「米株、主要3指数が揃って最高値更新」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は緩やかに上昇し、108円65銭まで買われる。米中が「第一段階」の通商合意署名場所を米国内で検討しているとの報道が円売りにつながった。
- ユーロドルはドルが買われたことで1.1125まで下落。1.11台後半が徐々に壁になりつつあるとの見方が強まる。
- 株式市場は揃って続伸し、ダウは7月以来約4カ月ぶりに最高値を更新。S&P500、ナスダックも連日の最高値更新。米中関係の好転が支援材料に。
- リスク回避の流れが後退し、債券は下落。長期金利は1.77%台へと上昇。
- 金は小幅に続落し、原油は買われる。
| ドル/円 | 108.37 〜 108.65 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1125 〜 1.1159 |
| ユーロ/円 | 120.81 〜 121.08 |
| NYダウ | +114.75 → 27,462.11ドル |
| GOLD | −0.30 → 1,511.10ドル |
| WTI | +0.34 → 56.54ドル |
| 米10年国債 | +0.067 → 1.777% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 日 10月マネタリーベース
- 中 中国10月財新サービス製造業PMI
- 中 中国10月財新コンポジットPMI
- 欧 ユーロ圏9月生産者物価指数
- 米 9月貿易収支
- 米 10月ISM非製造業景況指数
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
NY株式市場では出遅れていたダウ工業株も連日の急騰で7月以来となる史上最高値を更新し、一足先に連日で最高値を更新中のナスダックとS&P500も上昇したことで、主要3指数が揃って最高値を更新しました。株価の上昇がリスクオンにつながり、ドル円は108円65銭までドル高、円安が進んでいます。債券市場でも債券が売られ、長期金利の上昇がドル円を支える展開です。
リスクオンを促したのは、米中関係の好転です。中国の習近平主席がトランプ大統領と米中通商協議の「第一段階の合意」に署名する場合の首脳会談開催地について、米国内の場所を検討していると、報じられたことが好感されました。中国側は「第一段階」の通商合意で習主席が訪米する場合には、「国賓」として公式訪問することを望んでいるようです。また、ロス米商務長官はタイのバンコクで中国の李克強首相と会談するにあたって、中国との通商合意第一段階について、「順調に進展している」と発言し、トランプ大統領もこれより前に記者団に対して、合意がまとまれば米国内のどこかで署名されることになると語っています。(ブルームバーグ)
中国共産党機関紙の人民日報系の新聞「環球時報」は、貿易交渉の進展に勇気づけられたとして、中国がWTOに最近認められた36億ドル(約3900億円)相当の米国製品への報復措置を見合わせる可能性があると報じています。根底には、大統領選ではやや苦戦するのではないかと思われるトランプ氏と、中国では景気減速が一段と進み、これ以上の悪化は避けたいといった思惑があり、米中関係の悪化は両者にとってもマイナスとの考えがあるものと思われます。
NY株の上昇が続いています。先週行われたFOMCでは予想通り25ベーシスの利下げを行い、これで3会合連続の利下げになりました。利下げの影響から米住宅市場は好調さを維持し、さらに先週末の雇用統計でも非農業部門雇用者数が予想を上回ったことで、米景気は依然として「巡航速度」を保っていると見られます。一部、製造業の設備投資などに懸念材料が残るものの、全体としては好調な米経済と金利低下が株価の上昇につながっています。米ゴールドマンサックスは富裕層への助言で、「世界の中で米国株は独り勝ちだ」とし、米国株のオーバーウェイトを勧めています。その理由として、世界経済の成長が減速し、ドイツでは狭義のリセッションに陥る可能性がある中、米景気は中期的には他国よりも堅調に推移することを挙げていました。
10月から年末にかけては株高だけでなく、ドル円もドル高に振れる傾向があり、今後ジリジリとドル高が進行する可能性も高まってきました。今後の材料は、米中通商協議の成り行きと、トランプ氏の弾劾問題、さらにはその先にある大統領選ということになりそうです。本日のドル円は108円30銭〜109円程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/24 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長の勢い鈍化が賃金上昇のインフレへの転化を遅らせている」と指摘し、見通しへのリスクは下方向だ」「ドイツは恐らくリセッションに陥っている」 | -------- |
| 10/24 | ペンス・米副大統領 | (米中関係について)「両国がデカップリングするのではなく、米国は中国との関わり、および中国による世界との関わりを模索している」 | ややリスクオンの流れが強まる |
| 10/19 | 劉鶴・中国副首相 | 「中国と米国は多くの側面で大きく前進し、第一段階の合意に向け重要な基盤を築いた」、「中国は平等を相互尊重に基づいて双方の中核的な懸案事項に対処するため米国と協力して取り組む用意がある」 | -------- |
| 10/15 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「今後の会合で追加の保険を検討する必要がある」 | -------- |
| 10/15 | ギータ・ゴピナート・IMFチーフエコノミスト | 「減速の同時発生と不確かな回復に伴い、グローバルな見通しはなお不安定だ。政策ミスの余地はなく、政策担当者が貿易摩擦を地政学的緊張の緩和で協調することが急務だ」 | -------- |
| 10/10 | トランプ大統領 | 米中貿易協議について、「非常にうまく行った。われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」 | ドル円107円80銭から108円台を回復。 |
| 10/8 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「さらなる保険として、25ベーシスポイント引き下げる根拠は十分ありそうだ」 | -------- |
| 10/6 | ジョンソン・英首相 | 「われわれは荷物をまとめて出て行くことになるだろう。EUが相互に受け入れ可能な合意の下でわれわれを陽気に見送るか、われわれが勝手に出て行かざるを得ないか、それだけの問題だ」(英紙テレグラフで) | -------- |
| 10/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀 | 「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」 | -------- |
| 10/4 | パウエル・FRB議長 | 「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している。われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」 | -------- |
| 9/30 | ドラギ・ECB総裁 | 「(金融緩和は)財政政策からの支援がなければ、長期にわたり続く可能性がある」 | -------- |
| 9/23 | ドラギ・ECB総裁 | 緩和措置を巡る一部の批判に対して、「ユーロ圏は多くの国から成る通貨同盟であるという状況から、これは特に重要だ。このような意思の表明は、ECBの決定の効果を損ねないよう注意して行うべきだ。この点は非常に重要だ」 | -------- |
| 9/19 | ピルズベリー・大統領アドバイザー | 「トランプ大統領には貿易戦争をエスカレートさせる選択肢はあるだろうか。答えはイエスだ。関税は引き上げることができる。低水準にある関税率は、50%ないし100%への引き上げが可能だ」 | ドル円108円台前半から107円84銭まで下落。 |
| 9/18 | トランプ大統領 | 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 | -------- |
| 9/18 | パウエル・FRB議長 | 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 | ドル円小幅に上昇市、株価も反発。 |
| 9/16 | トランプ大統領 | 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 | -------- |
| 9/11 | トランプ大統領 | 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 | -------- |
| 9/6 | パウエル・FRB議長 | 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 | -------- |
| 9/4 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 | -------- |
| 9/2 | 中国商務省 | 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 | -------- |
| 9/1 | 中国国営の新華社通信 | 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



