「新型ウイルスへの警戒感いったん後退」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は108円台から反発。上値は限られたものの、109円20銭までドルが買われる。株価が上昇し、長期金利も反発したことがドルの支えに。
- ドルが買い戻されたことでユーロドルは1.10を割り込み、1.0998まで下落。
- 株式市場は反発。アップルの決算が好調だったことで市場のセンチメントが好転。ダウは5日ぶりに上昇。他の指数も揃って反発。
- 債券は反落。長期金利は1.65%台に上昇。
- 金は4日ぶりに売られ、原油は反発。
12月耐久財受注 → 2.4%
11月ケース・シラ−住宅価格指数 → 2.55%
1月消費者信頼感指数 → 131.6
1月リッチモンド連銀製造業指数 → 20
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| ドル/円 | 108.93 〜 109.20 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0998 〜 1.1023 |
| ユーロ/円 | 119.84 〜 120.33 |
| NYダウ | +187.05 → 28,722.85ドル |
| GOLD | −7.60 → 1,569.80ドル |
| WTI | +0.34 → 53.48ドル |
| 米10年国債 | +0.048 → 1.656% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第4四半期消費者物価指数
- 日 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月20、21日分)
- 日 日銀金融政策決定会合議事録(2009年7−12月開催分)
- 独 独2月GFK消費者信頼感
- 欧 ユーロ圏12月マネーサプライ
- 米 FOMC 政策金利発表
- 米 パウエル議長記者会見
- 米 12月中古住宅販売件数成約指数
- 米 企業決算 → AT&T、GE、テスラ、フェイスブック、ボーイング、マイクロソフト、マクドナルド
中国発の新型コロナウイルスの感染が止まりません。昨夜時点で死亡者数は100人を超え、106人となり、感染者の数も一気に4500人を超えてきました。そのうち976人が重症だとも報告されており、亡くなる人の数は急速に増える可能性があります。また、昨日は奈良県で日本人の感染者も確認され、感染者は武漢への渡航歴もなく、バスの運転手であることから、「人から人へ」感染した可能性も否定できないと、厚生労働省の担当者が昨日発表しています。いずれ東京でも感染が確認されると思われ、中国武漢が発生源とみられる今回の新型ウイルスの感染拡大は新たなステージに入ったと思われます。昨日夜羽田を飛び立った政府のチャータ−機は、本日にも武漢から戻って来ると思われますが、その中に感染者がいないことを祈りたいと思います。
昨日の日経平均株価は予想通り終始軟調な展開で、一時は200円を超える下落でしたが、引け値では128円安でした。NY株の大幅安を受けて売り優勢の流れでしたが、昨日のこの欄でも述べたようにNY株の「ゲーム・チェンジャー」はやはり、アップルの決算発表でした。アップルの10−12月の売上高は918億ドル(約10兆円)で、前年同期比9%増加し、市場予想を上回りました。iPhoneの需要も回復したようです。また今朝の日経新聞でも今年1−6月のiPhoneの出荷台数が1割程伸びるとの記事もあり、アップルの株価が市場全体のセンチメントに好影響を与え、ダウは187ドル上昇して取引を終えています。
ドル円も109円台を回復し、109円20銭近辺まで反発しています。それにしても今回の新型ウイルスによる混乱では、株式や原油が大きく売られ、金や債券、あるいはビットコインなど逃避資産が大きく買われました。円もある程度は買われ、ドル安円高が進みましたが、昨日も見られたように、ドル円は108円70−80銭の水準が妙に底堅く、株価の下げの割には下落しない印象でした。特に前日NYダウが500ドルを超える下げを見せ、S&P500も大きく値を下げたことで、「VIX指数」は18台まで上昇し、「恐怖感」が強まっていましたが、この時の通貨の「VIX指数」を見ると反対に下げています。中国との関係が強い豪ドルなどは大きく売られましたが、ドルは円やユーロに対しての下落は限定的でした。もちろん、今後の感染の広がり具合ではわかりませんが、為替市場ではそれほど「恐怖感」は強まっていなかったことを物語っています。
ただそれでも現時点ではドルの上値は限られると見られます。今後も感染者数と死亡者数は増えると予想され、今回の騒動が収まるには時間が必要です。また、新型ウイルスの特効薬開発には時間がかかります。中国ではひとまず、SARSなどで効果をあげたワクチンを試験的に使っているようですが、効果的な治療方法が見つかるまではまだ予断を許しません。本日のドル円の予想レンジは108円80銭〜109円50銭程度と予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 | -------- |
| 1/17 | トランプ大統領 | 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 | -------- |
| 1/15 | トランプ大統領 | (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 | -------- |
| 1/13 | ローゼングレン:ボストン連銀総裁 | 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 | -------- |
| 1/13 | ボステック:アトランタ連銀総裁 | 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 | -------- |
| 1/8 | ザリフ・イラン外相 | 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 | -------- |
| 12/17 | トランプ大統領 | 「連邦準備制度が金利をさらに引き下げ、量的緩和を行えばどんなにすばらしいだろう。ドルは他の通貨に対して非常に強く、インフレはほとんどない。今がそうすべき時だ。輸出は急増するだろう」 | -------- |
| 12/17 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「米景気は来年に向けて良好な位置にある。見通しに大幅な変化が見られない限り、政策当局は金利を動かすべきではない」 | -------- |
| 12/17 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「今年の早い段階ではリスクは下方向だと考えていたが、現時点では比較的均衡が取れていると言えだろう」 | -------- |
| 12/13 | トランプ大統領 | 「中国と取引が成立したため、15日の関税は発動されない。第2段階の取引を巡る交渉は2020年の選挙を待たずに直ぐに始める」 | -------- |
| 12/13 | ライトハイザー・USTR代表 | 「米国と中国が第2段階の貿易交渉を開始する日程は今のところ決まっていない」 | ドル円、109円台半ばから109円台前半に下落 |
| 12/11 | パウエル・FRB議長 | 「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい。経済と金融政策は現在、両方とも良好だ」 | -------- |
| 12/3 | トランプ大統領 | (中国との合意に)「期限はない」、中国との合意を大統領選挙後まで待つのは良い考えだと思う。しかし、中国はいま合意することを望んでいる。合意が適切なものになるかどうか見てみよう」 | ドル円109円台前半から108円台半ばまで下落。NYダウは一時450ドルを超える下落。 |
| 12/2 | ロス・米商務長官 | 「論理的な期限は12月15日だ。現在とその日までの間に何も起きなければ、トランプ大統領は関税を引き上げる考えであることをかなり明確に示している」 | -------- |
| 12/2 | トランプ大統領 | 「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民にとって不利だ。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる」 | 株価の大幅下落と、ドル円は109円台後半から108円台後半まで売られる。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



