今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米長期金利1カ月ぶりに1.91%台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はやや上昇したものの、クリスマスモードを先取りしたような展開となり109円台半ばを中心に14銭の値動きに留まる。
  • ユーロドルは水準を切り下げ、1.1110まで下落。英国のEU離脱を巡る懸念が再燃。
  • 株式市場は上昇し、最高値を更新する動きだったが、引けにかけてダウとS&P500は下落。ナスダックは4ポイント上昇し、3日連続で最高値を更新。
  • 債券相場は続落。10年債利回りは約1カ月ぶりに1.91%台に。
  • 金は反落し、原油価格はほぼ変わらず。
ドル/円 109.49 〜 109.63
ユーロ/ドル 1.1110 〜 1.1134
ユーロ/円 121.74 〜 121.95
NYダウ −27.68 → 28,239.28ドル
GOLD −1.90 → 1,478.70ドル
WTI −0.01 → 60.93ドル
米10年国債 +0.037 → 1.917%

本日の注目イベント

  • 豪 豪11月雇用統計
  • 日 日銀金融政策決定会合
  • 日 黒田日銀総裁記者会見
  • 英 英11月小売売上高
  • 英 BOE金融政策発表
  • 米 経常収支(7−9月)
  • 米 12月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 11月中古住宅販売件数
  • 米 11月景気先行指標総合指数

為替市場は早くも「クリスマスモード」になったのか、昨日の海外市場では膠着感がさらに強まっています。NY市場でのドル円は値幅わずか14銭程度となり、ユーロドルも同様な動きでした。そんな中、ポンドが前日に続き売られ、対円では143円前半まで下落しています。これで、総選挙で保守党が圧勝したことで上昇した分をほぼ吐き出したことになります。ジョンソン首相のEU離脱を巡る強硬姿勢が、合意なき離脱懸念を再燃させ、ポンド売りにつながっているようです。ドル円は前日とほぼ同じ水準で戻っており、本日の注目材料である「日銀金融政策決定会合」の発表を受けても、大きな動きにはつながらないと思われます。

経済指標の発表もない中、話題の中心はトランプ大統領の弾劾訴追問題でした。ブルームバーグも「トランプ氏に迫る歴史的な屈辱、米下院が弾劾訴追決議案を採択へ」というヘッドラインで報じています。記事によると、トランプ氏はジョンソン、クリントン両氏に次ぎ、弾劾訴追される史上3番目の大統領になることが確実視されています。民主党が多数を占める米下院では6時間の審議を経て、弾劾訴追の2条項を採択する模様です。条項の1つは、権力の乱用で、バイデン元副大統領とその家族を調査するようウクライナ政府に圧力をかけた疑いです。もう1つは、側近の証言や文書提出を求めた議会の召喚状に応じないよう、トランプ氏が命じたことに基づく議会妨害ということになっています。ただ下院で同案が採択されても、共和党が多数を占める上院では否決されると見られ、トランプ氏が大統領を罷免される可能性はほとんどないと見られています。

これに対してトランプ氏は17日ペロシ下院議長宛に書簡を送付しています。書簡では訴追条項に反論し、ペロシ議長を痛烈に批判しています。「下院を畏敬される立法府から党派的迫害を行う星室庁に変えたことで、後世に残るあなたの功績になろう」とした上で、「米国民が20年大統領選であなたと民主党に責任をとらせると私は確信している。国民はあなたが正義を悪用し、権力を乱用したことを簡単にはゆるさないだろう」と、トランプ氏は主張しています。トランプ氏が言及した「星室庁」は、中世イングランドで、絶対王政の下、密室で恣意的な判断を下したことで知られる「星室庁裁判所」のことを指しているようです。

FOMCで副議長を務めるNY連銀のウイリアムズ総裁は、「失業率が非常に低いにもかかわらず、インフレ圧力は本格的に高まり始めていない」とCNBCのインタビューに答えています。前日のシカゴ連銀総裁と同じように、来年も米景気は極めて良好に推移するとの見方を示し、FRBの使命である「最大限の雇用と物価安定という目標に非常に近い」と述べています。同時に、「世界の経済成長が緩和なペースに留まっている」ことや、「地政学的リスクが幾分残っていると認識している」とも述べています。貿易問題では依然として不確実性はあるものの、雇用と住宅市場の拡大が米景気を支えており、現行の金融政策は適切との立場をとっています。

本日も動きのない相場が続きそうです。予想レンジは109円20銭〜109円80銭程度でしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/17 トランプ大統領 「連邦準備制度が金利をさらに引き下げ、量的緩和を行えばどんなにすばらしいだろう。ドルは他の通貨に対して非常に強く、インフレはほとんどない。今がそうすべき時だ。輸出は急増するだろう」 --------
12/17 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気は来年に向けて良好な位置にある。見通しに大幅な変化が見られない限り、政策当局は金利を動かすべきではない」 --------
12/17 カプラン・ダラス連銀総裁 「今年の早い段階ではリスクは下方向だと考えていたが、現時点では比較的均衡が取れていると言えだろう」 --------
12/13 トランプ大統領 「中国と取引が成立したため、15日の関税は発動されない。第2段階の取引を巡る交渉は2020年の選挙を待たずに直ぐに始める」 --------
12/13 ライトハイザー・USTR代表 「米国と中国が第2段階の貿易交渉を開始する日程は今のところ決まっていない」 ドル円、109円台半ばから109円台前半に下落
12/11 パウエル・FRB議長 「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい。経済と金融政策は現在、両方とも良好だ」 --------
12/3 トランプ大統領 (中国との合意に)「期限はない」、中国との合意を大統領選挙後まで待つのは良い考えだと思う。しかし、中国はいま合意することを望んでいる。合意が適切なものになるかどうか見てみよう」 ドル円109円台前半から108円台半ばまで下落。NYダウは一時450ドルを超える下落。
12/2 ロス・米商務長官 「論理的な期限は12月15日だ。現在とその日までの間に何も起きなければ、トランプ大統領は関税を引き上げる考えであることをかなり明確に示している」 --------
12/2 トランプ大統領 「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民にとって不利だ。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる」 株価の大幅下落と、ドル円は109円台後半から108円台後半まで売られる。
11/26 ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 「私の考えでは、利下げから量的緩和(QE)へと進むスムーズな連続性はない。中銀が資産購入に踏み込むのは利下げよりも大きなステップだ」 --------
11/26 トランプ大統領 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 ドル高、株高につながる。
11/25 パウエル・FRB議長 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 --------
11/24 マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) --------
11/20 劉鶴・中国副首相 (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。
11/19 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 --------
11/18 メスター・クリーブランド連銀総裁 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 --------
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和