今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米主要株価指数再び揃って最高値を更新」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は緩やかな上昇が続き、108円98銭までドルが買われる。中国が知的財産権侵害問題で米国に譲歩する姿勢を見せたことや株高がドルの支援材料に。
  • ユーロドルもじり安が続き、1.1004まで下落。
  • 株式市場は反発し、主要3指数は揃って最高値を更新。ダウは190ドル上昇し、再び2万8000ドル台に乗せる。
  • 債券相場は小幅に上昇。長期金利は1.75%台へと低下。
  • 金は反落し、原油は続伸。
ドル/円 108.82 〜 108.98
ユーロ/ドル 1.1004 〜 1.1025
ユーロ/円 119.82 〜 119.99
NYダウ +190.85 → 28,066.47ドル
GOLD −6.70 → 1,456.90ドル
WTI +0.24 → 58.01ドル
米10年国債 −0.015 → 1.755%

本日の注目イベント

  • 中 中国アリババ、香港上場
  • 独 独12月GFK消費者信頼感
  • 米 9月ケース・シラ−住宅価格指数
  • 米 9月FHFA住宅価格指数
  • 米 11月リッチモンド連銀製造業指数
  • 米 10月新築住宅販売件数
  • 米 11月消費者信頼感指数

中国が知的財産権侵害の罰則強化を決めたことで、米国株式市場では再び3主要指数が揃って買われ最高値を更新しています。活発なM&Aや今週末から始まる「ブラック・フライデー」での個人消費拡大への期待もあり、ダウは190ドルほど上昇して取引を終えています。ドル円も、長期金利はやや低下しましたが、株高の方に反応したのか、109円目前までドル高が進み、大きな動きにはなっていませんがジリジリとドルが買われている展開です。ドル高の流れから、ユーロドルでもユーロ売りが進み1.10を割り込む可能性が高まって来ました。

トランプ大統領が「貿易協議の合意が近い」と発言したことを受けて、米中関係の好転期待が膨らみましたが、中国外務省の次官は米国のブランスタッド駐中国大使を呼び出し、米議会が香港の抗議運動参加者を支持する法案を通過させたことを巡り、米国による香港情勢への干渉だとして、「厳重に抗議する」とともに、「強く反対する」と表明しました。また米国は誤りを直ちに認めて中国への内政干渉をやめるよう強く求めるとの声明を外務省がウェブサイトに掲載しています。(ブルームバーグ)米議会が「香港人権法案」を可決したのは先週の話で、タイミング的には遅過ぎると思われますが、日曜日に行われた香港の区議会議員選挙では、民主派候補が全議席の8割以上を獲得して圧勝したことが影響している可能性があります。

香港では民主派候補の圧勝を受けて、キャリー・ラム長官は「選挙の結果を尊重し、市民の意見に謙虚に耳を傾ける」との声明を発表していますが、この結果を受けて、今後デモ参加者に対する圧力が弱まるのかどうか注目しています。中国政府も「外国の勢力が香港の混乱にかかわっている」と主張していることから、米議会で可決された「香港人権法案」にトランプ大統領が署名するのかどうかが、今後の両国の貿易協議の進展にも影響してきそうです。トランプ氏は今のところ署名するかどうかの態度は保留していますが、大統領には、署名せず10日間同法案に対して行動しないことで署名なしに法案を成立させる選択肢があります。大統領が拒否権を発動し、議会に法案を差し戻した場合、議会は上下両院での3分の2以上での賛成で大統領の拒否権を覆すことができることになっているようです。(ブルームバーグ)

ドル円は1週間ぶりに再び109円に迫る水準まで戻ってきました。この間、米長期金利は大きく動いてはおらず、むしろ低下傾向にあります。やはり株式市場に引っ張られる展開だったと思われます。この水準から109円台を回復できるかどうかですが、動きの鈍いドル円だけに、株価の上昇だけでは力不足の感は否めません。米中貿易協議の正式合意や、米長期金利の急上昇といったドル高要因が待たれます。またレジスタンス・ラインとして機能している「200日移動平均線」を、明確に抜け切れるかどうかも注目ポイントの一つです。ユーロドルについても、1.1176まで反発した後ジリジリと値を下げ、1.10割れを窺う水準まで下落してきました。ドル円の109円台とユーロドルの1.10台は、いずれもドル高が進むとすれば十分視野に入ります。問題は、ドル円が109円台を回復したとして、その水準を維持できるかどうかです。米国株の上昇と円安に伴い、日本株も上昇が見込まれる中、本日のドル円は108円60銭〜109円30銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/24 マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) --------
11/20 劉鶴・中国副首相 (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。
11/19 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 --------
11/18 メスター・クリーブランド連銀総裁 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 --------
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
10/30 トランプ大統領 「パウエル議長とFOMCに国民は非常に失望している。」「われわれはドイツや日本など、他の国のどこよりも低い金利とすべきだった。米国は現在、間違いなく最も強大な国だが、FRBのせいで競争上、不利な立場に置かれている。われわれにとって問題なのは中国ではなくFRBだ。」 --------
10/24 ドラギ・ECB総裁 「成長の勢い鈍化が賃金上昇のインフレへの転化を遅らせている」と指摘し、見通しへのリスクは下方向だ」「ドイツは恐らくリセッションに陥っている」 --------
10/24 ペンス・米副大統領 (米中関係について)「両国がデカップリングするのではなく、米国は中国との関わり、および中国による世界との関わりを模索している」 ややリスクオンの流れが強まる
10/19 劉鶴・中国副首相 「中国と米国は多くの側面で大きく前進し、第一段階の合意に向け重要な基盤を築いた」、「中国は平等を相互尊重に基づいて双方の中核的な懸案事項に対処するため米国と協力して取り組む用意がある」 --------
10/15 ブラード・セントルイス連銀総裁 「今後の会合で追加の保険を検討する必要がある」 --------
10/15 ギータ・ゴピナート・IMFチーフエコノミスト 「減速の同時発生と不確かな回復に伴い、グローバルな見通しはなお不安定だ。政策ミスの余地はなく、政策担当者が貿易摩擦を地政学的緊張の緩和で協調することが急務だ」 --------
10/10 トランプ大統領 米中貿易協議について、「非常にうまく行った。われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」 ドル円107円80銭から108円台を回復。
10/8 エバンス・シカゴ連銀総裁 「さらなる保険として、25ベーシスポイント引き下げる根拠は十分ありそうだ」 --------
10/6 ジョンソン・英首相 「われわれは荷物をまとめて出て行くことになるだろう。EUが相互に受け入れ可能な合意の下でわれわれを陽気に見送るか、われわれが勝手に出て行かざるを得ないか、それだけの問題だ」(英紙テレグラフで) --------
10/4 ジョージ・カンザスシティー連銀 「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」 --------
10/4 パウエル・FRB議長 「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している。われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和