今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NY株連日の大幅高」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はリスク回避の流れが後退したことで緩やかに上昇。109円85銭までドル高が進む。
  • ユーロドルは反落し、1週間ぶりに1.10を割り込む。
  • NY株は前日に続き大幅上昇。良好な経済指標に加え、新型コロナウイルスに対するワクチン開発への期待もあり、ダウは483ドル高。ここ3日間の上昇は1000ドルを超え、先週末の急落を埋め最高値に迫る。ナスダックは最高値を更新。
  • 債券相場は続落し長期金利は1.64%台と、1週間ぶりの高水準を回復。
  • 金は4日ぶりに反発し、原油も50ドル台を回復。
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1月ADP雇用者数 → 29.1万人
12月貿易収支 → −489億ドル
1月ISM非製造業景況指数 → 55.5
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ドル/円 109.65 〜 109.85
ユーロ/ドル 1.0994 〜 1.1023
ユーロ/円 120.66 〜 121.00
NYダウ +483.22 → 29,290.85ドル
GOLD +7.30 → 1,562.80ドル
WTI +1.14 → 50.75ドル
米10年国債 +0.048 → 1.647%

本日の注目イベント

  • 豪 豪12月貿易収支
  • 豪 豪12月小売売上高
  • 独 独12月製造業新規受注
  • 欧 ラガルド・ECB総裁講演
  • 欧 ECB経済報告
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 10−12月雇用コスト指数
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
  • 米 企業決算 → ウーバー、ブリストル、ツイッター

NY株の連日の大幅高は驚きです。新型コロナウイルスの感染は依然として続いており、今朝の時点では死者の数は500名に迫っており、世界の感染者数も2万5000人近くになっています。日本でも国内感染者の数は35人となり、昨日は横浜港に停泊中の「ダイヤモンド・プリンセス」の乗船者への検査で、日本人3人を含む10人の感染が確認されています。そんな中、昨日のNY株式市場でダウは483ドル上昇し、再び最高値に迫っています。ここ3日間の上昇幅は1034ドルと、先週末の600ドルを超える大幅安を完全に埋めて、余りがあります。リスクオフが後退したことで、長期金利の上昇と相まってドル円も買われましたが、110円には届いていません。

NY株上昇の背景は好調な経済指標がその一つです。民間企業による雇用統計であるADP雇用者数は、市場予想の「15万人」に対して「29.1万人」と、大幅に増加していました。引き続き労働市場は拡大していると見られ、明日の雇用統計への期待も膨らんでいます。また1月のISMサービス業の景況指数も「55.5」に上昇しており、新型コロナウイルスの感染拡大への不安もある中、節目の「50」を大きく超え好調さを示しています。農業やヘルスケアを含む12の業種で活動水準の改善が報告され、ISMの調査担当者は「底堅く漸進的な伸びが見られ、これが長期にわたり持続可能だと感じる」と述べています。(ブルームバーグ)先に発表された製造業景況指数も「50.9」と予想を上回っていたことで、米経済の先行きに楽観論が台頭してきました。

もう一つの株価上昇要因は、新型コロナウイルスに対する楽観的な見方です。感染拡大による経済的影響を最小限にとどめようとする取り組みは成功するとの観測が広がったようです。ただこれについては、WHOの公衆衛生上の緊急事態プログラム責任者は5日、新型ウイルスには「実証された有効な治療法はない」と記者会見で述べています。また一方では、米医薬品開発会社のギリアド・サイエンシズ社は、中国で中程度および重症の患者を対象に実施する2つの試験で抗ウイルス薬「レムデシビル」が試されることを発表しています。ブルームバーグによると、同薬は研究室での実験で新型コロナウイルスに対する有効性が示されており、患者は1日1回、「レムデシビル」またはプラセボ(偽薬)の投与を計10回受け、有効かどうかを28日後に評価するとしています。

アイオア州の民主党党員集会では、事前の予想に反してブティジェッジ候補がトップに躍り出ました。同氏は高齢者の多い候補者の中で最も若い38歳で、世代交代を訴え支持を集めたようです。2位はサンダース候補で、本命視されていたバイデン候補は4位に沈んでいます。この日はちょうど、トランプ大統領の一般教書演説が議会で行われ、トランプ氏は対中国との貿易合意や好調な米経済は自身が行ったなどと、これまでの実績をアピールし、選挙戦を有利に進める場にしたようです。議会でのトランプ大統領の演説が終わると、後ろに座っていたペロシ下院議長が立ち上がり、演説原稿をおもむろに破った行動が話題になっています。ペロシ議長はトランプ大統領の弾劾裁判では先頭に立ち、同大統領を非難する急先鋒でした。

ドル円は緩やかに上昇を続けています。109円70−110円のゾーンが昨年12月にも何度が跳ね返された水準です。ここを抜けて再び110円台を回復できるのか注目されます。本日のドル円は109円50銭〜110円10銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/2 ゲオルギエバ・IMF専務理事 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 --------
1/23 ラガルド・ECB総裁 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 --------
1/17 トランプ大統領 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 --------
1/15 トランプ大統領 (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 --------
1/13 ローゼングレン:ボストン連銀総裁 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 --------
1/13 ボステック:アトランタ連銀総裁 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 --------
1/8 ザリフ・イラン外相 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和