今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「株高、金利高にもドル売られる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は水準を切り下げ、109円18銭まで下落。中古住宅販売など、米経済指標の結果が重石となり、株高、金利高には反応せず。
  • ユーロドルは1.11台で推移し、前日のレンジとほぼ同じ水準での取引に。
  • 株式市場は大幅に上昇。トランプ弾劾の影響もなく、ダウは137ドル高と、最高値を更新。S&P500は大台の3200に乗せ、ナスダックとともに最高値を更新。
  • 債券相場は続落。長期金利は1.92%台に乗せる。
  • 金と原油は反発。
***********************
経常収支(7−9月) → −1241億ドル
12月フィラデルフィア連銀景況指数 → 0.3
新規失業保険申請件数 → 23.4万件
11月中古住宅販売件数 → 535万件
11月景気先行指標総合指数 → 0.0%
***********************
ドル/円 109.18 〜 109.51
ユーロ/ドル 1.1107 〜 1.1130
ユーロ/円 121.43 〜 121.74
NYダウ +137.68 → 28,376.96ドル
GOLD +5.70 → 1,484.40ドル
WTI +0.29 → 61.22ドル
米10年国債 +0.004 → 1.920%

本日の注目イベント

  • 日 11月消費者物価指数
  • 独 独1月GFK消費者信頼感
  • 欧 ユーロ圏12月消費者信頼感指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月経常収支
  • 英 英7−9月期GDP(確定値)
  • 米 7−9月GDP(確定値)
  • 米 11月個人所得
  • 米 11月個人支出
  • 米 11月PCEコアデフレータ
  • 米 12月ミシガン大学消費者マインド(確報値)
  • 加 カナダ10月小売売上高

トランプ大統領に対する弾劾決議案が米下院で可決されましたが、株式市場には全く影響がなく、主要3指数は揃って最高値を更新しました。S&P500は節目の「3200」に乗せ、このままでいけばダウの「3万ドル」とナスダックの「9000ポイント」乗せも、来年1月にはありそうな気配です。景気が低迷する状況にもかかわらず世界的な株高が続いていますが、その中でも米株式市場には大量の資金が流れ込んでいることが窺えます。資産運用会社としては、他のファンドに負けないためにも、高値警戒感を意識しながらもこの流れについて行かざるを得ません。「買うから上がる。上がるから買う」といった循環が続いていますが、上がり続ける相場はありません。AIが取引の主役になっている今、下げの材料があれば、一気に1000ドル近い下げがあってもおかしくはありません。

一方相変わらず静観を保っているのが為替市場です。フィラデルフィア連銀製造業指数や中古住宅販売が冴えなかったことで109円台前半までドル売りが進みましたが、今朝方はやや戻り、昨日の水準と大きな違いはありません。海外市場ではいよいよクリスマスモードに入って来るため、来週は参加者が減ることが予想されます。このまま109円台を維持することが出来れば、相場観に大きな変化はありませんが、現水準から1円ほど下げるようだと、来年1月以降の相場観に影響しそうです。

トランプ氏の弾劾を巡り、共和党と民主党の対立が深まっています。下院で可決された弾劾決議案が上院での審議に向けた手続きを巡り、トランプ氏とマコネル上院院内総務はペロシ下院議長を非難しています。マコネル氏は、「自らの稚拙な仕事の成果が恥ずかし過ぎて、上院に送付することさえもためらっているようだ」と語っています。これはペロシ氏が、上院での陪審員長が被疑者の弁護団と共謀してもかまわないと院内総務が示していることは公正ではないと非難し、弾劾裁判の規定が変更されるまで、同決議案の上院送付を見合わせると発言したことを批判しています。またトランプ氏も、「何もしない党は、決議案に対しても何もする考えがない」とツイートしました。トランプ氏が大統領を罷免されるには上院で3分の2以上の賛成が必要ですが、上院では共和党が過半数の議席を確保していることから、「罷免されることはない」と見られています。

昨日の行われた今年最後の日銀決定会合では、予想通り政策変更はありませんでした。黒田総裁は会見で、「米中貿易協議では、引き続き帰すうを注視する」と発言しながらも、若干明るくなったとの見方を示していました。日銀が引き続き緩和姿勢を維持する中、昨日世界の中銀の中で最も早く「マイナス金利」を導入したスウェーデン中銀が政策金利を「ゼロ%」に引き上げました。結局、マイナス金利による経済効果よりも副作用の方が大きいという判断だということのようです。これに対しても黒田総裁は、スウェーデン経済は比較的堅調で、日本との違いを説明していました。

本日のドル円は109円〜109円70銭程度を予想します。

=========

今年も余すところあと10日ほどです。今日は金曜日で、恐らく「忘年会」のピークだろうと思います。先日テレビで、「忘年会スルー」という言葉があることを知りました。若い人たちにとって、忘年会は出来たら参加したくないということのようです。筆者が社会人としてスタートを切った頃、忘年会がそれほどイヤだと思ったことはありません。当時忘年会で最後に歌った歌が、「♪今日もこうして飲めるのは、○○さんのおかげです。♪○○さんよ、ありがとう。ほんとに、ほんとに、ありがとう♪」と、こんな歌でした。今やこんな歌が歌われることもないのでしょうが、皆さん、飲み過ぎないように・・・。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/17 トランプ大統領 「連邦準備制度が金利をさらに引き下げ、量的緩和を行えばどんなにすばらしいだろう。ドルは他の通貨に対して非常に強く、インフレはほとんどない。今がそうすべき時だ。輸出は急増するだろう」 --------
12/17 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気は来年に向けて良好な位置にある。見通しに大幅な変化が見られない限り、政策当局は金利を動かすべきではない」 --------
12/17 カプラン・ダラス連銀総裁 「今年の早い段階ではリスクは下方向だと考えていたが、現時点では比較的均衡が取れていると言えだろう」 --------
12/13 トランプ大統領 「中国と取引が成立したため、15日の関税は発動されない。第2段階の取引を巡る交渉は2020年の選挙を待たずに直ぐに始める」 --------
12/13 ライトハイザー・USTR代表 「米国と中国が第2段階の貿易交渉を開始する日程は今のところ決まっていない」 ドル円、109円台半ばから109円台前半に下落
12/11 パウエル・FRB議長 「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい。経済と金融政策は現在、両方とも良好だ」 --------
12/3 トランプ大統領 (中国との合意に)「期限はない」、中国との合意を大統領選挙後まで待つのは良い考えだと思う。しかし、中国はいま合意することを望んでいる。合意が適切なものになるかどうか見てみよう」 ドル円109円台前半から108円台半ばまで下落。NYダウは一時450ドルを超える下落。
12/2 ロス・米商務長官 「論理的な期限は12月15日だ。現在とその日までの間に何も起きなければ、トランプ大統領は関税を引き上げる考えであることをかなり明確に示している」 --------
12/2 トランプ大統領 「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民にとって不利だ。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる」 株価の大幅下落と、ドル円は109円台後半から108円台後半まで売られる。
11/26 ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 「私の考えでは、利下げから量的緩和(QE)へと進むスムーズな連続性はない。中銀が資産購入に踏み込むのは利下げよりも大きなステップだ」 --------
11/26 トランプ大統領 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 ドル高、株高につながる。
11/25 パウエル・FRB議長 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 --------
11/24 マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) --------
11/20 劉鶴・中国副首相 (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。
11/19 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 --------
11/18 メスター・クリーブランド連銀総裁 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 --------
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和