「ドル円110円をワンタッチ」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は東京時間に上昇し、109円98銭まで買われたが、NY市場では109円台後半から110円の間で張り付いたまま小動き。
- ユーロドルはやや水準を下げ、1.0964前後まで下落。約4カ月ぶりとなる安値を記録。
- 株式市場はこの日も上昇。中国が米国からの輸入品の関税を一部引き下げるとの発表を好感。3指数とも揃って最高値を更新し、ナスダックは初の9500ポイントに乗せる。
- 債券相場は横ばい。長期金利は1.64%台で若干低下。
- 金と原油は揃って上昇。
新規失業保険申請件数 → 20.2万件
10−12月雇用コスト指数 → 1.4%
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| ドル/円 | 109.82 〜 110.00 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0964 〜 1.1004 |
| ユーロ/円 | 120.56 〜 120.94 |
| NYダウ | +88.92 → 29,379.77ドル |
| GOLD | +7.20 → 1,570.00ドル |
| WTI | +0.20 → 50.95ドル |
| 米10年国債 | −0.009 → 1.642% |
本日の注目イベント
- 日 12月景気一致指数
- 中 中国 1月貿易収支
- 独 独12月貿易収支
- 独 独12経常収支
- 独 独12月鉱工業生産
- 米 1月雇用統計
- 米 12月消費者信用残高
- 加 カナダ1月就業者数
- 加 カナダ1月失業率
- 米 企業決算 → ウーバー、ブリストル、ツイッター
NY株は昨日も上昇し、ダウはこれで今週だけで1100ドル程上げたことになり、ナスダック指数は初めて9500ポイントの大台に乗せています。市場の金余りが根底にあることはこの欄でも何度か述べてきましたが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大より、世界経済が減速することが予想され、主要国は再び緩和姿勢を強めるとの期待も株価を押し上げているようです。事実、今週に入ってタイや、ブラジル、さらにフィリピンでも利下げに踏み切っています。IMFのゲオルギエバ専務理事は日経新聞とのインタビューで、主要国は緩和政策を維持すべきだとの認識を示しています。連日のNY株の大幅高に、さすがの日経平均株価も昨日は久しぶりに急騰しました。500円を超える上昇を見せていた指数は、午後に中国が対米関税の一部引き下げを発表すると、日経平均株価は680円近辺まで上昇し、大商いだったようです。
一方で新型コロナウイルスの感染拡大は止まっていません。昨日は中国武漢市で、今回の新型ウイルスに早くから警鐘を鳴らしていた医師の李文亮氏が亡くなり、同氏が勤務していた武漢市の中心医院は「当院の眼科医、李文亮氏は不運にも新型コロナウイルスの感染拡大と闘う取り組みの中で罹患し、あらゆる救命措置を講じたものの、7日午前2時58分に亡くなった」と説明しています。(ブルームバーグ)市場の楽観的な雰囲気と、連日報道される新型肺炎のニュースに違和感を覚える人も多いのではないかと思いますが、私もその一人です。
トランプ大統領は弾劾裁判で無罪を勝ち取ったことで「我が国の勝利だ」「魔女狩りだ」といった言葉を使い、勝利宣言を行ないました。「無罪」を伝えるワシントンポスト紙を片手で振りかざしながら声高に自身の潔白を主張していました。今回の弾劾裁判での無罪は当初から予想されていたことで驚くべきことでもありませんが、前日議会で、トランプ氏の演説原稿を破って見せたペロシ下院議長は強烈にトランプ氏を批判し、「米大統領は代わるだろう」と述べていました。先日のギャラップ社が報じたように、2大政党である共和党と民主党の分断は、これまで目にしたことがないほど深まっているようです。
中国は、今月14日から米国からの約750憶ドル(約8兆2500億円)相当の輸入品に対する関税率を半分に引き下げると発表しました。中国が昨年9月1日に発動した報復関税の税率10%を5%にするというものです。米国産の豚肉や大豆、原油など1700品目が対象になると見られています。中国のこの発表は、今後予定されている貿易協議の第2段階を有利に進めたいとの思惑があるようですが、トランプ氏はこの「英断」を歓迎するものと思われます。
ドル円は110円手前で足踏み状態です。株価の大幅高にドル買いが優勢にはなっていますが、いまいち勢いはありません。株価が再び調整を見せるようだと、今度は素直に下落に転じる可能性もあります。110円台ではドル売り注文が多いのは予想できますが、抵抗帯としては110円から110円30銭辺りと見ています。今夜の雇用統計でこのゾーンをブレイクできるのか、注目点の一つです。ADP雇用者数の上振れや、昨日の週間失業保険申件数が低水準に留まっていることなどから、期待値は高まっているようです。本日のドル円は109円50銭〜110円50銭程度を予想します。
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今週アイオワ州で行われた民主党の党員集会で、サンダース候補の追い上げもありましたが、ピート・ブティジェッジ候補が予想に反して得票率トップとなりました。同氏はインディアナ州サウスベント市の市長でしたが、この都市の名前を耳にするのは初めてです。人口10万人強の、小さな街のようです。その市の元市長がいきなり大統領選での民主党候補のトップに踊り出たことで全米に衝撃を与えているそうです。 このままトップを維持し、正式に民主党の大統領候補になる確率はそれほど高くはないと思いますが、「想定外」は、すでに2016年の「トランプ対クリントン」で経験済み。もし大統領候補になれば、1976年の、あのジミー・カーター氏を彷彿させます。筆者は偶然にも1976年11月の大統領選のさなか、サンフランシスコ郊外のUCバークレーにいました。キャンパスには「Jimmy、 Who?」(ジミーって誰?)と書いたプラカードを持った多くの学生がデモを行っていました。結局この年の大統領選でカーター氏はフォード氏を破り、大統領になったわけです。ブティジェッジ候補が正式に民主党の大統領候補に選ばれトランプ氏を破れば、カーター氏の再来になりますが、米国民は「J・F・ケネディーの再来」と言うかもしれません。傍観者の筆者にとっては「トランプ対ブティジェッジ」の方が、選挙戦としては面白いような気がしますが、どうでしょう。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 | -------- |
| 2/2 | ゲオルギエバ・IMF専務理事 | 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 | -------- |
| 1/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 | -------- |
| 1/17 | トランプ大統領 | 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 | -------- |
| 1/15 | トランプ大統領 | (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 | -------- |
| 1/13 | ローゼングレン:ボストン連銀総裁 | 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 | -------- |
| 1/13 | ボステック:アトランタ連銀総裁 | 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 | -------- |
| 1/8 | ザリフ・イラン外相 | 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



