「米主要3株価指数が揃って最高値を更新」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は、株高、金利高を手掛かりに水準を若干切り上げる。109円68銭まで買われ、高値圏で取引を終える。
- ユーロドルは小動きの中、1.11台半ばを中心に推移。
- 株式市場は続伸。ダウは100ドル上昇し、ナスダック、S&P500とともに揃って最高値を更新。
- 債券相場は反落。長期金利は1.87%台へと上昇。
- 金は小幅に売られ、原油は続伸。
12月NY連銀製造業景況指数 → 3.5
12月NAHB住宅市場指数 → 76
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| ドル/円 | 109.40 〜 109.68 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1135 〜 1.1158 |
| ユーロ/円 | 121.91 〜 122.22 |
| NYダウ | +100.51 → 28,235.89ドル |
| GOLD | −0.70 → 1,480.50ドル |
| WTI | +0.14 → 60.21ドル |
| 米10年国債 | +0.049 → 1.871% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
- 英 英失業率(8月−10月)
- 欧 ユーロ圏10月貿易収支
- 米 11月住宅着工件数
- 米 11月建設許可件数
- 米 11月鉱工業生産
- 米 11月設備稼働率
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
- 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
米中貿易協議の第一段階合意と英国のソフト・ブレグジットの可能性が高まったことを理由に、米株式市場では主要3指数が揃って最高値を更新しました。揃って最高値の更新は、今月に入って初めてのことです。市場に溢れる緩和マネーがさらに株価を押し上げていますが、このまま最高値圏で2019年を終えるのかどうかも、市場の関心を集めています。株価が上昇し、リスクオンが強まったことで債券が売られ、金利の上昇とともにドル円は109円68銭値後までドル高が進んでいます。昨日も述べたように、110円というかなり高い壁がありますが、今週から来週にかけても109円台を維持できるようなら、110円テストの可能性もあるのではないかと予想しています。
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、米中貿易合意の「第2段階」について、両国がすでに取りまとめた第1段階合意の成功にある程度左右されるとし、コミットメントは維持される必要があると述べています。昨日の米国株の動きでも分かるように、これまで不透明だった米中貿易協議がひとまず大きな進展を見せたことで、再び最高値を更新する動きを見せています。常に株価の動向を気にかけているトランプ大統領が、今後少なくとも大統領選のメドが立つ来年夏場までは「ちゃぶ台返し」はしないのではないかとも思います。やや楽観的かもしれませんが、株価の上昇が維持される限り、米景気のリセッション入りの可能性は非常に限定されると思われるからです。
昨日発表された12月NY連銀製造業景況指数は予想を下回ったものの、6カ月先見通しは前月から10.4ポイントも上昇し、5カ月ぶりの高水準でした。また6カ月先の新規受注見通しも、前月から11.4ポイント上昇し、2月以来の高水準です。NY連銀管轄地区の製造業が底入れし、今後上昇に向かうことが予想されます。同じようにマークイットが発表した12月の製造業PMIは市場予想を若干下回ったものの、6月から8月までは好不況の境である「50」前後に低迷していましたが、結果は「52.5」と、チャートを見る限り底入れし、上昇に転じていることが確認できます。米中貿易問題がこれ以上悪化しないという前提に立てば、米製造業の復活は来春にも期待できるかもしれません。
その中国経済にも持ち直しの兆しが見えてきました。中国国家統計局が昨日発表した11月の工業生産は前年同月比6.2%増で、市場予想上回る伸びでした。また11月の小売売上高も同8%増え、市場予想を上回っています。さらに固定資産投資は前年同期比5.2%増でした。ブルームバーグは、今回のデータは、景気減速の歯止めをかける取り組みの効果がようやく定着しつつある可能性を示していると評価しています。本日も静かな取引が予想され、特別なニュースでもない限り値幅も限定的でしょう。ドル円の予想レンジは109円20銭〜110円程度でしょうか。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/13 | トランプ大統領 | 「中国と取引が成立したため、15日の関税は発動されない。第2段階の取引を巡る交渉は2020年の選挙を待たずに直ぐに始める」 | -------- |
| 12/13 | ライトハイザー・USTR代表 | 「米国と中国が第2段階の貿易交渉を開始する日程は今のところ決まっていない」 | ドル円、109円台半ばから109円台前半に下落 |
| 12/11 | パウエル・FRB議長 | 「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい。経済と金融政策は現在、両方とも良好だ」 | -------- |
| 12/3 | トランプ大統領 | (中国との合意に)「期限はない」、中国との合意を大統領選挙後まで待つのは良い考えだと思う。しかし、中国はいま合意することを望んでいる。合意が適切なものになるかどうか見てみよう」 | ドル円109円台前半から108円台半ばまで下落。NYダウは一時450ドルを超える下落。 |
| 12/2 | ロス・米商務長官 | 「論理的な期限は12月15日だ。現在とその日までの間に何も起きなければ、トランプ大統領は関税を引き上げる考えであることをかなり明確に示している」 | -------- |
| 12/2 | トランプ大統領 | 「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民にとって不利だ。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる」 | 株価の大幅下落と、ドル円は109円台後半から108円台後半まで売られる。 |
| 11/26 | ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 | 「私の考えでは、利下げから量的緩和(QE)へと進むスムーズな連続性はない。中銀が資産購入に踏み込むのは利下げよりも大きなステップだ」 | -------- |
| 11/26 | トランプ大統領 | 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 | ドル高、株高につながる。 |
| 11/25 | パウエル・FRB議長 | 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 | -------- |
| 11/24 | マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 | 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) | -------- |
| 11/20 | 劉鶴・中国副首相 | (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 | ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。 |
| 11/19 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 | -------- |
| 11/18 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 | -------- |
| 11/13 | パウエル・FRB議長 | 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 | ややドル高に影響したが、動きは限定的。 |
| 11/12 | トランプ大統領 | 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 | リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。 |
| 11/5 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 | -------- |
| 11/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



