今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米中貿易協議合意へ」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 「米中貿易協議―基本合意」との報道に、ドル円は109円台を回復し、109円45銭までドル高が進む。
  • ユーロドルも英総選挙でジョンソン保守党有利との情報から買われ1.1154前後まで上昇。
  • 株式市場は米中貿易協議合意の報道に大きく上昇。ダウは220ドル上昇し、他の主要指数も揃って買われる。
  • 債券相場は大幅に下落。長期金利は一気に1.89%台まで上昇し、前日比10ベーシスを超える上昇に。
  • リスクオンが進んだことで金は反落。原油は続伸。
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新規失業保険申請件数 → 25.2万件
11月生産者物価指数 → 0.0%
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ドル/円 108.56 〜 109.45
ユーロ/ドル 1.1103 〜 1.1154
ユーロ/円 120.86 〜 121.73
NYダウ +220.75 → 28,132.05ドル
GOLD −2.70 → 1,472.30ドル
WTI +0.42 → 59.18ドル
米10年国債 +0.106 → 1.897%

本日の注目イベント

  • 日 10−12月日銀短観
  • 日 10月鉱工業生産
  • 米 11月輸入物価指数
  • 米 9月小売売上高

市場参加者の多くが米中貿易協議の合意は「五分五分」と予想する中、個人的には「それでも合意の可能性が高い」と、この欄でも述べてきましたが、予想通り「第一段階の合意」におおむね達したようです。昨日の夜、日付が変わる前にトランプ大統領が、「米中は大きな通商取引での合意署名に非常に近い」とツイートしたことが始まりでした。その後ブルームバーグが「米国は中国との貿易取引で原則合意。トランプ大統領の署名待ち」と報じたことでドル円は109円台を回復し、さらに「トランプ大統領が米中貿易合意を承認。12月の関税回避」と続いたことで、ドル円は109円45銭近辺まで大きく買われました。

株式市場でもNYダウは一時300ドルを超える上昇を見せ、最高値を更新する場面もありましたが、結局220ドル高で取引を終えています。昨日は、米中の貿易協議に関する情報がいつあってもおかしくはない状況ではあったものの、「英総選挙」が最大の関心事でした。それだけに影響も大きかったようです。本日午前中にもホワイトハウスから、正式な「合意」に関する発表があるかもしれません。

ドル円は再び109円台半ばまで上昇してきました。目先の上値のメドは先週記録した109円73銭前後ということになります。近いようで遠い110円台ですが、今回はテストする可能性があるかもしれません。英総選挙も、現時点での出口調査の結果ではジョンソン首相率いる与党保守党が過半数を獲得する見通しになっています。このまま保守党が過半数を確保し、来年1月末のEU離脱が順調に進むようだと、これもリスクオンということで、円が売られ易い状況になります。今週のユーロの動きを見ていると、すでにスムーズなEUからの離脱を織り込み、ユーロ高が進んできました。ユーロ円は今朝方には122円台半ばまで買われ、約5カ月ぶりの高値を付けています。また、ポンドドルは昨年5月以来となる1.35台を回復してきました。

今年も残り2週間余りになってきましたが、本日の日経平均株価は大きく上昇すると予想しています。「米中貿易協議」と「ブレグジット」。これまで長い期間、リスクオンの前に壁のように立ちふさがった2つの大きな懸念材料が取り除かれることになり、さらにはドル円では円安が進み、「追い風十分」といった状況です。ドル円が株高にどこまで反応するのか、注目したいと思います。109円台では何度も押し戻されているドル円です。今年最後のラリーが見られるかもしれません。まさに「棹尾の一振」となりそうな気配です。日経平均株価は300円〜400円程度の上昇を見込みますが、本日は「SQ」です。その影響がどれほど現物株に影響するのかは、筆者には分かりませんが、この点には注意が必要かもしれません。「材料出尽くし」ということで、為替も株も反落することがないとは言えませんが、その可能性は低いでしょう。

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今週8日、元FRB議長のポール・ボルカー氏が亡くなりました。同氏がFRB議長だった1980年代、米国は高インフレに苦しんでいました。今週のFOMCではご承知のように、FF金利は1.5%〜1.75%で据え置かれましたが、狂乱物価を落ち着かせるため、ボルカー氏はFF金利を20%まで引き上げたこともあり、今とは隔世の感があります。身長が2メートルもあるわりには、繊細だったとか。1952年NY連銀でエコノミストとしてのキャリアをスタートさせ、それ以降、人生の大半を金融市場とともに歩み、92歳の生涯を終えたボルカー氏です。
合掌。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/11 パウエル・FRB議長 「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい。経済と金融政策は現在、両方とも良好だ」 --------
12/3 トランプ大統領 (中国との合意に)「期限はない」、中国との合意を大統領選挙後まで待つのは良い考えだと思う。しかし、中国はいま合意することを望んでいる。合意が適切なものになるかどうか見てみよう」 ドル円109円台前半から108円台半ばまで下落。NYダウは一時450ドルを超える下落。
12/2 ロス・米商務長官 「論理的な期限は12月15日だ。現在とその日までの間に何も起きなければ、トランプ大統領は関税を引き上げる考えであることをかなり明確に示している」 --------
12/2 トランプ大統領 「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民にとって不利だ。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる」 株価の大幅下落と、ドル円は109円台後半から108円台後半まで売られる。
11/26 ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 「私の考えでは、利下げから量的緩和(QE)へと進むスムーズな連続性はない。中銀が資産購入に踏み込むのは利下げよりも大きなステップだ」 --------
11/26 トランプ大統領 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 ドル高、株高につながる。
11/25 パウエル・FRB議長 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 --------
11/24 マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) --------
11/20 劉鶴・中国副首相 (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。
11/19 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 --------
11/18 メスター・クリーブランド連銀総裁 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 --------
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和