今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米11月の雇用統計予想を上回る」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は11月の雇用統計が予想を上回る良い内容だったことで108円92銭まで上昇。だがその後は、米中貿易協議の不透明感を材料に108円52銭まで下落。
  • ユーロドルは小幅に水準を下げる。雇用統計発表直後には1.1040まで下落したがその後は反発し、1.10台後半に。
  • 良好な雇用統計を受け、株式市場は大幅に続伸。ダウは337ドル上昇し、再び2万8000ドル台を回復。
  • 債券相場は続落。長期金利は1.83%台へと上昇。
  • 金は反落。原油価格は「OPECプラス」で減産が確認されたことから上昇し、59ドル台に。
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11月失業率 → 3.5%
11月非農業部門雇用者数 → 26.6万人
11月平均時給 (前月比) → 0.2%
11月平均時給 (前年比) → 3.1%
11月労働参加率 → 63.2%
12月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 99.2
10月消費者信用残高 → 18.908b
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ドル/円 108.52 〜 108.92
ユーロ/ドル 1.1040 〜 1.1098
ユーロ/円 119.94 〜 120.68
NYダウ +337.27 → 28,015.06ドル
GOLD −18.00 → 1,465.10ドル
WTI +0.77 → 59.20ドル
米10年国債 +0.026 → 1.836%

本日の注目イベント

  • 日 10月貿易収支
  • 日 10月国際収支
  • 日 11月景気ウオッチャー調査
  • 独 独10月貿易収支
  • 独 独10月経常収支
  • 加 カナダ11月住宅着工件数
  • 加 カナダ10月建設許可件数

11月の米雇用統計は驚くほど良好でした。やはり米経済は、個人消費と労働市場の拡大が米経済を緩やかに牽引している構図が、改めて確認されたことになります。11月の雇用統計では、失業率が「3.5%」と、1969年以来の低水準となった9月の数値に並び、非農業部門雇用者数も「26.6万人」と、市場予想の「18.7万人」を大きく上回り、さらに10月分と9月分も上方修正され、依然として雇用者数の増加が順調に継続していることが示されています。4日間に及んだGMのスト終結に伴う、自動車メーカーの雇用者の伸びは予想されていましたが、それをも上回る内容でした。

また賃金でも、前年同月比「3.1%」と伸びており、こちらも10月分が上方修正されています。結局、今回の雇用統計に関しては「パーフェクト」だったと言え、明日から始まる今年最後のFOMCでは「政策金利据え置き」がダメ押しされた格好です。この分では、来年1月のFOMCでも「政策金利据え置き」が正当化されそうな情勢です。この日は、さらに12月のミシガン大学消費者マインドも市場予想を上回り、消費者心理も改善に向かっていることが確認されており、これらを受け株式市場は大きく反応しています。ダウは前日比337ドル上昇し、約1週間ぶりに2万8000ドルの大台を回復し、他の主要指数も最高値圏で取引を終えています。

ドル円は発表直後にドル買いが進み、108円92銭まで上昇する場面もありましたが、109円台には届かず、その後米中貿易協議の不透明感と、週末のポジション調整から、108円台半ばまで押し戻されて越週しました。米中貿易協議に関しては、クドロー国家経済会議(NEC)委員長が、「米中貿易協議での第1段階合意は近い」と述べたものの、反応は限られています。またこれに先立ち中国は、同国企業が輸入する米国産大豆と豚肉への報復関税を免除する手続きを開始しています。ドル円は既に1カ月以上も108円台を割り込んでいません。しかし一方では109円台での滞空時間が比較的長いものの、110円台には届いていません。多くの市場関係者が、110円近辺には大量のドル売り注文が集まっていることを知っており、警戒感があるのも事実ですが、110円台乗せにはやはり米中貿易協議のもう一段階の進展が不可欠です。「制裁関税第4弾」の発動期限である15日まで残り1週間を切ってきました。個人的には発動回避の可能性の方が高いと予想していますが、市場の見方は五分五分といったところです。万が一の事態への準備を怠るわけにはいきません。中国が、米国を納得させるボールを投げ返すことが必要で、さもなければ、ブラジルやアルゼンチン、それにEUとも貿易戦争を仕掛けているトランプ政権が、実際に関税引き上げに動くことは十分想定されます。今週が「ヤマ場」です。

本日は日本株も続伸が予想されます。ドル円も底堅く推移すると見られますが、NYタイムまで見た場合、109円台回復があるかどうかといったところでしょう。予想レンジは108円30銭〜109円程度と見ます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/3 トランプ大統領 (中国との合意に)「期限はない」、中国との合意を大統領選挙後まで待つのは良い考えだと思う。しかし、中国はいま合意することを望んでいる。合意が適切なものになるかどうか見てみよう」 ドル円109円台前半から108円台半ばまで下落。NYダウは一時450ドルを超える下落。
12/2 ロス・米商務長官 「論理的な期限は12月15日だ。現在とその日までの間に何も起きなければ、トランプ大統領は関税を引き上げる考えであることをかなり明確に示している」 --------
12/2 トランプ大統領 「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民にとって不利だ。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる」 株価の大幅下落と、ドル円は109円台後半から108円台後半まで売られる。
11/26 ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 「私の考えでは、利下げから量的緩和(QE)へと進むスムーズな連続性はない。中銀が資産購入に踏み込むのは利下げよりも大きなステップだ」 --------
11/26 トランプ大統領 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 ドル高、株高につながる。
11/25 パウエル・FRB議長 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 --------
11/24 マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) --------
11/20 劉鶴・中国副首相 (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。
11/19 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 --------
11/18 メスター・クリーブランド連銀総裁 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 --------
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和