今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円半年ぶりに109円60銭台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • GDPなど、米景気の堅調さを示す指標が相次ぎ、株価が連日で最高値更新を見せたことでドルも109円50銭を上抜け。一時109円61銭までドル高が進み、半年ぶりのドル高水準に。
  • ユーロドルもドル高に押され、1.10を割り込んだものの、1.0993で下げ止まり反転。
  • 株式市場は3日連続で最高値を更新。GDPが上方修正されたことで株価を押し上げた。ナスダックは初の8700ポイントに乗せる。
  • 債券は反落。長期金利は1.76%へと上昇。
  • 金と原油はともに反落。
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10月耐久財受注 → 0.6%
7−9月GDP(改定値) → 2.1%
新規失業保険申請件数 → 21.3万件
11月シカゴ購買部協会景気指数 → 46.3
10月個人所得 → 0.0%
10月個人支出 → 0.3%
10月PCEコアデフレータ → 1.6%
10月中古住宅販売件数成約指数 → 3.9%
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ドル/円 109.14 〜 109.61
ユーロ/ドル 1.0993 〜 1.1013
ユーロ/円 120.11 〜 120.59
NYダウ +42.32 → 28,164.00ドル
GOLD −6.60 → 1,460.80ドル
WTI −0.30 → 58.11ドル
米10年国債 +0.024 → 1.765%

本日の注目イベント

  • 日 黒田日銀総裁講演
  • 独 独11月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月マネーサプライ
  • 欧 ユーロ圏11月消費者信頼感指数
  • 米 株式、債券市場休場(感謝祭の祝日)

連日最高値更新を続けている米株式市場は、昨日も米7−9月期GDP改定値が市場予想を上回ったことを好感した買いが指数を押し上げ、これで、3日連続で最高値を更新しました。ナスダック指数は初めて8700ポイント台に乗せ、S&P500も3150ポイントに乗せています。動きの鈍いドル円も、さすがにリスク選好が強まり、上値の重要なメドでもあった109円50銭を抜き、5月31日以来、約半年ぶりのドル高水準を記録しています。米長期金利も上昇してはいますが、ドル円との相関性はやや薄れ、むしろ株高がドル買いにつながっている側面が強いと見られます。

米第3四半期GDP改定値は、速報値の「1.9%」から「2.1%」に上方修正されました。市場予想も上回り、景気減速が懸念されていた米景気は、むしろ盛り返してきていることが浮き彫りになり、8月下旬から9月にかけて発生した「逆イールド」は「杞憂」に終わる可能性も出てきました。ただ、内訳を見ると、企業の設備投資は2.7%減と、GDPへの寄与度はマイナス0.36ポイントと大きく、やはり米中貿易戦争の不透明感を反映しているようです。それでも、この日発表された10月の耐久財受注では、設備投資の先行指標となるコア資本財の受注は市場予想に反し、今年1月以来最大の伸びを記録しています。一方でGDPを押し上げたのが寄与度0.17ポイントの在庫でした。昨日発表された経済指標を見る限り、米国の景気が底堅く、貿易戦争の渦中にいるわりには粘り腰を見せています。明日から始まる年末商戦次第ではさらに第4四半期も高水準を維持し、欧州や日本とは「格の違い」を見せつけることになるかもしれません。

ドル円は109円61銭まで上昇したことで、「200日移動平均線」を明確に上抜けしました。もちろん、このままドルが上昇を続けるかどうかは不明ですが、少なくともテクニカル上はドルの上昇を想定する方が有利でしょう。この欄で、日足の「MACD」がデッドクロスしたことにも触れましたが、それでも「プラス圏」であることから、「それほど大きな下落は見込めない」といった内容のコメントも付記しました。その「MACD」も再びゴールデンクロスを見せています。ドル円でドル高が進行した割にはユーロドルではそれほどドル高は進んでいません。節目の1.10を割り込みましたが、すぐに押し戻された格好です。

ドル円の上値のメドですが、既に日足では上方に目立ったレジスタンスはありません。110円が「心理的な節目」になることは当然ですが、その前に109円80銭前後がレジスタンスになる可能性があります。ここは「週足」の「雲の上限」にあたり、雲は抵抗帯と言われるものであることから、意識はしておくべきでしょう。ただ見て分かるようにこの雲はかなり薄く、それほど強い抵抗帯にはならないと思われます。むしろ、昨日も述べたように、株式市場では強気の見方が蔓延しており、何かのきっかけで利益確定の大量の売りを誘発するリスクもあります。その一つが、米中貿易協議の正式合意かもしれません。「合意が近い」とされていることから、早ければ今日にでもその可能性はあります。週末には、「ちょっと早いクリスマスプレゼント」が届くかもしれません。

本日のドル円は109円10銭〜109円80銭程度を予想します。NY市場は、本日は「感謝祭」のため休場で、明日も株式と債券市場は短縮取引となっています。本格的なクリスマス休暇に入る前に、何か予想外の動きがあるかもしれません。極端なポジションの傾きは避けるべきでしょう。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/26 ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 「私の考えでは、利下げから量的緩和(QE)へと進むスムーズな連続性はない。中銀が資産購入に踏み込むのは利下げよりも大きなステップだ」 --------
11/26 トランプ大統領 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 ドル高、株高につながる。
11/25 パウエル・FRB議長 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 --------
11/24 マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) --------
11/20 劉鶴・中国副首相 (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。
11/19 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 --------
11/18 メスター・クリーブランド連銀総裁 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 --------
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
10/30 トランプ大統領 「パウエル議長とFOMCに国民は非常に失望している。」「われわれはドイツや日本など、他の国のどこよりも低い金利とすべきだった。米国は現在、間違いなく最も強大な国だが、FRBのせいで競争上、不利な立場に置かれている。われわれにとって問題なのは中国ではなくFRBだ。」 --------
10/24 ドラギ・ECB総裁 「成長の勢い鈍化が賃金上昇のインフレへの転化を遅らせている」と指摘し、見通しへのリスクは下方向だ」「ドイツは恐らくリセッションに陥っている」 --------
10/24 ペンス・米副大統領 (米中関係について)「両国がデカップリングするのではなく、米国は中国との関わり、および中国による世界との関わりを模索している」 ややリスクオンの流れが強まる
10/19 劉鶴・中国副首相 「中国と米国は多くの側面で大きく前進し、第一段階の合意に向け重要な基盤を築いた」、「中国は平等を相互尊重に基づいて双方の中核的な懸案事項に対処するため米国と協力して取り組む用意がある」 --------
10/15 ブラード・セントルイス連銀総裁 「今後の会合で追加の保険を検討する必要がある」 --------
10/15 ギータ・ゴピナート・IMFチーフエコノミスト 「減速の同時発生と不確かな回復に伴い、グローバルな見通しはなお不安定だ。政策ミスの余地はなく、政策担当者が貿易摩擦を地政学的緊張の緩和で協調することが急務だ」 --------
10/10 トランプ大統領 米中貿易協議について、「非常にうまく行った。われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」 ドル円107円80銭から108円台を回復。
10/8 エバンス・シカゴ連銀総裁 「さらなる保険として、25ベーシスポイント引き下げる根拠は十分ありそうだ」 --------
10/6 ジョンソン・英首相 「われわれは荷物をまとめて出て行くことになるだろう。EUが相互に受け入れ可能な合意の下でわれわれを陽気に見送るか、われわれが勝手に出て行かざるを得ないか、それだけの問題だ」(英紙テレグラフで) --------
10/4 ジョージ・カンザスシティー連銀 「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」 --------
10/4 パウエル・FRB議長 「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している。われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和