ブルームバーグ)

リスク選好の流れが強まる一方、英国では相変わらず混迷が続き、BREXITに対する市場の反応も徐々に低下傾向にあります。前日、離脱関連法案を短期間で審議する法案が否決されたことで、ジョンソン首相は厳しい状況に立たされています。今後は関連法案を再度審議するか、解散して総選挙に持ち込むといった次の一手が予想されているようですが、いずれも時間的に厳しく、今月末のEUからの離脱は難しい状況です。一方EU側は昨日、英国の除く加盟27カ国がブリュッセルで大使級会合を開き、英国が要請した離脱期限の延期を全会一致で支持しました。ただ、この会合では最終的な決断は下されず、予備的な話し合いであったと、ブルームバーグは報じています。離脱期限まで一週間となり、ジョンソン氏の目指す今月末までの離脱は極めて難しいと言わざるを得ません。

シカゴ先物協会が発表する「投機筋の建て玉」が約3カ月ぶりに変化を見せています。6月中旬以来「円買い・ドル売り」のネットポジションが続いていましたが、先週末に発表されたネットポジションは「円売り・ドル買い」に転じています。ネットで3131枚(1枚=1250万円)の円売りで、今後ドルが上昇することを見込んでいるものと思われます。もちろんこのポジション通りに為替が動くわけではありませんが、過去の動きを見る限り、ある程度の相関性が見られることも事実で、一つの参考として見ることができます。108円での一進一退が続いていますが、この先109円台に乗せる可能性も否定できません。

本日のドル円は108円30銭〜109円程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/19 劉鶴・中国副首相 「中国と米国は多くの側面で大きく前進し、第一段階の合意に向け重要な基盤を築いた」、「中国は平等を相互尊重に基づいて双方の中核的な懸案事項に対処するため米国と協力して取り組む用意がある」 --------
10/15 ブラード・セントルイス連銀総裁 「今後の会合で追加の保険を検討する必要がある」 --------
10/15 ギータ・ゴピナート・IMFチーフエコノミスト 「減速の同時発生と不確かな回復に伴い、グローバルな見通しはなお不安定だ。政策ミスの余地はなく、政策担当者が貿易摩擦を地政学的緊張の緩和で協調することが急務だ」 --------
10/10 トランプ大統領 米中貿易協議について、「非常にうまく行った。われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」 ドル円107円80銭から108円台を回復。
10/8 エバンス・シカゴ連銀総裁 「さらなる保険として、25ベーシスポイント引き下げる根拠は十分ありそうだ」 --------
10/6 ジョンソン・英首相 「われわれは荷物をまとめて出て行くことになるだろう。EUが相互に受け入れ可能な合意の下でわれわれを陽気に見送るか、われわれが勝手に出て行かざるを得ないか、それだけの問題だ」(英紙テレグラフで) --------
10/4 ジョージ・カンザスシティー連銀 「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」 --------
10/4 パウエル・FRB議長 「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している。われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」 --------
9/30 ドラギ・ECB総裁 「(金融緩和は)財政政策からの支援がなければ、長期にわたり続く可能性がある」 --------
9/23 ドラギ・ECB総裁 緩和措置を巡る一部の批判に対して、「ユーロ圏は多くの国から成る通貨同盟であるという状況から、これは特に重要だ。このような意思の表明は、ECBの決定の効果を損ねないよう注意して行うべきだ。この点は非常に重要だ」 --------
9/19 ピルズベリー・大統領アドバイザー 「トランプ大統領には貿易戦争をエスカレートさせる選択肢はあるだろうか。答えはイエスだ。関税は引き上げることができる。低水準にある関税率は、50%ないし100%への引き上げが可能だ」 ドル円108円台前半から107円84銭まで下落。
9/18 トランプ大統領 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 --------
9/18 パウエル・FRB議長 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 ドル円小幅に上昇市、株価も反発。
9/16 トランプ大統領 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 --------
9/11 トランプ大統領 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 --------
9/6 パウエル・FRB議長 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 --------
9/4 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 --------
9/2 中国商務省 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 --------
9/1 中国国営の新華社通信 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和