今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「重要イベントを控え様子見」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は小動き。明日からの重要イベントを前に108円台半ばを中心に値幅は24銭程度に収まる。
  • ユーロドルも動かず、20ポイント前後の値幅に。
  • 株式市場は反落。11月の中国の輸出が減少していたことを受け、世界景気が鈍化するとの観測からダウは105ドル安。
  • 債券は反発。長期金利は1.81%台へと低下。
  • 金と原油はともに下落
ドル/円 108.44 〜 108.68
ユーロ/ドル 1.1055 〜 1.1077
ユーロ/円 120.10 〜 120.26
NYダウ −105.46 → 27,909.60ドル
GOLD −0.20 → 1,464.90ドル
WTI −0.18 → 59.02ドル
米10年国債 −0.017 → 1.819%

本日の注目イベント

  • 豪   豪11月NAB企業景況感指数
  • トルコ トルコ11月消費者物価指数
  • 独   独12月ZEW景気期待指数
  • 英   英10月鉱工業生産
  • 英   英10月貿易収支

市場は今週半ばから来週にかけて重要イベントが目白押しであり、この日は経済指標の発表もなかったことから小動きでした。その中でも、週末に発表された中国の貿易収支で、輸出が予想以上に減少していたことが材料視され、株価が下落し債券が買われています。ドル円はほぼ動きがなく、108円半ばを中心にもみ合いが続き、やや膠着感も強まってきました。

今年最後のFOMCが今日から始まり、明日には政策金利の発表がありますが、今回はほぼ据え置きで決まりのようです。先週末に発表された11月の雇用統計では、ほぼ「完璧」な内容だったことで、投資家もさらにその感を強くしたようです。従って、焦点はパウエル議長の記者会見での発言内容になりますが、これも、貿易に不確実性が残るものの、良好な雇用と消費が米景気を牽引しているといったコメントが予想され、現状の米経済指標を俯瞰する限り、現時点でのさらなる利下げを正当化できないといった内容になろうかと思います。為替にとっては材料になりにくいと思われますが、今後の金融スタンスについての言及があれば、その点は材料になるかもしれません。

今週はさらにECB理事会と英国では総選挙が行われ、さらに米国では小売売上高の発表もあります。そして15日の日曜日が、中国に対する「制裁関税第4弾」の発動期限です。これに関して昨日パーデュー米農務長官は、インディアナポリスで開かれた会合で、「15日に追加関税を課す期限がやって来るが、これが発動されるとは思わない。いくらか取り下げる可能性もあると思う」と述べ、関税発動には至らないのではないかとの見方を示しました。(ブルームバーグ)ただ市場はこの発言には反応薄で、発動の可能性は五分五分との見方が優勢のようです。仮に関税が発動されれば、玩具やスマートフォンなど、生活に必要な製品1600億ドル(約17兆3800億円)相当の中国製品に15%の追加関税が課せられることになります。11月の中国貿易収支では、輸入は0.3%(前年比)増加していたものの、輸出のほうは1.1%も減少しており、すでに米国との貿易戦争の影響が見られます。「制裁関税第4弾」が発動されれば、さらに輸出が減少すると見られ、一部の中国専門家の指摘する「GDPは5.5%〜6.0%へ減速する」との予想もかなり現実味を帯びてきそうです。

上にも下にも行けないドル円ですが、今回はさすがにどちらかには動くと予想されます。制裁関税が発動されるのかどうかが全てですが、残された日はあと5日です。ドルロングやショートで捕まっている人も、ここでは届かないであろうと思える水準で「指値」を入れておくのも一計です。万が一の場合には「Done」(約定)ということもあるかもしれません。ということで、今年も残り少なくなりましたが、「棹尾の一振」に期待したいと思います。本日のドル円は108円20銭〜108円90銭程度と予想します。

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明日の「アナリストレポート」は都合により、お休みとさせていただきます。ご愛読者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解の程宜しくお願いいたします。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/3 トランプ大統領 (中国との合意に)「期限はない」、中国との合意を大統領選挙後まで待つのは良い考えだと思う。しかし、中国はいま合意することを望んでいる。合意が適切なものになるかどうか見てみよう」 ドル円109円台前半から108円台半ばまで下落。NYダウは一時450ドルを超える下落。
12/2 ロス・米商務長官 「論理的な期限は12月15日だ。現在とその日までの間に何も起きなければ、トランプ大統領は関税を引き上げる考えであることをかなり明確に示している」 --------
12/2 トランプ大統領 「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民にとって不利だ。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる」 株価の大幅下落と、ドル円は109円台後半から108円台後半まで売られる。
11/26 ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 「私の考えでは、利下げから量的緩和(QE)へと進むスムーズな連続性はない。中銀が資産購入に踏み込むのは利下げよりも大きなステップだ」 --------
11/26 トランプ大統領 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 ドル高、株高につながる。
11/25 パウエル・FRB議長 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 --------
11/24 マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) --------
11/20 劉鶴・中国副首相 (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。
11/19 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 --------
11/18 メスター・クリーブランド連銀総裁 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 --------
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和