今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「FOMC政策金利据え置き」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はFOMCの結果を受けて小幅に下落。政策金利は据え置かれたものの、緩和スタンスが当面続くとの見方からドル円は108円47銭まで売られた。
  • ユーロドルはユーロ買いが優勢となり、約1カ月ぶりの高値となる1.1145まで上昇。ユーロは対円でも121円に迫る水準まで買われる。
  • 株式市場は3日ぶりに小幅反発。ダウは29ドル上昇し、ナスダックは37ポイント上げる。
  • 債券相場は反発。長期金利は1.79%台まで低下。
  • 金は続伸し、原油は下落。
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11月消費者物価指数 → 0.3%
11月財政収支 → −2088億ドル
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ドル/円 108.47 〜 108.76
ユーロ/ドル 1.1073 〜 1.1145
ユーロ/円 120.39 〜 120.93
NYダウ +29.58 → 27,911.30ドル
GOLD +6.90 → 1,475.00ドル
WTI −0.48 → 58.76ドル
米10年国債 −0.049 → 1.793%

本日の注目イベント

  • トルコ トルコ中銀政策金利発表
  • 独   独11月消費者物価指数(改定値)
  • 欧   ECB政策金利発表
  • 欧   ラガルド・ECB総裁記者会見
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   11月生産者物価指数

米金融当局は今年最後のFOMCを開き、市場予想通り政策金利を据え置くことを決定しました。声明文では、「10月の前回会合以降に入手した情報では、労働市場は力強さを維持し、経済活動は緩やかなペースで拡大してきたことが示唆された。雇用の伸びはこの数カ月ならしてみると堅調で、失業率は低い水準が続いた」とし、「委員会はFF金利誘導目標レンジの適切な道筋を精査しながら、世界的な動向や抑制されたインフレ圧力など経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを引き続き注視する」と記され、政策金利の据え置きを全会一致で決めました。また今回の声明分では「不確実性が続いている」との文言が削除されています。(ブルームバーグ)

パウエル議長はその後の記者会見で、「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい。経済と金融政策は現在、両方とも良好だ」と述べています。また政策当局者が示した四半期予測では、2020年末のFF金利の予想中央値は1.6%と、来年も政策金利が据え置かれる可能性を示唆しています。さらに2021年は1.9%、2022年は2.1%とし、当局者13人が来年の金利据え置きを予想し、4人が利上げが適切との判断を示しています。ドル円は発表直後にやや上昇する場面もありましたが、「ドット分析は明らかにハト派寄り」だと受け止められ、その後108円台半ばまで売られました。ユーロドルでもドル売りユーロ買いが強まり、1.1145前後までユーロ高が進み、約1カ月ぶりの高水準になっています。ただ今回のFOMCでの政策金利据え置きは多くの市場関係者が予想していたこともあり、相場への影響は限定的だったと言えます。

米中貿易協議の合意が未だに見られず、中国に対する「制裁関税第4弾」の発動期限が刻々と迫る状況の中でも、FOMC声明文では「不確実性が続いている」との文言が削除されました。これは米中貿易協議での合意を前提として述べられているようにも受け取れます。11月の雇用統計ではほぼ完璧な内容で、個人消費も良好です。FOMC委員の多くが、貿易問題さえも、いずれは解消に向かうと予想しているということのようです。今回の声明文を受けて、金利先物市場では来年1月のFOMCでの利下げ確率も8.6%程度まで低下しています。

市場の最大の関心事は言うまでもなく、15日の「制裁関税第4弾」が発動されるのかどうかという点です。期限までは本日を含めてもあと4日しか残っていません。パーデュー米農務長官は、米中の広範な貿易協議の第1段合意に向けて続く交渉で、中国による農産物購入規模についてどの程度話し合いが進んでいるのか、自分は詳細を知らないとしながらも「期限である12月15日に米国が対中追加関税を発動しないことに、望みを抱いている」と語っています。

昨日のFOMC後の市場の動きを見ると、ドルが売られ、ユーロや、豪ドルなどが約1カ月ぶりの高値を記録していますが、円はそれほど買われてはいません。そのためクロス円は総じて水準を切り上げてきました。今日も引き続き米中貿易協議の行方を待つしかありません。協議決裂か合意かで、相場は大きく動く可能性があるため、レンジを予想する事自体余り意味がありませんが、一応本日は、108円20銭〜108円90銭程度としたいと思います。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/11 パウエル・FRB議長 「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい。経済と金融政策は現在、両方とも良好だ」 --------
12/3 トランプ大統領 (中国との合意に)「期限はない」、中国との合意を大統領選挙後まで待つのは良い考えだと思う。しかし、中国はいま合意することを望んでいる。合意が適切なものになるかどうか見てみよう」 ドル円109円台前半から108円台半ばまで下落。NYダウは一時450ドルを超える下落。
12/2 ロス・米商務長官 「論理的な期限は12月15日だ。現在とその日までの間に何も起きなければ、トランプ大統領は関税を引き上げる考えであることをかなり明確に示している」 --------
12/2 トランプ大統領 「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民にとって不利だ。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる」 株価の大幅下落と、ドル円は109円台後半から108円台後半まで売られる。
11/26 ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 「私の考えでは、利下げから量的緩和(QE)へと進むスムーズな連続性はない。中銀が資産購入に踏み込むのは利下げよりも大きなステップだ」 --------
11/26 トランプ大統領 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 ドル高、株高につながる。
11/25 パウエル・FRB議長 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 --------
11/24 マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) --------
11/20 劉鶴・中国副首相 (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。
11/19 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 --------
11/18 メスター・クリーブランド連銀総裁 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 --------
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和