今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米中貿易協議、合意に向けて最終段階か?」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 東京時間に109円20銭まで上昇したものの、その後108円台後半まで押し戻されたドル円は、NYでは再び上昇。株価の上昇に109円14銭まで買われたが、感謝祭を控え勢いもなく、109円05−10で取引を終える。
  • ユーロドルは1.10を割り込めず、1.1026まで反発。
  • 株式市場は米中貿易協議の合意が最終段階にあるとの報道から続伸。ダウは55ドル上昇し、主要指数は連日で最高値を更新。
  • 債券相場は小動きながら小幅に続伸。長期金利は1.74%台に低下。
  • 金は反発し、原油は続伸。
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9月ケース・シラ−住宅価格指数 → 2.1%
9月FHFA住宅価格指数 → 0.6%
11月リッチモンド連銀製造業指数 → −1
10月新築住宅販売件数 → 73.3万件
11月消費者信頼感指数 → 125.5
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ドル/円 108.92 〜 109.14
ユーロ/ドル 1.1009 〜 1.1026
ユーロ/円 120.00 〜 120.24
NYダウ +55.21 → 28,121.68ドル
GOLD +3.41 → 1,460.30ドル
WTI +0.40 → 58.41ドル
米10年国債 −0.014 → 1.741%

本日の注目イベント

  • 中 中国10月工業生産
  • 米 10月耐久財受注
  • 米 7−9月GDP(改定値)
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 11月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 10月個人所得
  • 米 10月個人支出
  • 米 10月PCEコアデフレータ
  • 米 10月中古住宅販売件数成約指数
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)

最後に合意できるかどうか依然として不透明さが残る米中貿易協議ですが、市場もかなり楽観的な見方に傾いており、「合意が近い」といったニュースのヘッドラインに素直に反応する動きが定着したような印象です。危うさは残るものの、昨日もトランプ大統領の発言に株価が上昇し、3主要指数ともに揃って連日の高値更新です。株式だけではなく、債券も買われ、金も買われ、金(かね)余りを象徴するような動きと言えなくもありません。ドル円も昨日の東京時間では一時109円20銭まで買われ、ドル高が進みましたが、その後は108円台に押し戻されましたが、NYでは株価の上昇を好感して再び109円台を回復しています。

トランプ大統領は中国の習近平主席と話をしているとしながら、中国との第一段階の貿易合意に向けた協議について、完了に近いと述べています。トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」と語りました。また香港情勢について意見を求められると、「米国は香港情勢がうまく行くことを望んでいる」と答え、「良い結果になると確信している。(習主席は)それを実現できる」とした上で、「私は習氏を分かっている。彼は実現を望んでいる」とも述べています。ただ、今回も「香港人権法案」へ署名するのかどうかについては言及しませんでした。貿易協議の合意を巡っては、これに先立って中国外務省も同じような内容の発表をしており、早ければ今週末にも「正式合意」が発表されるかもしれません。気をつけたいのは、仮に「正式合意」が発表されたとしても、ドル円や株価がさらに上昇するとは限らないという点です。「材料出尽くし」や「Buy on rumor sell on news」ということが往々にしてあるからです。特に米国株はこの種のニュースだけで大きく上昇してきた経緯があるだけに注意したいところです。

パウエルFRB議長は25日ロードアイランド州で講演を行い、現行の金融政策を維持することを示唆しました。議長は、「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」と述べ、「それが力強い労働市場を支えるとともに、インフレ率を上下に対称的な2%の目標にしっかり回帰させることになる」と付け加えています。ただ今後の見通しについては、政策が「事前に設定されたコースにはない」と改めて述べ、見通しに重大な変化があった場合に政策を調整するだろうと述べました。(ブルームバーグ)

ドル円は徐々に下値を切り上げてはいるものの、109円を挟む展開に変わってきました。まだ109円―109円50銭の水準にはドル売り注文が多いと見えて、上昇しては押し戻される展開です。2歩前進しては1歩後退といったところでしょうか。米国は明日「感謝祭」で、翌日の「ブラック・フライデー」からは、いよいよ年末商戦がスターです。昨日発表されたコンファレンスボードの消費者マインドではやや消費拡大期待にブレイキがかけられた格好ですが、足元の株価の上昇はかなりの「追い風」になると見ています。多くの個人投資家が含み益の拡大から財布の紐を緩めると予想しています。もうしばらくはドル円にとっても「逆風」ではなく、「弱い追い風」が吹いているように思います。本日のドル円は108円70銭〜109円40銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/26 トランプ大統領 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 ドル高、株高につながる。
11/25 パウエル・FRB議長 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 --------
11/24 マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) --------
11/20 劉鶴・中国副首相 (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。
11/19 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 --------
11/18 メスター・クリーブランド連銀総裁 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 --------
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
10/30 トランプ大統領 「パウエル議長とFOMCに国民は非常に失望している。」「われわれはドイツや日本など、他の国のどこよりも低い金利とすべきだった。米国は現在、間違いなく最も強大な国だが、FRBのせいで競争上、不利な立場に置かれている。われわれにとって問題なのは中国ではなくFRBだ。」 --------
10/24 ドラギ・ECB総裁 「成長の勢い鈍化が賃金上昇のインフレへの転化を遅らせている」と指摘し、見通しへのリスクは下方向だ」「ドイツは恐らくリセッションに陥っている」 --------
10/24 ペンス・米副大統領 (米中関係について)「両国がデカップリングするのではなく、米国は中国との関わり、および中国による世界との関わりを模索している」 ややリスクオンの流れが強まる
10/19 劉鶴・中国副首相 「中国と米国は多くの側面で大きく前進し、第一段階の合意に向け重要な基盤を築いた」、「中国は平等を相互尊重に基づいて双方の中核的な懸案事項に対処するため米国と協力して取り組む用意がある」 --------
10/15 ブラード・セントルイス連銀総裁 「今後の会合で追加の保険を検討する必要がある」 --------
10/15 ギータ・ゴピナート・IMFチーフエコノミスト 「減速の同時発生と不確かな回復に伴い、グローバルな見通しはなお不安定だ。政策ミスの余地はなく、政策担当者が貿易摩擦を地政学的緊張の緩和で協調することが急務だ」 --------
10/10 トランプ大統領 米中貿易協議について、「非常にうまく行った。われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」 ドル円107円80銭から108円台を回復。
10/8 エバンス・シカゴ連銀総裁 「さらなる保険として、25ベーシスポイント引き下げる根拠は十分ありそうだ」 --------
10/6 ジョンソン・英首相 「われわれは荷物をまとめて出て行くことになるだろう。EUが相互に受け入れ可能な合意の下でわれわれを陽気に見送るか、われわれが勝手に出て行かざるを得ないか、それだけの問題だ」(英紙テレグラフで) --------
10/4 ジョージ・カンザスシティー連銀 「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」 --------
10/4 パウエル・FRB議長 「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している。われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和