「株に加え、金、原油も買われる」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は株高につられ、109円68銭まで上昇。値幅は出なかったものの、109円台半ばを超える動きに。
- ユーロドルは小幅に上昇。1.1109まで買われたが欧州市場が休みだったため商いは盛り上がらず。
- 豪ドル円が76円台に乗せ、76円18銭前後まで上昇。約5カ月ぶりの高値を記録。
- 株式市場は3指数とも揃って最高値を更新。アマゾンや、アップルなどが買われた。ナスダックは11連騰を記録し、「9000」の大台に乗せる。
- 債券相場は小幅に続伸。長期金利は1.90%を割り込む。
- 金と原油は3営業日続伸。
新規失業保険申請件数 → 22.2万件
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| ドル/円 | 109.59 〜 109.68 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1090 〜 1.1109 |
| ユーロ/円 | 121.54 〜 121.78 |
| NYダウ | +105.94 → 28,621.39ドル |
| GOLD | +9.60 → 1,514.40ドル |
| WTI | +0.57 → 61.68ドル |
| 米10年国債 | −0.005 → 1.894% |
本日の注目イベント
- 日 11月失業率
- 日 11月鉱工業生産
- 日 日銀金融政策決定会合における主な意見(12月18・19日分)
- 中 中国11月工業利益
- 欧 ECB経済報告
クリスマス休暇明けのNY市場では、今年の動きを象徴するかのように、ほぼ全ての市場で上昇が続きました。昨日の朝方、109円25銭近辺まで売られたドル円は日本株の上昇を好感し、109円57銭前後まで買われ、NY市場では相変わらず静かな取引でしたが、109円68銭まで続伸し、堅調でした。
NY株式市場では3主要指数が揃って上昇し、最高値を更新しました。特にナスダックは「9000」の大台に乗せ、これで11連騰です。昨日は債券もわずかですが買われており、金も1517ドル台まで買われ、約2カ月ぶりの高値を付けました。さらに原油も上昇し、こちらは3カ月ぶりの高値です。一言で言えば、やはり「金余り」ということなのでしょう。リスク選好時には売られ易いものまで昨日は買われています。豪ドル円も7月以来の76円台を回復し、今朝の経済紙は、2020年の中国GDPの予想平均値は「5.9%」と報じていましたが、全く影響していません。楽観論が市場全体を覆っているようです。
アマゾンの、今年のホリデーシーズンの売り上げが好調だったようです。年末商戦中の1週間だけで、世界の500万を超える新規顧客がプライムの無料トライアルを開始、あるいは有料会員になったと伝えられています。またこの期間全体の販売品目は10億品目を超えたとあります。アマゾン株は昨日の株式市場で大きく買われ、相場上昇の牽引役になっています。
ドル円はやや水準を切り上げ、109円台半ばを抜けてきました。問題は、この水準から110円までが「壁」になっており、抜け切れるかどうかという点です。「日足」までのチャートでは全て上昇傾向を見せていますが、注目されるのは「週足」です。ここでは雲の上限が110円手前にあり、その前後には重要な移動平均線である「200週線」や「120週線」が集まっており、雲とともに強力な「抵抗帯」を形成しています。この辺りには実需のドル売り注文が並んでいることも容易に想像できます。1回のテストでは抜けきれないとは思いますが、足元のセンチメントは「ドル高」に傾いており、市場を覆っている「楽観論」とともに援軍にはなっています。米中貿易協議の第一段階合意を受けた今月13日に109円台を回復して2週間が経ちます。その間一度も109円を割り込んではいません。ショート筋が「しびれをきらして」買い戻しに入ることも考えられます。今日を含めて残り3日間で、どこまで水準を伸ばせるのか、あるいは、再び押し戻されるのか注目したいと思います。本日のドル円は109円40銭〜109円90銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/17 | トランプ大統領 | 「連邦準備制度が金利をさらに引き下げ、量的緩和を行えばどんなにすばらしいだろう。ドルは他の通貨に対して非常に強く、インフレはほとんどない。今がそうすべき時だ。輸出は急増するだろう」 | -------- |
| 12/17 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「米景気は来年に向けて良好な位置にある。見通しに大幅な変化が見られない限り、政策当局は金利を動かすべきではない」 | -------- |
| 12/17 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「今年の早い段階ではリスクは下方向だと考えていたが、現時点では比較的均衡が取れていると言えだろう」 | -------- |
| 12/13 | トランプ大統領 | 「中国と取引が成立したため、15日の関税は発動されない。第2段階の取引を巡る交渉は2020年の選挙を待たずに直ぐに始める」 | -------- |
| 12/13 | ライトハイザー・USTR代表 | 「米国と中国が第2段階の貿易交渉を開始する日程は今のところ決まっていない」 | ドル円、109円台半ばから109円台前半に下落 |
| 12/11 | パウエル・FRB議長 | 「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい。経済と金融政策は現在、両方とも良好だ」 | -------- |
| 12/3 | トランプ大統領 | (中国との合意に)「期限はない」、中国との合意を大統領選挙後まで待つのは良い考えだと思う。しかし、中国はいま合意することを望んでいる。合意が適切なものになるかどうか見てみよう」 | ドル円109円台前半から108円台半ばまで下落。NYダウは一時450ドルを超える下落。 |
| 12/2 | ロス・米商務長官 | 「論理的な期限は12月15日だ。現在とその日までの間に何も起きなければ、トランプ大統領は関税を引き上げる考えであることをかなり明確に示している」 | -------- |
| 12/2 | トランプ大統領 | 「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民にとって不利だ。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる」 | 株価の大幅下落と、ドル円は109円台後半から108円台後半まで売られる。 |
| 11/26 | ロウ・オーストラリア準備銀行総裁 | 「私の考えでは、利下げから量的緩和(QE)へと進むスムーズな連続性はない。中銀が資産購入に踏み込むのは利下げよりも大きなステップだ」 | -------- |
| 11/26 | トランプ大統領 | 米中貿易協議について、「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある。非常に順調に進んでいる」 | ドル高、株高につながる。 |
| 11/25 | パウエル・FRB議長 | 「経済を巡る今後の情報が当局の見通しとおおむね合致した状況が続く限り、現行の金融政策スタンスは依然として適切である可能性が高いとわれわれは考える」 | -------- |
| 11/24 | マイケル・ブルームバーグ・前NY市長 | 「ドナルド・トランプを打ち負かし、米国を立て直すために出馬する。大統領による無鉄砲で倫理観を欠いた行動がさらに4年間続くことに、米国は堪えられない」「再選された場合、米国が受けるダメージは二度と修復できなくなるだろう」(民主党大統領候補出馬にあたって) | -------- |
| 11/20 | 劉鶴・中国副首相 | (米国側の要求に)「戸惑っているものの、合意の第1段階に達する自信を持っている」「慎重ながらも楽観的だ」 | ドル円→108円30銭近辺から反発。マイナス400円を超える下落を見せた日経平均株価も下げ幅を200円以下に縮小。 |
| 11/19 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「現在の経済状況および緩やかな成長の継続と力強い労働市場、2%へ向かうインフレを描く基本シナリオを考えると、現在の金融政策スタンスはこれを支える上で適切だと見受けられる」 | -------- |
| 11/18 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「現在の金融政策はインフレの行方を見守る上で好位置であると考えている」「インフレは当局の2%目標に向かって上昇しているように見受けられるものの、製造業と投資はこのところ弱い。個人消費は力強く、底堅い」 | -------- |
| 11/13 | パウエル・FRB議長 | 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 | ややドル高に影響したが、動きは限定的。 |
| 11/12 | トランプ大統領 | 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 | リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。 |
| 11/5 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 | -------- |
| 11/5 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



